紘
ごめんな
由佳
私も、ごめん
紘
なぁ
紘
電車の時間ずらさね?
由佳
…そうだね。
次の日の朝
旬
…あれ。いない
旬
……
旬
時間ずらしたな
アイツら。
アイツら。
10分後
由佳
おはよ!
紘
おはよ!
由佳
旬は…
由佳
いないね。
紘
おう
紘
けど、多分今日で勘づいたと
と思うから
と思うから
紘
明日は少し遅めに行こう
由佳
…うん
駿樹
……
駿樹
(由佳…?)
駿樹
(…人が多過ぎて通れ…)
由佳
あ、結構人減ったね
紘
そうだな
駿樹
由佳っ!
由佳
っ!?
由佳
しゅ、駿樹…。
駿樹
なに、彼氏?
由佳
…そう
駿樹
…ムカつくな
紘
お前、誰。
駿樹
俺の彼女。
由佳
っ!
由佳
嘘つかないでよ
由佳
元カノでしょ!
駿樹
あー、そうだった
駿樹
なに、お前S高行ったんだ
由佳
…そうだけど。
紘
…俺の由佳に近寄るなよ
駿樹
あ?
駿樹
なんだよテメェ。
駿樹
殺されてぇのか?
そう言うと 駿樹は紘の首を掴む
紘
うっぐ!
由佳
や、やめてっ!
由佳
お願い…。
駿樹
コイツと別れる?
由佳
……。
力を込める
紘
ぐっ!
駿樹
ほら、コイツ
死ぬぞ?
死ぬぞ?
紘
がっ!
紘
い、うなっ!
紘
あっがっ!
紘も負けじと 抵抗する
駿樹
んだよ、弱いんだよ
駿樹
おい、早く言え
駿樹
俺ともう一度やり直そうぜ?
由佳
…っ。
由佳
やだ……。
由佳
やめて…。
駿樹
チッ。
駿樹
停車かよ
駿樹
まぁいい
駿樹
明日もこの時間に来い
駿樹
じゃなきゃ、お前の
高校に乗り込むからな
高校に乗り込むからな
駿樹
じゃあーなー。
由佳
…っ。
紘
くっ…はぁ。はぁ。
紘
(情けねぇな。俺)
紘
おい、だ
由佳
大丈夫!?
由佳
…良かった…。
由佳
生きててよかった…。
紘
…なぁ
紘
アイツとどういう関係?
由佳
…。
由佳
今日はいつもより早いから
公園で話そ?
公園で話そ?
紘
…おう
公園
由佳
…中学時代の元カレ。
由佳
私も好きだった
由佳
けど
由佳
彼の束縛とか独占欲とか強すぎて
由佳
耐えられなくなって別れた
由佳
…けど、別れ話したとき
由佳
今日みたいに首掴まれて
死にそうになった所で
死にそうになった所で
由佳
やっと別れてくれた。
紘
まじかよ。
紘
最低なやつじゃん
紘
…ごめんな
紘
俺、守れなくて
由佳
しょうがないよ
由佳
小学校の頃
格闘技やってたんだし
格闘技やってたんだし
紘
そ、うなのか
由佳
…明日、どうしよう。
紘
…時間をずらそう
紘
明日は、いつも通り
由佳
旬に会ってもいいの?
紘
お前が会いたくないなら
構わない
構わない
紘
アイツより、旬の方が
まだいい
まだいい
由佳
…そうする。
紘
絶対教室から出んな
紘
俺からメール来るまで
由佳
…うん
教室
旬
おい、なんでいなかったんだ?
紘
…関係無いだろ
旬
…時間ずらしたわけね。
紘
……。
旬
いいし。俺も明日から
時間ずらすから
時間ずらすから
紘
…なぁ
紘
俺ら、明日はいつも通り来る
旬
…そーかよ
次の日
駿樹
(あぁ?いねぇんだけど)
駿樹
(約束破ったからには責任取れよな?)
駿樹
(俺だけの可愛い由佳ちゃん♪)
いつも通りの電車
由佳
…っ。
紘
いねぇ、よな?
旬
何してんだ
由佳
っ!
由佳
な、なんだ
由佳
旬か。
紘
おはよ
旬
おう
旬
…どうした?
由佳
…別に。
旬
別にじゃねぇよ
旬
顔色悪い
由佳
何でもない
紘
…昨日、由佳の元カレに
会った
会った
紘
たまたまな。
旬
へー。
紘
俺と別れないと俺を殺すって
紘
首思いっきり締められた笑
旬
…は?
旬
笑い事じゃねぇだろ。
旬
……誰だよそいつ
旬
俺がぶっ殺す
紘
や、やめろよ
由佳
…。
紘
な、なぁ。
旬
うるせぇ
旬
で、どこにいる
由佳
……。
旬
おい、言え。
由佳
……。
旬
言えって言ってんだよ
由佳
っ!
由佳
…た、多分…今日
由佳
私の学校に来る。
旬
なっ!?
紘
…俺も学校終わったら
すぐ駆けつける
すぐ駆けつける
旬
…俺も。
紘
……。
旬
勘違いすんな
旬
俺はお前と由佳が
大変な目に合ってるから
大変な目に合ってるから
旬
助けてやるつもりだ
紘
…ありがとな
由佳
…あり、がとう
旬
……。
放課後
由佳
(と、トイレに隠れてれば
気づかれないよね…?)
気づかれないよね…?)
ピロリンっ
由佳
(あ、メール。)
駿樹
俺だ
駿樹
今すぐ校門へ来い
駿樹
話がある
駿樹
早く来ねぇとお前の
クラスメイト使って無理矢理
来させるぞ
クラスメイト使って無理矢理
来させるぞ
由佳
……。、
由佳
(私は怖かった)
由佳
(だからあえて既読は付けないまま)
由佳
(本文を読んだ)
ピロリンっ
旬
今急いで向かってる
由佳
もう、いるって。
旬
…そうか
旬
待ってろよ
由佳
…うん
紘
由佳!
紘
今すぐ行くからな!
由佳
ありがとう…。
S高校門前
駿樹
ちっ。
駿樹
遅せぇよ
駿樹
ゆーかーちゃーん
駿樹
はーやーくきーてーよー
旬
おい、迷惑だ
駿樹
あ?
旬
こっち来い
駿樹
…
旬
(お前は由佳をたの)
ガシッ!
駿樹
おいおい、一人だけ
逃げんのは無しだろ?
逃げんのは無しだろ?
紘
くっ!
紘は何とか振り払い 走ってどこかへ隠れる
駿樹
あー、うざってぇな
旬
おい、何よそ見してんだよ
相手の頬に殴る
駿樹
いってぇ。
駿樹
俺の由佳に何か用ー?
旬
お前の…?
旬
あぁ、お前のだった由佳か
旬
うん、用あるよ
駿樹
一々ムカつくなお前。
旬
喧嘩しようぜ
駿樹
上等だ
メール
由佳
な、何してるの…?
紘
…今から出てこい
紘
大丈夫だ
紘
今はもういないから
由佳
…分かった
私は校門へ出る
由佳
紘っ!
紘
由佳!
紘
怖かったな
紘
もう、大丈夫
紘
…お願い
紘
急で悪いけどさ
紘
俺の家に泊まって。
由佳
…分かった。
紘
ごめんな突然。
由佳
大丈夫。
由佳
お母さん、出張でいないから
由佳
親、大丈夫?
紘
彼女ならいつでも大歓迎
だってさ
だってさ
由佳
…そう。
紘
…早く行こう
由佳
そうだね。
由佳
って、早いよ
紘
ごめん
紘
けど、我慢して
由佳
……。
まるで走っているかのように 電車へ向かい
家までは走って行く
由佳
はぁ、はぁ。
紘
ごめん
紘
…俺の部屋で休んでて
紘
俺、なんか買ってくるよ
由佳
…分かった。
紘
…部屋から出たら
別れるからな
別れるからな
由佳
…冗談でもやめて。
紘
こうでもしなきゃ
部屋から出るだろ?
部屋から出るだろ?
由佳
……分かった。
紘
じゃ、行ってくる
由佳
うん。







