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愛してるから側に来て

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愛してるから側に来て

1 - 愛してるから側に来て

♥

519

2019年07月20日

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(屋上久しぶりに来たな…)

(あの子、初めて見る子だ…)

こんにちは!

芽依

っ!誰!?

そんなにびっくりしなくても…

芽依

ごめんなさい

芽依

私、目が見えないから急に呼ばれてびっくりしたの

そうなんだ…ごめんね

芽依

いいのよ。貴方はどうして病院に?

俺は耳が聞こえなくて

今は補聴器でなんとかしのいでるよ

芽依

なら、私の声聞こえにくいでしょう?

それが、君の声はちょうど良く聞こえるよ

男性の声は何とか聞こえるが女性の声は高く聞こえにくい だが、ハスキーなこの女性の声は聞こえやすかったのだ

芽依

ならよかった!

君、名前は?

芽依

私は、芽依

俺は亮

芽依

もう行かなきゃ!

芽依

ねえ、また明日も会える?

俺、今日検診に来ただけだから…

芽依

そっか…

あ、日曜日会いに行くよ!

芽依

ホントに!?また屋上にきて!

分かった

あの子、可愛かったな…

にしても最近、聞こえが悪くなってきてる気がする…

どんどん声は聞こえなくなるだろう

もしこのまま完全に聞こえなくなったら…

障がいのある俺を愛してくれる人などいるのだろうか…

考えるのはやめよう

もう、寝るか

後輩女子

せんぱーい!おはようございます!

後輩女子

先輩?

同僚

はよ!狩野!

ああ、おはよう

同僚

お前、宮野ちゃんガン無視してんぞ

えっ?ああ、ごめん

後輩女子

挨拶しただけなんで気にしないで下さい

かなり悪化してきている 今だって完全に聞こえなかった

(まずいな…)

同僚

お前、検診でなんて言われたんだ?

徐々に聞こえなくなっていくから覚悟しておけって

同僚

そうか…

まさかこんなに進行が早いなんてな

同僚

もう一回病院行けよ

どうせ変わりやしないよ

もう、どうでもいい 聞こえなくなったって構わない そんな諦めが自分の中にあった

今日は、芽依ちゃんと約束していた日だ

芽依

来てくれた!

当たり前だろ!

芽依

嬉しいな!

(耳の事相談しようかな)

障がいを持つもの同士わかってくれると思ったのだ

あの…

芽依

あのね!っあ…

先いいよ

芽依

私、目の手術する事になったの!

っ…そう、なんだ

芽依

見えるようになるかもしれない!

おめでとう

芽依

亮くんの話は?

なんだっけ?忘れちゃった

芽依

もう!(笑)

健常者になろうとしている彼女に言えるはずなんか無かった

芽依

手術不安だな…

きっと大丈夫だよ

芽依

亮くんに言われると安心する!

眩しい笑顔に不覚にもときめいた 分かってる…恋なんかしてはいけない

芽依

また会える?

(断らなきゃ…)

…もちろん会いに来るよ

このまま会いに来れば彼女にいつかは恋をしてしまうだろう だから断りたかった でも、出来なかった

それから俺は日曜日は必ず芽依ちゃんに会いに行くようになった 彼女へ募る思いと比例して次第に耳の聞こえが悪化していった

やあ

芽依

亮くん!

芽依

あのね昨日ね…

(まずい、聞こえない…)

芽依

亮くん?

伝えなきゃならない事がある

俺、もう君の声が聞こえないんだ

彼女の表情が暗くなるのが分かった

だから、もうここには来れない

芽依

待って!

じゃあ

どうか、君は幸せになって

明後日はいよいよ手術ね

芽依

うん…

大丈夫よきっと成功する

芽依

そういうことじゃないの

私は、亮くんの事を相談した

耳の聞こえない男の子ね…

ねえ、芽依彼に伝えたいこと教えて

芽依

どうして?

私がそれを紙に書いて亮くんに届けるわ

芽依

でも、彼がどこの誰なのか分からない…

すべてが無謀だったのだ 障がいがあり、名前しか分からない なのに恋をした 毎週日曜が生きがいだったのだ

看護師さんに頼み込んでみるわ

芽依

ありがとう

同僚

亮、ついてこい

…?

同僚がエントランスまで俺を連れて行く

どうしたんだよ

こんにちは

(誰だこの人?)

これ、見てあげて

凄くゆっくり丁寧に話してくる目の前の女性 まるで俺が難聴である事を知ってるかのように

じゃあ、さよなら

同僚

ラブレターか?

なんだろうな

芽依

亮くんへ

芽依

お母さんに頼んで手紙を書きました

芽依

明日、手術があります

芽依

目を開けた時、一番最初に見るのは貴方がいいです

芽依

だから、お願い。術後に305 号室に来て欲しい

芽依

これが最後でもいい。貴方に伝えたいことが沢山あるの

俺は、怖かった。けれど彼女と向き合ってから終わろうと病室へ足を踏み入れた。

芽依ちゃん

芽依

ああ、亮くん

2日、会わなかっただけなのに久しぶりに思える

芽依

やっぱり素敵な人だ

そう書かれた紙を俺に見せてくる どうやら筆談をする気らしい

照れるな…

芽依

突然だけど私は貴方が好き

っ…!

ごめん答えられないよ

芽依

耳が聴こえないから?

そうだよ

君は健常者と付き合うべきだ

芽依

私は、貴方がいいの

でも、俺はもう君の声は聞こえない

これから男性の声も自分の声も聞こえなくなるんだ

君に沢山迷惑をかけるからごめん

芽依

迷惑?私も沢山今までかけたでしょう?

芽依

折角の休日に毎週病院に呼んで

芽依

手術が終わってから会いたいって頼んだ

それは…

芽依

そんな貴方が好きなの

芽依

迷惑にも笑顔で答えてくれる貴方が好き

芽依

私も大好きな貴方の迷惑なら笑顔で答えられる

っ!でも…

芽依

私が貴方の耳になるから

芽依

お願い。耳を理由に逃げないで

ありがとう

俺はもう逃げない

君が好きだ

全てを受け止めてくれた彼女と俺は向き合い自分に正直になった

晴れ渡った空に鐘が鳴り響く

後輩女子

先輩の事、狙ってたけど諦めます

後輩女子

幸せになってくださいね!

(彼女はなんて言ったの?)

芽依

(聞かなくていいこと)

(そっか)

あれから、俺の耳は完全に聞こえなくなり手話が必要となった そんな俺をサポートするように彼女も手話を覚えた

(ねえ、本当に俺で良かったの?)

芽依

(俺でじゃなくて貴方がいいの)

(ありがとう)

(愛してるよ)

愛してるから一時は離れようとした  けれど、愛してるから側にいるべきなんだと彼女が教えてくれた

(俺は今幸せだ)

この作品はいかがでしたか?

519

コメント

3

ユーザー
ユーザー

胡桃月さん ありがとうございます!嬉しいです♪

ユーザー

何度もご参加ありがとうございます😭💕 今回のお話も感動しました😭😭 これからもおうえんしてます✨

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