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今日、人殺しになった

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今日、人殺しになった

1 - 今日、人殺しになった 第1話

♥

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2021年01月02日

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今日、人殺しになった。

アカリ

あははっ。へぇー、そうなんだ

アカリ

それは大変だったね

シンヤ

マジで。トオルすぐ潰れちゃってさ

シンヤ

俺がしょうがなく介抱して

シンヤ

部屋に泊めてやったんだけど…

トオル

ちょっと、もういい加減にしろよ

シンヤ

──でさ、そしたらこいつが…

午前11時。

シンヤとアカリと僕の3人は

駅のホームにいた。

アカリ

あっ──!

アカリ

危ないですよ…!

アカリは急にそう叫んで

白い杖を持った 老人の方に走っていく。

アカリ

何かお手伝いしましょうか?

老人

じゃあ、エレベーターまで…

アカリ

はい。わかりました

トオル

…アカリって、本当いい子だよな

シンヤ

…だろ?

アカリは老人を エレベーターに案内して

僕たちのところに戻ってきた。

アカリ

ごめんね、2人とも

トオル

全然いいよ

トオル

(アカリはいい子で)

トオル

(ものすごくお人好しだな)

アカリ

で…何の話だったっけ?

シンヤ

えっと…何だったかな

トオル

まぁ、いいんじゃない?

トオル

どうせ、くだらないことだったし

僕たちは、大学の同じサークルの2年生。

今日は久々に3人で出かける予定だった。

トオル

…なんか今日は

トオル

デート邪魔しちゃって悪いね

アカリとシンヤは付き合っている。

シンヤ

何言ってんだよ

シンヤ

俺が誘ったんだから気にすんなって

アカリ

うん、そうだよトオル

アカリ

久々に3人で遊ぶの

アカリ

わたしもすごく楽しみにしてたんだ

トオル

あ…そう…?

トオル

ならよかった

トオル

(でも、正直なところ…)

トオル

(アカリとシンヤの仲を)

トオル

(一日中見せつけられるのは)

トオル

(あんまり嬉しくないんだよな…)

僕には好きな人がいる。

だけど、ずっと好きだった人は

気づいたら友達の恋人になっていた。

トオル

(こんなこと誰にも言えないし)

トオル

(これからも秘密にするつもりだ)

トオル

(…だから…)

トオル

(2人にも悪気はないんだろうけど)

トオル

(なんか、一緒にいると胸が苦しい…)

アナウンス

まもなく、1番線に電車がまいります

アナウンス

黄色い線の内側までお下がりください

トオル

(…あ、電車来た)

ゴォオオオオ──

電車が低い音を立てながら

ホームに侵入してくる。

シンヤ

──トオル

シンヤが僕の耳元で囁く。

トオル

何?

シンヤ

…見てろよ

トオル

え…?

トオル

(「見てろ」って、何を──?)

トンッ

僕の隣にいたシンヤが

ふと両腕を伸ばして

アカリの背中を押した。

アカリ

──え

前に一歩踏み出した アカリの体は

そのまま線路に落ちて──

アカリ

きゃあっ…!

ゴォオオオオ!

グチャッ

電車が通り過ぎた時

何かを轢き潰す音がした。

トオル

(え…)

電車が、中途半端な位置で停止する。

トオル

(今、何が起きたんだ?)

トオル

(シンヤがアカリを──)

酷いにおいが鼻をつく。

ホームの端に何か

赤いものがこびりついている。

トオル

(う…っ)

トオル

(…血だ…!)

一気に心拍数が上がった。

頭が混乱する。

シンヤ

ひっ…!

シンヤ

人殺し──!

何も言えない僕の耳に

シンヤの声が入ってきた。

トオル

…え…

シンヤ

お、お前…!今──

シンヤ

アカリを突き落としただろっ!?

シンヤが叫んだ。

トオル

な…っ!?

気づけば、周りにいた人たちが

一斉にこっちを見ている。

シンヤ

なんでこんなことしたんだよ!

トオル

シンヤ…?

トオル

何言って──

シンヤ

うぁ…あぁああっ…

シンヤ

あぁああああぁあっ!

シンヤが膝をついて泣き始めた。

僕は呆然としたまま、動けなかった。

トオル

(どういう、ことだ…?)

 

なに?人身事故?

 

突き落としたらしいよ

 

えっ!?

周りが騒がしくなる。

 

ウソ…やばくね?

 

警察呼ばなきゃ

トオル

──っ!

トオル

(シンヤが僕に)

トオル

(罪を着せようとしてる…!?)

トオル

(でも、なんで…?)

トオル

(どうしてそんなことを?)

 

誰か!早くそいつを捕まえて!

トオル

く…っ…!

トオル

(ヤバい…)

トオル

(このままだと、人殺しにされる!)

僕は、そこから逃げ出した。

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