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小林の兄貴が、キョロキョロと何か探しながら、部屋に入ってくる。
速水泰輝
何時ものように挨拶をする。
小林幸真
小林幸真
どうやら、小林の兄貴は小峠の兄貴を探しているようだ。
速水泰輝
ここの所、忙しく、二人の時間も取れなかったこともあってか、和中の兄貴が買い物をだしに、小峠の兄貴を連れ出したのは、ほんの数分前のこと。
小林幸真
小林の兄貴は、不満そうに呟いた。
速水泰輝
用件次第によっては、僕でも力になれるかもと思って
代わりに用件を尋ねてみる。
小林幸真
思いもよらない返答が返ってくる。
速水泰輝
そもそも和中の兄貴と小峠の兄貴が付き合っているのは、小林の兄貴も知っているはずだ。
彼氏のいる小峠の兄貴に、膝枕を頼むのは、どうなんだろうか。
小林幸真
小林幸真
速水泰輝
一応、和中の兄貴、公認なのか。
小林幸真
小林幸真
諦める気はないのか、尚も小峠の兄貴の帰宅時間を尋ねられる。小峠の兄貴は、何かにつけて、兄貴達から呼び出される事が多いので、大抵、帰宅時間を告げていく。
速水泰輝
でも、今日は帰宅時間を告げられなかった。たぶん、買い物の後は、和中の兄貴と寄り道してくるつもりなのだろう。
俺の返答を聞き、ごろっとソファに寝転がったかと思ったら、駄々を捏ねる子供のように足をバタつかせ始める。
小林幸真
小林の兄貴の口から、小峠の兄貴の名前が出る度に、ツキンと胸を締め付けれるような痛みが走る。
小林の兄貴が小峠の兄貴を気に入っているのは分かっていた事じゃないか。こんなの今更だ。
どんなに僕が、小林の兄貴を想っていても、小林の兄貴は小峠の兄貴しかみていない。
僕じゃあ、小峠の兄貴の代わりになれない。
速水泰輝
それが悔しくて、悲しくて気づいたら、僕じゃ代わりになれないかと口をついて、言葉が出てしまっていた。
小林幸真
一瞬、訝(いぶか)しんだ、小林の兄貴だったが
小林幸真
速水泰輝
僕の手首を強引に引き、ソファに座らせると僕の膝に頭を乗せてきた。
小林幸真
中々、頭を置く位置が決まらないのか、ゴロゴロと向きを変えている。
小林の兄貴が自分の膝に頭を乗せているというだけで、僕の胸はドキドキとせわしなく脈動する。
小林幸真
小林の兄貴が、ムクッと起き上がる。
膝枕ですら、僕には役不足と言われたような気がして、先程まで五月蝿く鳴っていた、鼓動が鳴りを潜めていく。
小林幸真
速水泰輝
ぐるっと反転する視界。
目の前には厚みのある胸板。
そこで、自分が小林の兄貴に抱きしめられている事に気づく。
速水泰輝
小林幸真
突然の事に動揺する僕をよそに、小林の兄貴は寝る体勢に入る。
小林幸真
小林幸真
速水泰輝
膝枕係にはなれなかったが、どうやら、僕には抱き枕の素質があったようだ。
人には向き不向きがある。ただ、それを生かせばいいだけの事。
要は適材適所。
おわり
あとがき 膝枕も好きだけど、膝枕よりも、抱き枕の方がもっと好き。 抱き枕代わりに、白い犬のぬいぐるみを持って寝てた時期があったんだけど、9割の確率で、起きると、白い犬のぬいぐるみが枕とすり代わっていた。同じ大きさの茶色犬のぬいぐるみを抱き枕にした日は、枕とはすり代わらず、寝相悪くて、蹴り落としてた。白い犬は、枕にするに適度な高さだったんだろな。 胸枕とかも嫌いじゃないけど、こういう枕系の、きん○ま枕だけは、どうしても良さが分からん。BL好きだけど、くがかぶで書いたら、面白そうかもしれんけど、あの枕良さは理解出来んから、なんともこうとも。 今日の動画の駿河問いは、実際に拷問に使われたのは数回のみ、駿河問いにかけるぞと脅すと自白する人が多かった。最終的に、穴という穴から脂汗、血が出てくる。ただ、丈夫な梁と縄があれば簡単に出来るので、遊郭での、お仕置きとして使われていた。 『誰も耐えられないが、死ににくい拷問』それが駿河問い。 中学の時に、友達が世界の拷問に嵌まっていたので、無駄に拷問道具の知識だけはある。いいのか悪いのか分からんけどな