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めめ
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🌹 第1話 似たもの同士のふたり
菜月
放課後の図書室で、ページをめくっていた私の前に、 同じ表紙の本を持った菜月が立っていた。
菜月
紬
菜月
最初は小さな共通点だった。 なのに、話していくうちに気づく。
映画の好みも同じ。 休みの日の過ごし方も似ている。 物語で泣くポイントまで、ほとんど同じ。
偶然ってこんなに重なるものなんだろうか
菜月
そう言って菜月が笑う。 その笑顔は、まだ“ただの優しい友達”でしかなかったけど、 その優しさに、なんとなく胸があたたかくなる。
紬
菜月
ふたりでそう言って少し照れて笑った。
その日はそれだけ。 でも、心の奥のほうで、確かに何かが動いた気がした。
“あ、この子と仲良くなる気がする”
そんな直感みたいなもの。
気づけば、帰り道も並んで歩いていて、 会話は途切れず、自然に次の約束までしていた。
菜月
紬
夕日がふたりの影を並べて伸ばしていく。
それは、後に“運命の赤い糸”に繋がる始まりだったなんて、 この時の私はまだ――知らなかった。