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5
ノア
レイは答えない。 ただ静かに、 ノアの頬についた血を見る。 ノアの肩には浅い銃創。 地面には数人分の死体。 そのどれにも、 レイは視線を向けなかった。
レイ
低い声。 責めてるわけでも、 驚いてるわけでもない。 ノアは少し笑う。
ノア
レイは近づく。 濡れた靴音が、 静かに響く。 ノアの前で立ち止まり、 傷口を見る。
レイ
ノア
即答だった レイの眉が少しだけうごく
レイ
ノア
その瞬間だけ、 レイの視線が揺れた。 ノアは昔からそうだった。 人を食ったみたいに笑って、 勝手に踏み込んできて、 勝手に心臓を掴む。 レイは目を逸らす。
レイ
ノア
ノア
ノア
ノアが笑う。 その声に、 レイは小さく息を吐いた。 そして次の瞬間、 レイはノアの腕を肩に回し、 無理やり立たせる。
ノア
レイ
ノア
レイ
ノア
くだらない会話。 なのに、 どこか昔みたいだった。 歩き始めると 夜の雨が強くなってきた 遠くでサイレンが鳴る。 レイは周囲を確認しながら歩く。 ノアは隣でふらつきながら、 横目でレイを見る。
ノア
レイ
ノア
レイは止まらない 数秒の沈黙。 雨だけが落ちる。
そしてレイは前を向いたまま 静かに言った
レイ
ノアは笑った。 嬉しそうに。 痛そうに。 まるで、 その言葉をずっと待っていたみたいに。
レイの車は、 人気のない高架下に停まっていた。 黒いセダン。 雨粒がボンネットを叩き、 街灯の紫色が滲んでいる。 助手席にノアを押し込むと、 レイは無言でドアを閉めた。 ノアはシートに深く沈み込み、 煙草を探す。
レイ
運転席に座ったレイが 先に煙草を取り上げていた
ノア
レイ
ノア
エンジンがかかる。 低い振動が、 静かな車内に広がった。 ワイパーが一定のリズムで雨を切る。 しばらく、 どちらも喋らなかった。 ノアは窓の外を見ながら、 ぼんやり笑う。
ノア
レイは反応しない
ノア
レイ
ノア
レイの横顔は冷たい。 けどノアは知っている。 本当に忘れてる時の顔じゃない。 ノアは少し身体を傾ける。
ノア
レイ
ノア
空気が止まった。 雨音だけが残る。 レイの指先が、 ほんの少し強くハンドルを握る。 それだけだった。 けど、 ノアには十分分かった。 触れてはいけない名前。 それでも、 ノアは目を閉じたまま呟く。
ノア
レイは答えない。 赤信号。 車が止まる。 窓の外、 濡れたネオンが滲む。 レイは静かに前を向いたまま言った。
レイ
その声は、 驚くほど静かだった。 怒鳴りもしない。 責めもしない。 だから余計に、 痛かった。 ノアは笑う。 いつもの、 軽い笑い方で。
ノア
けれど次の瞬間 レイが低く言った
レイ
ノアが目を開ける レイは前を見たままだった
レイ
雨が強くなる。 ノアは、 少しだけ息を止めた。 レイは続ける。
レイ
その言葉は、 独り言みたいだった。 ノアはしばらく黙って、 それから小さく笑う。
ノア
レイの眉が寄る。
ノア
静かな車内。 なのに、 ノアは嬉しそうだった。
コメント
1件
いや〜めっちゃ良かった…!!第2話、重くて静かで、でもちゃんと温かいんだよな。レイの「迎えに来たのは俺だ」、あの台詞やばい。ずっと待ってたみたいに笑ったノアの表情まで浮かんだわ。お互い♡♡♡たいほど憎んでるのに、迎えに行くの俺なんだよ、ってのが強さと弱さの両方で刺さる。この距離感、めちゃくちゃ好み🔥 続きめっちゃ気になる!!