中也
中也
時計の針が24時間と1時間を回る頃
俺は目の前の敵(資料)に苦戦していた
永らく任務続きであったからだろう 通常の倍近く俺の机に置かれてあった
中也
苛立ちを抑えきれず心の中で毒を吐く
太宰
太宰
するとひょっこりと太宰が現れた
中也
中也
部屋に行ったきり物音がしないのですっかり寝たものだと思っていた
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
一瞬、何処か曇った顔をしたが直ぐぱっと元に戻る
太宰
中也
そう笑って云う太宰の目が悲しそうに揺らいだのを見逃す訳もなく
少し、気になった
__数分後
煙草のような湯気を纏いながら机に2つ 珈琲カップを持ってくる
中也
太宰
カップを片手に太宰は向かいのソファに座った
俺は再び資料に目を戻し作業を進める
早く終わらしてしまいたかった
中也
太宰
思考錯誤する俺を、太宰はゆっくりと珈琲を飲みながら只只見ていた
♢
珈琲の匂いが充満する中暫く沈黙が流れる
コト…と飲み掛けのカップを机に於いたのを合図に太宰が口を開いた
太宰
太宰
中也
何を云い出すのかと思えば…
中也
中也
俺が手を付けないことを気にしていたのだろうか
等に冷めてしまった珈琲を飲めば、矢張り__
太宰
中也
再び沈黙が訪れようとしたとき 突然太宰が良く判らないことを話し始めた
太宰
中也
頭の中でクエスチョンマークが浮かぶ
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
中也
其の言葉を訊いて、漸く全てを理解した
太宰
困ったような、泣きそうな顔で少し微笑み乍そう云った
中也
中也
太宰
太宰
中也
すると俺のカップを手に取り 飲み掛けの珈琲を一口飲んだ
太宰
そう云った途端、一雫が太宰の頬を伝った
中也
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
笑顔を保っていた顔が崩れ泣き顔へ変わる
溢れる泪を手で涙を拭う太宰を見て俺は強く抱き締めた
太宰
太宰
中也
太宰
一言そう云えば抱き締める力が強くなる
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
中也
中也
縋るような気持ちで太宰の肩に額を乗せて云う
中也
するとずっと黙っていた太宰がぽつりと呟いた
太宰
顔を上げると再び泪を流している太宰の姿が目に入る
太宰
太宰
中也
自分がした余りの酷さに何故か泣きそうになる
太宰
それだけ云うと俺の肩に頭を預ける太宰
謝罪を込めて愛らしいふわふわした髪を優しく撫でる
太宰
中也
中也
俺は太宰の頭を撫で続ける
あぁ、俺は何て酷いことをしたんだ…
こんなにも可愛い恋人を泣かせる程放置していた何て
切腹して詫びたい気分だ
♢
中也
太宰
あれから数分程経った
中也
太宰は未だ俺の肩に頭を預けた儘
太宰
中也
中也
毎日見ている筈なのに今は太宰の顔が気になる
きちんと顔を見て話したい
太宰
中也
だが俺の気持ちとは裏腹に否定された
太宰
太宰
俺は其の言葉で太宰に対する愛が膨らんだ
何て可愛い理由何だと
中也
中也
太宰
小動物を撫でるように太宰の頭を撫で続ける
中也
すると太宰がゆっくりと俺から離れた
言葉通り泣いた後の顔である
太宰
中也
中也
俺は太宰の頬を両手で包み笑う
中也
中也
太宰
太宰
俺は何だと思われているんだろうか
中也
中也
太宰
中也
太宰
俺の言葉に被せる
太宰
中也
余りの可愛さに思考が停止する
少し照れ気味に云った太宰を前に 俺の中で何かが切れた
中也
中也
太宰
こうして二人は元の暖かい珈琲に戻れましたとさ
_終わり_