甘い香りに誘われて
分け行った森の奥で
僕は天使に出会った
ラリー
そこには紫の花が波打っていた。
咳き込んでしまうほどの甘い匂い。
その中心に、彼女がいた。
リイナ
リイナ
ラリー
ラリー
ラリー
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
ラリー
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
ラリー
ラリー
リイナ
リイナ
リイナ
ラリー
ラリー
リイナ
リイナ
ラリー
ラリー
リイナ
ラリー
リイナ
リイナ
笑う彼女は
僕には確かに、天使に見えた。
それから僕は、リイナとよく 森で出会った。
リイナは森の薬草に詳しくて
僕はその刈り取りを 手伝っていた。
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
リイナ
僕の知らないことを たくさん教えてくれるリイナ。
いつも花と植物に 囲まれているリイナ。
花のように香るリイナ。
柔らかく笑うリイナ。
僕の天使、リイナ。
月の輝く空が赤く染まったのは
それからしばらく後のことだ。
僕の村でも、あまりの明るさに人が外へ歩き出ていた。
子どもまで声をあげている様子に、僕も思わず外へ出た。
ラリー
村人
ラリー
村人
村人
村人
ラリー
すぐに、サフランだと理解する。
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
村人
村人
村人
気がつくと、僕は 森に駆け出していた。
道に迷うことなんてない。
森は向こう側から赤く、 明るく照らされていた。
ラリー
頭の中に、彼女の姿が浮かぶ。
ラリー
誰かの助けになることを 喜んでいたリイナ。
いつも優しかったリイナ。
植物を愛していたリイナ。
森に愛されたリイナ。
またねと笑って別れたリイナ。
僕の、リイナ!
僕を出迎えたのは、 燃え盛る業火だった。
村人たちは火を囲んで 雄叫びをあげている。
爺
女
男
男
彼らが見つめるその先には
杭にくくりつけられ
すでに声を出すこともできず
美しかった髪を燃やされた
リイナがいた。
ラリー
男
爺
女
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
ラリー
叫んで、頭から水をかぶり、火に飛び込む。
燃える杭ごと抱きしめて、炎の中からリイナを連れ出した。
彼女はもうその全身から
彼女の色をなくしていた。
ラリー
うっすらと目が開く。
だけど瞳すら焼けて濁ったそこからは、
涙が煮える音だけがした。
ラリー
ラリー
リイナの灰は、僕らが出会ったサフランの花畑にまいた。
不思議なことにそこからは、
季節ごとに様々な薬草が花開いた。
彼女が種を持っていたのか、
それとも森が彼女を 癒しているつもりなのか
どちらでも僕にはかまわない。
ただ一つハッキリしているのは、
たくさん咲くサフランの中で たった一つだけ。
彼女がつけていたリボンと同じ、
ピンク色のサフランが 咲くということだけだ。
ラリー
花びらに触れ、そっと呟く。
ピンクのサフランは風に揺れて、甘く静かに香っていた。
コメント
10件
めっちゃ2人の愛を感じる。。
1話1話すごい力を入れているんですね!😳 私も見習わないといけません✨
凄まじい誤解ですよ!?😱 カタヅケ屋の話一つでも、調べ物せずには書けないくらいの無知です😭 なんとか面白いもの書きたいなーと、ジタバタしてるだけですよー👍