ロゼ
ロゼ
ロゼ
パキンッ
妙に綺麗な音が響いた
ゆっくりと蛇の締めつけはゆるみ僕は床に落ちる
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息苦しさで狭くなった視界で倒れた魔王を見る
魔王の核は割れ
ピンク色の矢が突き刺さってた
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弓を構えた💖くんが目をみはっていた
💜は動かなくなった魔王のそばへ近づいていく
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そう言って先輩は♥️くんの方を見た
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♥️くんは力なく項垂れて何か呟いている
僕は♥️くんの方に近づき♥️くんの声を聞いた
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突然💖くんが声を上げた
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💖くんの身体が強い光に包まれた
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💖くんつけているアミュレット偽物無数の光の粒が集まっている
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♥️
♥️
💖くんは聞こえていないのか自分のアミュレットを見つめて動かない
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♥️くんは💖くんに駆け寄り、💖くんのアミュレットを手にして光の粒が吸収されるのを防ぐ
しかし光の粒は♥️くんの手をすり抜け石に入っていく
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× × × と約束したのに……っ!
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ズン、と僕の胸に何か大きいものが落ちた気がした。 それは時々感じていた正体の分からないあの欠落感とさみしさ。
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ゲームなら当然敵を倒せばその分の経験値が貰える
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正体の見えない不安が濁流のように腹の底からせり上がってくる
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先輩は僕が呟いたのを聞こえたのかどこか楽しげな顔をしている
例えば……
レベル99になった時勇者は何者になるんだろう
経験値がすべて💖くんのアミュレットに吸収され、魔王が消えた
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♥️くんは後退り💖くんから少し離れたところで崩れ落ちた
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いつも何かを我慢して 自分を押し殺しているような控えめな笑顔じゃない
本当の💖くんの笑顔
何故か急に懐かしくなった
そして同時にこの気持ちが憧れじゃないとはっきり理解した
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赤くなった顔を見られたくなくてそらそうとするが💖くんが突然体勢を崩し僕は咄嗟に身体を受け止めた
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意識はあるようだが💖くんは力が抜けたように顔を俯かせる。
支えた肩が小刻みに震えていた
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ふと💖くんのポケットから落ちたスマホからホログラムが浮かび上がった
◼️者:💖 L◼️100
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💙
戸惑う僕の耳に祝砲と明るいファンファーレが聞こえ顔を上げる
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大きく映し出されたホログラムには紙吹雪が舞っていた
おめでとうございます。魔王は倒されました。ゲームクリアです。
無機質な声が広い空間に反響すると ♥️くんが即座にホログラムに向かって声をあげた
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🧡
🧡
♥️
それでは次のゲームとなる世界を再建築します
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周囲が強烈な白い光に包まれた。 あまりの眩しさに目を閉じる
次に目を開けた時には何も無い真っ白な空間が広がっていた
🧡
このまま新しいゲームを続けるなら、YESと答えてください。 残り時間は六十秒です。
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♥️くんがぎゅっと拳を握って立ち上がった
そしてうつむく💖くん以外の3人を見つめた
♥️
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♥️
僕の追及に♥️くんは目を閉じてうつむいた
…まだ終わりじゃない
♥️くんが沈黙していてもわかった
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♥️
♥️くんがうつむいたまま言った直後
音声認証。勇者、♥️。ゲーム続行
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音声認証。勇者、💜。ゲーム続行
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♥️
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♥️
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🧡
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🧡
♥️
♥️
🧡
音声認証。勇者、🧡。ゲーム続行
♥️
🧡
🧡
そう言いながらも🧡の声は震えていた
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🧡
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♥️くんは諦めたように🧡くんの腕を放し僕に向き合った
♥️くんの表情は苦しげに歪んでいた
♥️
♥️
必死の叫び。
♥️くんの目には涙が潤んでいた
♥️
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前にも誰かが巻き込まれている
でも誰が?
♥️くんがそこまで大切に思っている人なら付き合いが浅いとはいえ僕も知っているはずだ
だけど♥️くんの周りでいなくなった人物はいない
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♥️くんが失った人は見当がつかない
♥️くんは僕を親友と言って僕を無事を心から願っている
僕はその気持ちを無視していいのかな…?
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ずっとうつむいてる💖くんの様子がおかしい
こんなゲームから離脱して帰った方がいい もうこれ以上こんなゲームには付き合えない
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💙
やっと💖くんが発言した。 けどはっきりとした言葉になっていなかった
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💖くんは僕を真っ直ぐに見つめてはっきりした言葉で言った
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💖くんは逃げてと言った
そのはずだった…
ゲーム再建築、90パーセント完了。 これより最終作業に入ります。
無機質なアナウンスの後… 💖くんの姿が一瞬で消えてしまった
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💙
もしかして時間が経過したから元の世界に戻ったのかな
そう考えたけど…
残り時間、5秒です。 5
すぐにカウントダウンの声がしてその希望は消え失せる
💙
周りを見渡したところで、困惑する🧡と💜先輩。 そして♥️くんがいるだけだった
♥️くんが僕の肩を痛いくらいに掴む
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♥️
このまま何も言わずに帰ってと真剣に訴えてくる。
でも、
3
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💖くんはこう言った
けどその前にはっきりではないがこう言った
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震えていたけど僕の耳にはこう聞こえた
♥️
♥️
僕が口を開くのを見て、 目の前の♥️くんは絶望の表情を浮かべた
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♥️
♥️くんの絶叫の中僕は叫んだ
💙
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音声認証。勇者、💙。ゲーム続行
コメント
11件
フォロー失礼します
大切な人… それは💛くん…かな だって💛くんだけいないんだもん…
…💙ちゃん、なにがあっても、❤️くんを、守ってくれ。絶対とは言わんが、タヒ守だ。続き待ってます!