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黒百合は許さない〜ホストクラブへようこそ〜

第5話 - 経験

171

2025年03月25日

#司類

#冬彰

#彰類

#瑞彰

あかまる🍓🐾໊

他のホスト

彰人〜！頼む、あそこのお客さん案内してくれ！

彰人

あっ、わ、分かりました！

彰人

い、いらっしゃいませ。

客

類呼んで！！！早く！！！！

彰人

？！

彰人

(め、めちゃくちゃ怒ってる？！)

彰人

わ、分かりました！すぐお呼びします！

休憩室

彰人

る、類さん！

類

おや、指名かい？

彰人

は、はい。しかも、すごく怒ったお客さんが……

類

あぁ……彼女か。めんどくさいなぁ

類

まぁいいや。彰人くんもおいで。

彰人

お、俺も？！

類

経験だよ、経験。

彰人

は、はぁ…

類

お待たせ。来てくれてありがとう。

客

「お待たせ」じゃないわよ！！この投稿なに？！

客

私の連絡には返信遅いくせに、この女とは連絡取ってアフターまで行ったんだ？！

彰人

(め、めちゃくちゃ怒ってる……どうすんだろ…)

客

類、言ったよね？！「君が1番だよ」って！！！

彰人

(うわ……)

類

もちろん、嘘は言ってないよ。

客

ならなんで私の連絡には返信せずに、他の女と連絡取ってんの？！？

類

返信が遅かったのは謝るよ。ごめんね。

類

他の女性と連絡取ってるのも、アフター行ったのも事実だよ。

客

なに、開き直り？！

客

どうせ全部嘘だったんでしょ！！今まで私に言ったこと！！

客

私が1番なんて、やっぱり嘘だったんだ！！最っ低！！！

類

…

類さんが女性の後頭部に手を回し、そのままグイッと抱き寄せた。

客

？！

彰人

？！？！？

彰人

(えっ？！？もしかして、キス…)

類

……僕が1番頼りにしてるのは君なんだよ。

類

お店のルール上、君に口付けることは出来ないけど…

類

それでも、そんなルールさえもどかしいと思えるのは君だけだよ。

客

る、類……

彰人

(ほ、本当にしたわけじゃないのか……ビックリした…)

客

私……類なら全然、いいんだよ？お店にも絶対言わないし…ちゃんと秘密に出来るよ？

類

ダメだよ。君に迷惑かけるようなことは出来ない。

類

…あのね、最近他の女性と連絡取ったり、アフター行ってたのは、ナンバーワンになるためなんだ。

客

ナンバーワンに…？

類

うん。僕、いつも2番だろう？君があんなに色々助けてくれたのに…って、情けなくて。

類

だからね、君のためにも…ナンバーワンになりたかったんだ。

類

でも、それで君を怒らせちゃった。……不器用でごめんね。

客

類……

類

君を怒らせちゃうくらいなら、ナンバーワンになんてならなくていいよ。他の女性との連絡も、アフターもやめるね。

客

ま、待って！

客

怒ってごめん……私、最近嫌なことばっかりで…類に当たっちゃってたかも…

類

嫌なこと…？もしかして、またお仕事？

客

うん……あのね、先輩が私にばっかり仕事押し付けてきて…ミスも擦り付けてくるの。

類

おや…それは嫌だね…

客

うん…でも、だからって類に当たるのは違うよね。

客

怒ってごめん。私、次こそ類をナンバーワンにするために頑張るね！

類

えっ、本当？でも、無理はしなくていいんだよ。ナンバーワンになるより、君の方が大事だし。

客

ありがとう、類。もう分かったから…大丈夫！

客

他の女と連絡取ってるのも、アフター行くのも、全部私のためなんでしょ？

類

うん、もちろん。

客

それが分かったから大丈夫！私も類のためにもっと頑張るね！

類

…やっぱり、1番頼りになるのは君だよ。ありがとう。

客

私、そろそろ帰らなきゃ…

類

おや……もう帰るのかい？

客

本当はもうちょっといたいけど、お仕事行かなきゃ。

客

いっぱい稼いで、また来るからね！

類

…うん、ありがとう。お仕事頑張ってね。

休憩室

彰人

(さっきの人、結局80万払ってた…)

類

お疲れ様。あまり構えなくてごめんね。

彰人

い、いや。全然構わなくて結構です…

彰人

類さんって…いつも2番なんですか？

類

うん。1番は司くんだからね。

彰人

……ナンバーワンになりたいって、本心で？

類

え？いいや。

類

正直どうでもいいね。司くんに勝ちたくないし。

彰人

勝ちたくない…？なんで？

類

だって、1番じゃない司くんなんて面白くないじゃないか。

彰人

…？

類

そもそも、

司

おい、類。指名入ったぞ。

類

あぁ、すぐ行くよ。

類

じゃ、またね。彰人くん。

彰人

は、はい。

彰人

(司さん…さっきの話聞いてたよな、)

司

彰人は今フリーか？

彰人

は、はい。

司

そうか。

彰人

…

彰人

(な、なんか気まず……！！)

他のホスト

おーい、彰人！指名入ったぞ！

彰人

は、はい！！

彰人

(俺に指名ってことは……)

彰人

あ、やっぱり！青柳さん！

冬弥

！

彰人

本当に来てくれるとは思ってませんでした。ありがとうございます！

冬弥

あぁ…あの、昨日と同じような感じでいいですよ。

彰人

え？あぁ、あの友人みたいに…

彰人

わ……分かった。

冬弥

これ、60万。

彰人

い、いらねぇってば！

冬弥

頼む、貰って欲しい。

彰人

で、でも、それって冬弥が稼いだ金だろ…？

冬弥

まぁ…そうだが、

冬弥

俺の金なんだ。何に使うのも、俺の自由だろう？

彰人

そ、そうだけど…

冬弥

俺は本当に大丈夫だから、気を使わないでほしい。

彰人

…

彰人

じゃあ……貰う。ありがとう。

冬弥

あぁ。

彰人

(本当に大丈夫なのか心配だけど…)

彰人

…冬弥、本当に俺でいいのか？

彰人

俺、正直接客下手だと思うんだけど、

冬弥

あぁ、そこが好きだ。

彰人

えっ

冬弥

俺も、ホストクラブなんて初めてだし、そういう接待のような場所は苦手なんだが、

冬弥

彰人は…正直な感じがして、好きだ。

彰人

あ…ありがとう…

彰人

(たしかに類さんとか嘘くせぇしな…そういうタイプが苦手なのか？)

冬弥

昔から、人を信用するのが苦手でな。

彰人

あぁ…ちょっと分かる、

彰人

結局人って簡単に裏切るし…本心なんか分かんねぇよな。

冬弥

本当に。俺だって、本当は会社員じゃないかもしれないしな。

彰人

え？

冬弥

冗談だ。

彰人

そ、そうか…

彰人

(この人もよく分かんねぇな…)

冬弥

あぁ、シャンパン2本入れよう。

彰人

え？！2本も？！

冬弥

もう少し使いたくてな。

彰人

で、でも…

冬弥

…嬉しいんだ。今ままで、金を使いたいと思うことが無かったから。

冬弥

だから使わせて欲しい。

彰人

(そういや、趣味も特にないって言ってたな)

彰人

嬉しいけど…やっぱり、無理してまではいらないからな。

冬弥

あぁ、分かってる。もう50万上乗せで貰ってくれるか？

彰人

は？！い、いらねぇよ！シャンパン2本で十分！

冬弥

そうか…

冬弥

そういえば、彰人は新人だと聞いたが、どのくらいなんだ？

彰人

えっと…まだ1週間も経ってない。

彰人

俺を指名するのも冬弥だけだぞ。

冬弥

……そうか。

冬弥

彰人の言葉は何故か信用出来るな。

彰人

え…別に嘘はついてねぇけど、あんま信用しない方がいいぞ…

彰人

一応俺、ホストなんだし…

冬弥

あぁ、そうだな。

彰人

(でも俺、冬弥以外にお客さんつくのか…？)

彰人

(も、もし冬弥以外に指名されたらどうしよう…上手く接客できる自信がない…)

冬弥

どうした？

彰人

あ、えっと…冬弥以外に指名された時、上手やれるのか不安になって、

冬弥

あぁ…なるほど。

冬弥

もし上手くやれなくても、俺は彰人以外指名する気は無いから大丈夫だ。

彰人

あ、ありがとう…

他のホスト

彰人〜指名だぞ！

彰人

は、はい！

彰人

(わ、女性客だ…なんで俺…不安になってきた…)

彰人

初めまして、彰人です。

客

初めまして！わ〜！写真のまんまだ！カッコイイ！

彰人

あ、ありがとうございます…

客

私、大通りの方のホスクラのナンバーワンのエースやってたんだけど、担当が本っ当に有り得なくて！！

客

もう最低過ぎて冷めたから、ここのホスクラ来てみたんだ〜

彰人

そ、そうなんですね。

客

はぁ、マジあの担当有り得ない。私の事ATM扱いしやがってさ。

客

なーにがファンだよ！別にファンとかじゃねぇよっての！！

彰人

(なんて言えばいいのか分かんねぇ…どうしよう…)

客

営業じゃないって言ったくせに、ホスト辞めて他の女と結婚するとか言い出したんだよ？？！

客

マジ有り得なくない？！私が今までどれだけ費やしたと思ってんの？！って感じ！！

彰人

(正直、ホストと本気で結婚出来るなんか思わない方がいいと思うけど…)

彰人

(こういう時……なんて言えば…)

客

ね、もう本っ当有り得ない！！聞いてる？

彰人

き、聞いてます！

彰人

(ヤバい、やっぱ無理かも…！！！)

司

お邪魔します。シャンパンお持ちしました。

客

え？頼んでないけど？

司

あぁ、初回限定のサービスです。

客

えっ、そんなのあるんだ〜

彰人

(そんなんあったっけ？)

司

オレもお話混ぜてもらっていいですか？

客

全然いいよ〜！むしろ聞いて欲しくてさ！

客

〜〜〜〜〜〜〜〜

休憩室

彰人

(やっぱ初回限定のシャンパンサービスなんかないよな…)

彰人

(もしかして、司さん…フォローしに来てくれたのか？)

司

ふー

彰人

あ…あの、司さん！さっきの、

司

あぁ、別にフォローしたわけじゃないからな。

彰人

えっ？

司

いい財げ………客になりそうな女性だったから、オレが貰おうと思ってな。

彰人

(今、財源って言おうとした…)

司

別にお前を助けたわけじゃない。オレの客を増やすため…自分のためだ。

彰人

…それでも助かりました。ありがとうございます。

司

やめろ、礼なんか言うな。自分のためだって言ってるだろ。

類

司くーん、指名だよ。

司

あぁ、すぐ行く。

類

司くんにお客さん取られちゃったのかい？

彰人

そうらしいですけど…俺は助かりました。

彰人

マジで何て言えばいいのか、全然わかんなくて…

類

ふむ…なるほどね。

類

君、今まで何人の美人局に騙されたの？

彰人

え？えっと……え、何人だろう…

彰人

高校以降に付き合った人は、大体…

類

おや、経験豊富だね。

類

なら、その経験を生かさなきゃ。

彰人

騙された経験を？

類

そう。騙されたということは、彼女たちの術を間近で見てきたってことだろう？

類

それを思い出してみて。どんな会話で、リアクションで、目線で、手振りで、君を騙したの？

類

奪われた経験は、奪い返すための糧になるよ。

彰人

…

彰人

……ありがとうございます。ちょっと、思い出してみます。

類

うん。頑張ってね。

この作品はいかがでしたか？

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3件

執筆が捗ってるようで何より！✨️ コメ返遅くなっても大丈夫だぜ！むしろ、ネタを忘れない今のうちにどんどん書いちゃおう✒️ やっぱり司くんと類くん何かあったな…？司くん、他の連載よりも割と腹黒なの新鮮で好きだわ🥰💗

もしかしたら完結までいく……かもしれない(不確定過ぎる) 現在楽しくて9話目まで書き進めてます✍️✍️ それの影響でコメ返とか遅くなるのご了承ください…！！ちゃんと後で全部読みます！🥲🥲

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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