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7

タルタリヤ×鍾離〜片思い編〜

♥

80

2023年04月11日

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⚠️注意⚠️

第1話にある鍾タルとは逆のCPの為 続きではありません

自己満で書いたものなので 細かいの気にしない方 大丈夫だよって方は お楽しみくださいm(*_ _)m

以下、問題なければ 始まります!

璃月に久しぶりに訪れた 旅人とパイモン

パイモン

なんだか…ここに来るのも久しぶりだな

旅人

そういえばそうだね

パイモン

オイラお腹も空いたし…

旅人

俺もお腹すいた、でも…

パイモン

でも?

旅人

相変わらずモラがない

パイモン

……

旅人

特に最近はパイモンが食べすぎるから

パイモン

お腹空くのはしょうがないだろっ

旅人

うん…でも、ないよ

パイモン

オイラ…飢え死にしちゃうぞ

旅人

……公子居ないかな

パイモン

……

旅人

いるかな?

パイモン

流石に…無理だと思うぞ

タルタリヤ

呼んだかい?

パイモン

うわぁっ?!

旅人

ぷっ

パイモン

公子なんでいるんだよ…っ!!

タルタリヤ

あはははっ!たまたま通ったところに旅人と目が合ってね、何か言いたげだったからこっそりおチビちゃんの背後で聞いてただけだよ

旅人

あー、面白かった

パイモン

お前ら2人してオイラをいじめるなよ!

タルタリヤ

ごめんごめん、そう怒らないで?この後先生と食事をする約束をしててね、良かったら君たちも来ないかい?先生もきっと喜んでくれるよ

パイモン

それなら許すぞ!

旅人

単純だなぁほんと…公子はいいの?

タルタリヤ

もちろん、久しぶりに君たちに会えて嬉しいからね!

旅人

なら、お言葉に甘えて

タルタリヤ

但し、俺の頼み事をひとつ聞いてもらうよ?

パイモン

うげっ、どうせ旅人と一戦したいって言うんだろ?

タルタリヤ

その通り!

旅人

相変わらずだなぁ公子は

タルタリヤ

ま、拒否権は与えないけどね!先生を待たせちゃ悪いから急ごう

パイモン

あっ!おい、公子まてよー!

旅人

うーん…参ったな

公子に誘われ2人は参加することに

タルタリヤ

やぁ先生、お待たせ

鍾離

あぁ、問題ない。俺も先程来たところだ

パイモン

お邪魔するぞ!鍾離久しぶりだな!

旅人

久しぶり鍾離先生

鍾離

旅人とパイモンも来ていたのか、久方ぶりだな

タルタリヤ

たまたま道で2人を見つけてね、せっかくの機会だからどうかな?と思って連れてきたよ

鍾離

なるほど、それは名案だ。各国を回っただろう2人の話も聞いてみたいと思っていたところだ

パイモン

2人はあれから変わらずこうやってご飯食べてるのか?

鍾離

そうだな、公子殿からは食事をよく誘ってもらっている

タルタリヤ

俺も直ぐにあの後スネージナヤに戻る予定だったけどね、色々訳があって残ってるよ。時間が合えば先生と世間話でもして楽しんでるってところかな

パイモン

訳ありって事か?なんか、怪しいぞ…

タルタリヤ

あはは、安心して欲しいな?ただ個人的な用事で残ってるだけさ

旅人

個人的な用事?

タルタリヤ

あぁ、実は先生とも一戦がしてみたくてね

鍾離

……

タルタリヤ

仲を深めたら先生も気が変わるかなと思って色々頑張ってるけど、先生は一向に頷いてくれなくてね…あ!そうだ相棒!

旅人

タルタリヤ

この際だ、相棒にも協力してもらって先生を説得してくれたらモラを沢山報酬としてあげるよ!どうかな?

パイモン

も、モラを!!沢山!!

鍾離

…公子殿、悪いが旅人を利用したところで変わらない

タルタリヤ

先生は本当にお堅い人だ

パイモン

うぅ…モラ…

旅人

やれやれ…

鍾離

さて、話はそれくらいにして席に着くといい。せっかくの料理が冷めてしまう前に食べるとしよう

パイモン

いいのか?!えへへ、オイラお腹ぺこぺこだったから嬉しいぞ

タルタリヤ

はぁ、仕方ない。また今度リベンジさせてもらうよ、その代わり…相棒よろしくね?

旅人

…う、うん

旅人

(避けられなさそうだ)

食事をすませた4人は料亭を後にした

タルタリヤ

ふぅ、ちょっと食べ過ぎちゃったかな?

パイモン

オイラもだ、お腹いっぱい

鍾離

普段は公子殿と2人で食事をするのだが、たまには悪くないものだな

旅人

2人が何を話すのか少し気になる

タルタリヤ

特にそんな特別な話はしてないよ?普通の凡人がするような世間話だよ

鍾離

あぁ、そうだ

パイモン

あれだけ戦いたいとか言うくせに毎回ご飯食べるだけなんだな

タルタリヤ

これでも頑張って口説いてるつもりだよ?先生が中々許してくれないから困ってるんだ

鍾離

さて、俺は1度往生堂に戻るとしよう

タルタリヤ

ほらね?

パイモン

もう諦めた方がいいと思うぞ…

旅人

鍾離先生ありがとう、またね

鍾離

あぁ、ではまた機会があれば話そう。公子殿も

タルタリヤ

俺は大歓迎だよ先生、また誘うよ

パイモン

仲がいいとは言えないけど…何だかんだお前らって一緒だよな

タルタリヤ

それは俺がつなぎ止めてるからね?当たり前だよ

旅人

そんなに戦いたいの?

タルタリヤ

ま、最初はその目的だけだったよ

パイモン

最初は?

タルタリヤ

俺個人の理由で残ったって言っただろ?

旅人

うん

タルタリヤ

その理由が先生と一戦したいから…だけじゃ無くなったからだよ

パイモン

へ?そうなのか?

タルタリヤ

君たちにこんな話してもって思ってたけど、2人には弟の事でも世話になったからね。場所変えて話そうか

公子について行き 人通りの少ない場所へ移動した

パイモン

なぁ、こんな所まで連れてきてなにか企んでるんじゃないよな?

タルタリヤ

おチビちゃんは本当に警戒心強いね、大丈夫何もしない。周りに聞かれたくないからね

旅人

それで?

タルタリヤ

さっきも話した通りで、最初は先生と一戦がしたくて話す機会を作り幾度か試したけど全く動じなくてね

旅人

うん

タルタリヤ

そうやって先生と会って話すうちに俺の中で別の感情が芽生えたって言えば察してもらえるかな?

パイモン

もしかして、鍾離と腕相撲したくなったのか!

旅人

パイモン、それは絶対違う

タルタリヤ

あははは、おチビちゃんにはまだ早い内容だったかもね?

パイモン

んな!バカにするなよ!

タルタリヤ

愛情が芽生えたのさ、要するに先生に恋をしたって言えばもう流石に伝わるよね?

パイモン

なんだ、恋したんだな!

パイモン

って…えっ?!

旅人

それは意外だ…

タルタリヤ

自分でも、そう思うよ。でも気付いたからにはそう簡単に諦めるつもりは無いからね、だから頑張って口説いてるのさ

パイモン

お、オイラ…公子の口から「恋した」なんて、聞く日が来るとは思わなかったぞ!

タルタリヤ

失礼だな〜、こう見えて俺も若い青年だよ?

旅人

先生は気付いてないよね?

タルタリヤ

それが困ったことに、気付く以前に恐らくだけど恋愛そのものが分かってない気がするよ

パイモン

まぁ…鍾離だもんな…

タルタリヤ

それがまた難しくてね

旅人

今日はそんな素振り見せてなかったけど…いつもはちゃんと口説いてるの?

パイモン

たしかに、今日みたいに話してるなら分かるわけないもんな

タルタリヤ

流石に君たちがいる前では抑えてたよ。普段はもう少し分かりやすく口説いてるつもりなんだけど、手応えがまるでなくてね

パイモン

相手が悪すぎるぞ…

タルタリヤ

本当に、一戦もしてくれなければ恋愛すら鈍くて参っちゃうね

旅人

もういっその事恋愛についてどう思ってるか、直接聞いた方が早い気がする

タルタリヤ

それも考えたけど、答え方次第では俺が傷付いちゃうよ

パイモン

ならオイラ達が聞いてきてやろうか?

タルタリヤ

2人なら先生も正直に答えてくれそうだし、いいかもしれないね

旅人

なら明日聞いてみるよ

タルタリヤ

まさか君たちが俺の恋路に協力してくれるとはね、嬉しい限りだよ

パイモン

公子には何だかんだ助けられてるし、今回ばかりは特別だぞ!

旅人

それじゃあ今日はもう遅いから、また後日聞いたら報告するよ

タルタリヤ

あぁ、ありがとう2人とも!よろしく頼んだよ

翌日、旅人とパイモンは 鍾離を探しに向かった

パイモン

この辺にいるって聞いたけど…

旅人

あ、いたいた

パイモン

おーい!鍾離おはよう!

鍾離

あぁ、おはよう2人とも。珍しいなこんな朝早くに…何かあったのか?

パイモン

えっと…オイラ達鍾離に聞きたいことがあって

鍾離

聞きたいことか?あぁ構わない、丁度茶屋に向かう途中だった。そこで聞こう

3人は茶屋に向かった

鍾離

さて、話というのはなんだろうか

パイモン

特に深い意味は無いんだけど…んー、なんて聞いたらいいんだ?旅人

旅人

先生は恋愛はしたことある?

鍾離

恋愛…?

パイモン

まさか知らないなんて言うんじゃないよな?

鍾離

以前男女の対人関係の一つであって、相手と合一しようとする強い愛情というものだと聞いたことがある

パイモン

おぉ!!

鍾離

しかし、そのような経験はしたことがない。ましてどのようにしてそういった感情が芽生えるのか興味はあるが…

パイモン

やっぱり知らないのか…

旅人

要するに恋をするって感覚が分からない?

鍾離

あぁ、旅人は知っているのか?

旅人

うん、分かるよ

鍾離

なるほど、それは特定の相手にしか起こりえないものだと聞いたが本当だろうか?

旅人

まぁ、そうだね

鍾離

ふむ…なるほど。しかし、その恋愛を聞いて…何か問題でもあったのか?

パイモン

な、なにもないぞ!ただ鍾離が知らなそうなこと聞いて悩んでないかって、思っただけで!

鍾離

なるほど、確かに知識としてはあるが…経験は無い。まぁそう焦らずとも時間は有限にある、なにも心配する事では無い

旅人

(どう公子に伝えよう…)

パイモン

か、仮にだぞ!?

鍾離

パイモン

鍾離の事好きだ!って言う人が現れたら鍾離はどうするんだ?

鍾離

ふむ、その時は断るだろう

パイモン

断るのか?!

鍾離

興味はあるが理解もせずに答えることは難しい

旅人

逆に先生から、聞きたいことある?

鍾離

聞きたいことか?そうだな、ならその恋愛感情についてだが…具体的にどのようなものなのか聞いておこう

旅人

どんな…

パイモン

お、オイラも正直わかんないぞ…

タルタリヤ

そうだなー、一晩中その人の事しか考えられなくて愛おしいと思う。とかかな?

パイモン

ぬわぁっ?!公子いたのかよ!

旅人

?!

タルタリヤ

あははは、ごめんね2人とも。やっぱり自分の事は自分でどうにかしたくて来ちゃったよ

鍾離

ほう、公子殿は詳しいようだ

タルタリヤ

それは現在進行形で恋してるからね?

鍾離

旅人

(言っちゃった!)

パイモン

!!

鍾離

それは喜ばしい事だ、公子殿。一体その感情がどういったものなのか詳しく聞かせてくれないだろうか?

タルタリヤ

ふーん?先生でもそんなに気になる?

鍾離

あぁ、是非とも聞かせてもらいたい

パイモン

(オイラ心配になってきたぞ)

旅人

(今は大人しく見守ろう)

タルタリヤ

そうだね、例えばだけど…先生のような放っておけない人は常に近くに置いておきたいくらい愛おしく思うよ

鍾離

ふむ、そうなのか…しかし、相手方は女性だろう?

タルタリヤ

恋愛は自由だよ先生

鍾離

そうなのか?

タルタリヤ

恋っていうものはしたくてするもんじゃないからね。分かりやすく言うと精霊が突然現れてそれを追いかけるのと同じさ

鍾離

…ほう?

タルタリヤ

そのまま諦めて見過ごすのもいいけど、見逃したら後悔してしまう。そういうものだよ

鍾離

なるほど、難しいものだな恋愛というものは

タルタリヤ

大丈夫、先生にも分かる日がきっと来る!そう信じてるよ

鍾離

あぁ、色々聞けてとても有意義な時間を過ごせた。感謝しよう

タルタリヤ

どういたしまして。あーでも先生、まだ終わりじゃないよ

鍾離

タルタリヤ

相棒とおチビちゃんありがとう、後は俺が自分でやるよ。って事で先生借りてくね

パイモン

お、おう!!

旅人

が、頑張って…!

旅人達と別れ、鍾離を連れて場所を変えた

タルタリヤ

この辺でいいかな

鍾離

何か大事な話でもあるのか?

タルタリヤ

そうそう、先生にね

鍾離

俺に…?

タルタリヤ

さっきまでの会話全部聞いちゃってたからさ、ごめんね先生。恋愛について2人に聞くように頼んだの俺なんだ

鍾離

そうだったのか?

タルタリヤ

先生俺と食事を何度かしてさ、何か変だと思わなかった?

鍾離

変…?特には何も違和感はなかったと思うが…強いて言うなら以前と比べて公子殿が日々楽しそうだと実感していたくらいだ

タルタリヤ

それは当たり前だよ、大好きな先生と一緒に食事ができるんだからさ

鍾離

なるほど、そう言ってもらえるのも嬉しいものだな。俺も公子殿と居る時間は悪くないと感じている

タルタリヤ

先生って本当に鈍感だ

鍾離

鈍感?何か気に触ること言っただろうか…

タルタリヤ

鍾離先生が好きだよ、恋愛としてね

鍾離

公子殿…?何言って

タルタリヤ

本気だよ、断られても俺は諦めるつもりないからね

鍾離

……先程話していた相手は

タルタリヤ

先生の事さ、全部ね

鍾離

なるほど…そうだったのか

タルタリヤ

回りくどいことしても一生気づいてもらえなさそうだったからハッキリ言わせてもらったよ

鍾離

しかし、俺は男だ

タルタリヤ

知ってるよ、さっき話した通りだよ

鍾離

それに…公子殿が言っていた恋愛という感情が俺には分からない

タルタリヤ

俺が教えるよ

鍾離

…すまない、1度考えさせてくれ

タルタリヤ

いいよ、でも俺は諦めないよ

鍾離

……

タルタリヤ

それじゃ、そろそろ仕事に戻ろうかな。また食事誘うからね先生

鍾離

…あぁ

一方その頃旅人とパイモンは…

旅人

大丈夫かな

パイモン

オイラ気になって気になって仕方ないぞ…

旅人

あの様子だと鍾離先生全くわかってなかった

パイモン

恋愛ってオイラもしたことないからわかんないけど…難しくてややこしいんだな

旅人

まぁそういうもんだよ

タルタリヤ

あれ?2人ともこんな所でどうしたのかな?

旅人

あ、公子…大丈夫?

パイモン

オイラ達…余計なこと聞いちゃったかと心配したんだぞ

タルタリヤ

大丈夫、俺が正直に伝えてきたからさ

パイモン

え!そうなのか!?

タルタリヤ

まぁまぁ戸惑ってたみたいだけど、先生にはそれくらいが丁度いい。これから頑張るよ

旅人

上手くいくこと祈ってるよ

タルタリヤ

ありがとう相棒、助かったよ!また時間があったら一戦頼むよ。諦めてないからねそれも

旅人

はは…上手くいったら考える

パイモン

ほんと懲りないな…

タルタリヤ

あはは、諦めが悪いからね?それじゃまた会おう!

パイモン

おう!またな!

旅人

うん、またね

それから数日が経過し 公子と鍾離は変わらずの日々を送っていた

タルタリヤ

先生、今日の食事は気に入って貰えたかな?

鍾離

あぁ、とても美味しかった

タルタリヤ

ならよかったよ、今日は特別にスネージナヤの料理を先生に用意してもらったんだ

鍾離

ほう…なるほど、璃月では見かけない料理だと思ったがようやく理解した

タルタリヤ

気に入ってもらえたかな?

鍾離

あぁ、中々悪くなかった

タルタリヤ

ならまた先生の為に用意してあげるよ

鍾離

はは、優しいのだな公子殿は

タルタリヤ

それは…大好きな人には故郷の味を振る舞いたいからね?

鍾離

…そうか、感謝する。

タルタリヤ

ねぇ先生

鍾離

なんだ?

タルタリヤ

大好きだよ

鍾離

タルタリヤ

まだ何も感じないかい?

鍾離

そうだな…すまない

タルタリヤ

そっか、大丈夫だよ先生。謝らないで

鍾離

公子殿

タルタリヤ

ん?なに先生

鍾離

その、非常に言いずらいのだが

タルタリヤ

うん、いいよ言ってみて

鍾離

公子殿はまだ若い、だからこそ俺である必要が分からない…

タルタリヤ

そうだねえ、先生からしたら俺はまだまだ餓鬼かもしれない。でもそんな事関係無いんだよ俺にはね

鍾離

……

タルタリヤ

ま、先生も色々考えてくれてるようだし、その気持ちだけでも嬉しいよ

鍾離

…すまないな

タルタリヤ

謝らなくていいよ、先生は何も悪いことしてないからね?

鍾離

しかし…

タルタリヤ

先生は真面目だねえ…まぁそういうとこも好きなんだけど

鍾離

……

タルタリヤ

よし、午後も仕事頑張ってくるよ。またね先生

鍾離

あぁ…

そしてさらに月日は流れ ある日のこと

パイモン

琥珀石今日は買えてよかったな旅人

旅人

売り切れる前でよかったよ

パイモン

へへ、これだけあれば十分足りるよな!

旅人

そうだね

パイモン

…ん?あれ、鍾離じゃないか?

旅人

ほんとだ

パイモン

おーい!鍾離〜!

鍾離

……

パイモン

あり?反応がないぞ

旅人

鍾離先生?

鍾離

…!あぁ、2人とも来ていたのか

パイモン

オイラ声かけたのに反応しないからびっくりしたぞ、何か考え事でもしてたのか?

鍾離

はは、そんなところだ

旅人

鍾離先生はここでなにを?

鍾離

…おっと、茶も頼まずに考え事していたようだ

パイモン

えぇ…おいおい鍾離大丈夫か?

旅人

珍しいね…なんだか

鍾離

はは…自分でも驚いている

パイモン

鍾離

2人は公子殿を見かけなかっただろうか?

旅人

公子?

パイモン

オイラ達ある素材欲しくて璃月に寄ったから、見てないぞ?

鍾離

ふむ…そうか、ならいい

旅人

何かあったの?

鍾離

彼と直接何かあった訳では無いが…実は公子殿がここ数日姿を見せてなくてな

パイモン

え?そうなのか?

鍾離

スネージナヤに帰ってしまったのだろうか…

旅人

それは…

パイモン

ありえないと思うぞ…だって…

鍾離

公子殿は2人には話してると聞いた、知っているんだろう?

パイモン

うん…でも、何も言わずに帰るか?

旅人

…1度北国銀行に行って聞いてこよう

鍾離

いや、大丈夫だ

パイモン

え、いいのか?

鍾離

元はと言えば公子殿には何度か断っていたからな、流石にその想いも薄れ戻ったのだろう

旅人

鍾離先生はそれでいいの?

鍾離

あぁ、俺には彼の願いは聞いてやれない

パイモン

だったらなんで、なんでそんな悲しそうに笑うんだよ鍾離…

鍾離

…悲しそう、だろうか?俺は公子殿が決めた道なら…

旅人

…本当は?

鍾離

…?

旅人

鍾離先生、今どんな気持ちなのか言葉にして言ってみて

鍾離

…そうだな、寂しい気持ちはある

パイモン

それだけじゃないだろ!もっと、こう…

鍾離

ここのところ、公子殿の事ばかり考えている…。まさか…旅人、これが恋をするという感情なら…

旅人

鍾離先生…

鍾離

せめて、居なくなるなら…お別れぐらいは言って欲しかったと思うばかりだな

パイモン

旅人!公子をさがそうぜ!

鍾離

いや、大丈夫だ。この痛みは…勉強だと思っておこう

旅人

本当にいいの?

鍾離

あぁ、心配はいらない。永らく待たせてしまっていた俺にも非がある、仕方の無いことだ

パイモン

うぅ…こんなのってあんまりだぞ…公子のやつ!

旅人

初めてだろうし…鍾離先生がそんなに落ち込んでるの始めてみる。心配だよ

鍾離

はは…自分でも驚いている。ここまで気分が下がっているのは初めてだ

パイモン

鍾離…

鍾離

しかし、この感情が恋だと言うのなら…中々凡人も楽では無さそうだな

旅人

……

鍾離

さて、2人と話したら少しだけだが気持ちが楽になったようだ

パイモン

無理すんなよ!あいつ見つけたらオイラ達が怒ってやるかんな!

鍾離

あぁ、感謝する。では自室でゆっくり休むとする、また

旅人

またね、鍾離先生

パイモン

またな!元気出せよ!

旅人

うーん…公子本当に帰っちゃったのかな

パイモン

何してんだよ公子のやつ…

鍾離は自室へ戻った

鍾離

(…こんな形で自覚をするとはな)

鍾離

(不思議なものだ、無かったものが突然現れる…正にその通りだった)

鍾離

(いや…元々あったのだろうな、公子殿が突然消えた事で違和感を覚えた…それが全てだ)

鍾離

さて…休むとしよう

その日、鍾離は夢を見た

タルタリヤ

やぁ先生

鍾離

公子殿…!

タルタリヤ

どうしたの?そんな驚いた顔してさ

鍾離

突然来なくなったと思えば…何をしていた?

タルタリヤ

スネージナヤに帰る準備してたんだよ

鍾離

なに、本当に帰るのか…?

タルタリヤ

うん、もう先生の事好きじゃなくなったからね

鍾離

公子の言葉に胸がチクリと痛む

タルタリヤ

ん?なに、先生今更気づいたの?ちょっと遅かったね…残念だ

鍾離

行かないでくれ…

タルタリヤ

ごめんね先生、さようなら

鍾離

公子殿!

自分の叫ぶ声と共に目覚めた鍾離

鍾離

………夢、か

鍾離

(夢で良かったと思う反面、現実も変わらない…)

コンコンとドアを叩く音が鳴り

タルタリヤ

先生起きてるかい?

鍾離

タルタリヤ

ドアを開けて欲しいな先生

鍾離

公子殿…今まで何処へ

タルタリヤ

ちゃんと説明するよ、ごめん先生

鍾離は戸惑いながらドアを開けた

鍾離

……

タルタリヤ

ふぅ、ここまで猛ダッシュで戻ってきたから…あー疲れたよ

鍾離

公子殿…

タルタリヤ

ごめんよ何も言わずに、ちょっと急遽スネージナヤに戻るよう司令が入ってね…伝える時間もなくそのまま戻ってたんだ

鍾離

そう、だったのか…

タルタリヤ

あぁ、すぐ帰れるかと思えば厄介事頼まれるし本当災難だったよ

鍾離

…では、スネージナヤに帰ったのではなく一時期的なものだったのか?

タルタリヤ

まぁそうだね、璃月には戻る必要は無いって遠回しに色々言われたけど先生の事諦めるつもりないよ

鍾離

そうか…なら

タルタリヤ

先生ごめんね、俺我慢できないや

公子は鍾離の腕を引けば 力強く抱き締めて

鍾離

?!

タルタリヤ

先生に会いたくて会いたくて仕方なかったよ…

鍾離

こ、公子殿…

ドクンドクンと高鳴る鼓動に戸惑う鍾離

タルタリヤ

うん…?あれ、先生よく眠れてなかった?なんだか疲れてるように見えるけど…

鍾離

これは…

タルタリヤ

…先生?

鍾離

悪夢を先程見ていた

タルタリヤ

悪夢?

鍾離

あぁ、公子殿がもう気持ちが冷めたからスネージナヤに帰る…と

タルタリヤ

だからあんなに焦ってたんだね

鍾離

いや…それもあるが…

タルタリヤ

…?

鍾離

数日前から…公子殿は諦めて帰ったのだろうと、思っていた

タルタリヤ

先生…

鍾離

最初は突然消えた事に戸惑ったが、すぐ帰ってくると思っていた

タルタリヤ

まぁ…驚くよね

鍾離

その日から…公子殿の事ばかり考え

タルタリヤ

……

鍾離

気がつけば俺の感情は悲しみで埋め尽くされていた

タルタリヤ

それって…

鍾離

突然現れたと思えば既に手遅れな時は…どうしようも無い、胸の奥が痛く苦しかった

悲しげにそう微笑む鍾離

タルタリヤ

先生…ごめんね

鍾離

失ってから自覚するのは、遅いと感じた

タルタリヤ

うん…もうそんな想いさせないよ

鍾離

公子殿…

タルタリヤ

大丈夫、鍾離先生の事大好きだよ俺はこれからもずっとだ

鍾離

っ!

タルタリヤ

…あはは、随分と分かりやすいね?顔真っ赤になった

鍾離

…頬が熱く、胸が焼けそうだ

タルタリヤ

ようやく自覚してくれたんだね、悲しい思いさせたけど…それが良かったのかな…?

鍾離

だとしても、2度はないぞ

タルタリヤ

もちろん、もうしないよ。かわいい恋人置いて帰るなんてことしない

鍾離

こ、恋人…?

タルタリヤ

んー?ここまできたらもう付き合う一択だと思うよ?

鍾離

そう、なのか?

タルタリヤ

あはは、そうだよ。今日から俺達は恋人同士だ

鍾離

ふむ…そうか、わかった

タルタリヤ

先生は俺に言うことないのかい?

鍾離

…?

タルタリヤ

俺は先生の事大大大好きなんだけどなー

鍾離

…っ!公子殿…あまりそのような言葉を何度も言うのは…!

タルタリヤ

恥ずかしいの?かわいいね先生、照れちゃってさ

鍾離

くっ…心臓が締め付けられるようだ…

タルタリヤ

自覚したらそれはそれで大変そうだね?先生

鍾離

これが恋というものなら、楽では無さそうだ

タルタリヤ

大丈夫だよ先生、俺が毎日楽しく過ごせるように沢山愛してあげるさ

鍾離

ならいいが…

タルタリヤ

って事で先生、キスしてもいいかな?

鍾離

…キス?

タルタリヤ

口付けの事だよ、先生目を瞑ってごらん?

鍾離

公子に言われるがまま 目を閉じた

タルタリヤ

ふふ、可愛いね先生。好きだよ

そう、公子が囁けば 鍾離に口付けをして

鍾離

タルタリヤ

初めてのキスはどうかな?

鍾離

一瞬過ぎたな…

タルタリヤ

へぇ?なんだ物足りないって感じだね

鍾離

目を開けたままで、もう一度してもらえないだろうか?

タルタリヤ

お?いいよ先生!

公子は鍾離に再び口付けをした

鍾離

…っ!

タルタリヤ

はい、したよ先生。どう?

鍾離

頬が熱くなる…

タルタリヤ

それは先生の顔赤いからね?可愛いよとっても

鍾離

公子殿を見てるだけで、どうにかなってしまいそうだ

タルタリヤ

んんっ…早く抱き潰したいなぁ…

鍾離

抱き…それは一体?

タルタリヤ

先生としたいってことだよ

鍾離

何をだ…?

タルタリヤ

性行為って言えば、先生分かるかな?

鍾離

!!

タルタリヤ

お、伝わったかな?

鍾離

それは出来るものなのか…?男だぞ俺は

タルタリヤ

出来るよ?

鍾離

興味はあるが…ゴホン、今は遠慮しよう

タルタリヤ

それはどうしてかな?

鍾離

鼓動がずっとおかしいからだ、このままでは倒れてしまいそうだ

タルタリヤ

嬉しいな、先生が俺に対してそうなっちゃうの

鍾離

公子殿は…同じ気持ちなのか?

タルタリヤ

あぁ、もちろん。先生を見てるだけで愛おしくて、可愛くて…

鍾離

まて、それ以上は…

タルタリヤ

今まで受け流されてたんだ、沢山聞いて受け止めて欲しいな?

鍾離

それは…すまない

タルタリヤ

全然大丈夫さ、これからがあるからね

鍾離

こ、公子殿…

タルタリヤ

うん?

鍾離

す、好き…だ

タルタリヤ

!!

鍾離

言葉にして伝えるのは…中々勇気がいるな

タルタリヤ

先生ってほんと…はぁ、可愛すぎるよ

ぽん、と鍾離の頭を撫でては そのまま口付けをして

鍾離

っ、!

タルタリヤ

ありがとう先生、俺も大好きだ

鍾離

あ、あぁ…

タルタリヤ

ぷっ…あはは、先生大丈夫?目が泳いでるよ、そんなに動揺してる姿見るのは貴重かもしれないね

鍾離

公子殿が容赦ないからだろう…もう少し加減というものをしてくれ

タルタリヤ

加減ねえ…これでもしてる方なんだけどな

鍾離

む、そうなのか

タルタリヤ

そうだよ、先生が少しずつ理解出来るまでは我慢してるよ

鍾離

なら…少しずつ色々教えてもらおう

タルタリヤ

あぁ、任せてよ

2人は手助けしてもらった 旅人達に報告するべく探しに向かった

タルタリヤ

そう言えば俺が何も言わずに消えたから怒られるだろうねえ

鍾離

事情を知らないとはいえ…パイモンは特に気にかけてくれていたからな

パイモン

あーー!!公子!!

タルタリヤ

や、やぁ…おチビちゃん

旅人

いつの間に帰ってきてたの?心配したよ

鍾離

2人共昨日は済まなかった、公子殿との関係は丸く収まったから心配せずとも大丈夫だ

パイモン

そうなのか?公子何してたんだよ、鍾離すっごい落ち込んでたんだからなー!

タルタリヤ

あはは、まずは俺の話聞いてもらっていいかな?

公子は昨晩の出来事を簡単に説明した

タルタリヤ

って訳、だからもう大丈夫だよ

パイモン

また呼び出された時はどうするんだよ

タルタリヤ

次はもうしないさ、あまり悪目立ちするのもよくないかもしれないけど今の俺は先生が最優先だからね?個人としては

鍾離

公子殿…

タルタリヤ

でも、ファデュイが変に干渉してくると先生は元神だし…迷惑かけるだろうからね、時と場合によってはだけど

旅人

先生泣かしたら奪っちゃうよ

パイモン

えっ?!

タルタリヤ

おやおや?相棒それどういう意味かな?

旅人

なんてね、嘘だよ

鍾離

はは、何もそんな心配せずともその場合は距離を開けるのは問題ない。何も言わずに去ることに俺は困ったのだからな

タルタリヤ

でも先生、寂しくならない?

鍾離

公子殿が戻ってくると分かっていれば何もそんな不安になることは無い。寂しくはあるが、それも恋する者でしか味わえないものだと感じる

タルタリヤ

へぇ、可愛いね先生

鍾離

な、何処にそんな要素があった?唐突に言うなとあれほど…

パイモン

惚気けるのもいいけど、周り見ろよな…隠す気あるのか?お前ら

旅人

ふふ、仲良さそうで何よりだよ

タルタリヤ

ごめんごめん、舞い上がっちゃってるみたいだ。あまりにも嬉しくてね?

鍾離

名残惜しいが…この後堂主と約束があるからな、行かねばならない

タルタリヤ

もうそんな時間かい?残念だ、また時間合う時食事でも行こう

旅人

俺たちもそろそろ璃月出なきゃ

タルタリヤ

え、相棒もう行くのかい!?

パイモン

オイラ達も同じところに留まってる訳いかないからな

タルタリヤ

なら一戦しよう!!この恋路が叶ったら戦ってくれるって約束したの忘れたなんて言わせないよ!!

旅人

うっ、…覚えてたの?

鍾離

公子殿、旅人を困らせるのは程々にだ

タルタリヤ

でも先生、約束したんだよ?

鍾離

そんなに一戦交えたいのなら俺が相手しよう、それでいいだろう?

タルタリヤ

えっ!?先生いいの?!

鍾離

特別だ

パイモン

そ、それは…オイラもきになってきた

旅人

(恋人同士で戦えるのかな…)

タルタリヤ

なら先生、夕方!やろう!

鍾離

あぁ、分かった

パイモン

旅人…夕方まで…

旅人

パイモン、多分違うよ

パイモン

へ?

鍾離

宿は俺が取っておこう、公子殿は時間になったら来るといい

タルタリヤ

ん?宿?

パイモン

なるほど!よし、オイラ達いこうぜ!

旅人

う、うん…2人とも、それじゃ!

鍾離

あぁ、また会おう

タルタリヤ

え?先生?宿って何?

鍾離

さて、時間が無い…また後で。待ってるぞ

タルタリヤ

え?うん?

タルタリヤ

(戦えると思ったんだけどな)

タルタリヤ

(まぁいいか!)

〜Fin〜 (続く、、、、かも?)

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