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圭音side あれから数ヶ月後の9月。 あと少しでシーズンが終わるところ。 美月からもらったキーホルダーを スマホケースに付けて持ち歩いている。 最初こそは練習にならなくて 手がつけられなかったが、 先輩や同期、年下組の励ましの元 元のメンタルまで取り戻すことが出来た。

山田

圭音さんあの子どうなったんですか?

福島

美月?たぶん大丈夫だと思うよ。

山田

たぶんってなんすか?生きてますよね?

福島

生きてると思う。親も俺の事気にして連絡してこないし。

津田

そのキーホルダーは?

福島

美月から貰った。ほぼ形見。

百崎

ほんとに生きてるんですよね?

津田

生きてたらいいけどね…

福島

凹んでたら美月に喧嘩売られるしなんとなってるでしょ。

山田

そうですけど…

津田

圭音が納得してるんだったら大丈夫っしょ。

のんびりとグランドに向かっていると 3人が足を止め始めた。

百崎

圭音さんあの人って…

山田

やっぱそうよね?

津田

うん、合ってると思う…

福島

え?なにが?

山田

ほらあの人…白い花柄のワンピース来た女性です。

修也が指さす方向に目を向けると 美月の姿と本人の両親に 俺の家族がいた。 いつの間にか荷物を置いて 足を向けていた。

百崎

あ、ちょっと圭音さん荷物…

津田

2人にさせとけ。

山田

ベンチに持って行っときますねー。

二つ返事をして 美月の傍まで寄っていくと やっと気づいた本人。

美月

あ、圭くん。

圭音父

練習は?ていうか荷物…

福島

持って行ってもらった

美月の頭に手を乗せて とりあえず撫でた。

福島

いつ意識戻ったんすか?

圭くんが部屋から出て2日ぐらいしてから。

なんか圭くんに呼ばれたって。ねぇ?

美月

私の右手握って泣きながら呼んでた。

圭音母

あの時何かあったの?

圭音父

いや、男の約束やから言えない。

あ、そういや美月あれどこ入れた?

福島

あれってなんすか?

カバンの中を漁って 取り出した袋を差し出してきた。

美月

差し入れ。

そんな大したもんないけど良かったら使って。

福島

有難く使わさせていただきますね

圭音父

まだ納得出来てなさそうな顔してるわ。この人。

福島

そりゃそうでしょ。

美月

あ、呼ばれてる。

振り向くと健斗が俺を手招きしていた。 多分もうそろそろ 全体練習が始まるのだろう。

頑張ってね。

圭音父

スタンドいるわ。

福島

うん。今度ユニバ行こな。

美月

え?いいの?

福島

うん。

美月

前一緒に来てた2人も呼んでよね。

福島

わかった。空いてる日あったら教えて。

美月

うん

福島

次会ったら詳しく話聞くから。

美月

わかりました。んじゃ頑張ってね。

母さん達にも挨拶して 健斗の元へ走った。

試合が終わって 晩御飯食べてる頃。 仲良く話しながら食べてる 淳也と蒼生と修也のテーブルに ご飯を置く。

百崎

お疲れ様でーす。

山田

やっぱ可愛いですよね。幼なじみさん。

津田

良かったね。生きてて。

福島

うん。

百崎

圭音さん今度会う約束してるんすか?

福島

いつかは決めてないけどユニバいこって話してる。美月が3人も一緒にどうかって。

山田

行きたいです!

百崎

僕もいいんですか?

津田

いいって。佑弥行く?

石黒

え?なにが?

ユニバ。行く?

山田

圭音さんの幼なじみさんが行きたいんですって。

石黒

行きたい。幼なじみってあの白い花柄のワンピース来てた子でしょ?

福島

なんで知ってんの?

津田

俺が隠し撮りしたやつ見せた。

石黒

いいな〜あんな可愛い幼なじみ。

山田

何歳ですか?

百崎

パッと見僕より年上に見えた。

福島

俺の2個した。21歳。

百崎

ほらやっぱり。

津田

ユニバいつ行く?

石黒

この辺は?

それぞれ予定がある日を言い出し 全員が空いてる日を 美月に連絡した。

数日後 ユニバの入場門の近くで 美月と待ち合わせする予定。

百崎

どこにいるんですかね?

津田

人多いし幼なじみの子小柄やからなぁ…

石黒

電車遅延とか?

山田

今調べたんですけど、遅延してないっすね。JR。

福島

なんかあったら連絡しろって言ってるんやけど…

駅の方から人がゾロゾロ歩いてきた。 つい5分前ぐらいに もうすぐユニバの最寄り駅に着くって 連絡が来たからあの中に多分いる。

百崎

あ、見っけた。

福島

え?どこ?

百崎

あ、人違いかも…

津田

なんやねん。それ。

山田

あ、いました。あそこ。

修也が指さした方を見ると 俺らを探しているのか キョロキョロと周りを見渡している。 佑弥が美月を呼びに行った。

美月

すいません遅れて…

福島

迷ったん?

美月

そう。大阪駅で迷った。

福島

揃ったことだし行くか…

津田

最初どこ行く?

石黒

グッズ売り場のとこ。ほら行くよ。ってあれ?3人は?

福島

あそこ。

入場門のところで 係の方に前売り券を見せている3人。 学生の感覚がまだ抜けきっていない様子。 俺らも慌てて入場門に向かった。

3人を追いかけると グッズ売り場で一緒に カチューシャを選んでいた。

山田

どうっすか?これ。

美月

こっちも可愛いけど。

百崎

あ、やっと来た。

津田

やっと来たちゃうねん。

石黒

なに相談してんの?

山田

どっちが似合いますか?

百崎

こっちとこっち。

美月

圭くんどっちがいいと思う?

石黒

圭くんどうする?

福島

男に圭くん言われたくない。

津田

こいつ(修也)は?

百崎

言ってみて?

山田

圭くんどっちがいい?

福島

美月どうすんの?

美月

え?私?

山田

無視しないで。圭音さん。

百崎

んじゃ片方俺つける。修也どっちがいい?

修也が悩んでいる横で 淳也と佑弥もカチューシャで悩みだす。 俺はつける趣味がないから 外の空気を吸おうと 足を向けるが 美月に捕まった。

美月

こっちとこっちどっちがいいと思う?

福島

どうでもいい。

百崎

付き合ってあげてくださいよ。圭音さん。女の子に優しくしてください。

山田

薄紫色の方が似合ってますよ。

美月

あ、ほんと?でもこっちも捨て難いんだよねぇ…

石黒

圭音つけたら?

福島

俺つける趣味ないけど…

山田

前来た時つけてたじゃないですか。

美月

あれ私の代わりにつけてくれた。

山田

あ、そうなんすね。納得…

津田

佑弥結局どうすんの?

石黒

まだ悩んでんの。淳也は?決めたの?

津田

決めた。ほらさっさとお金払うよ。

お店を出て それぞれ乗りたいものを 地図見ながら話していく。

山田

結局つけるんですね。

福島

美月に付けさせられた。

百崎

似合ってますよ。それ。

石黒

最初ここ行って次ここ行く?

美月

津田さん大丈夫なんですか?確か絶叫系ダメだった気が…

津田

入口のとこで見てる。

百崎

美月さんどうします?

美月

病院の先生に絶叫系のアトラクション止められてるから入口で見とく。

福島

リハビリだっけ?

美月

そう。1ヶ月も植物状態だったら筋肉落ちるよね。

山田

今普通に歩いてますけど…

百崎

さっきだって走ってたし。

福島

日常生活はできてるけど、陸上の大会復帰するためにリハビリしてんだって。あと定期検診。

美月

大学は療養のために休学中。

石黒

え?陸上?やってるの?

山田

去年の関東大会で短距離3位ですよ。美月さん。

福島

高校の時全国大会で1位だって。

津田

どんなトレーニングすればそんな早くなんの?

美月

圭くんと一緒に走り回ってました。

山田

だからか…

百崎

走り方似てるなって思ってました。

津田

はよ行かないと混むよ。

福島

最初のやつって近いの?

石黒

あそこ。

あれから 乗り物をほぼ全て乗って 今から帰るところ。 美月と修也に蒼生は 今日の思い出話に明け暮れている。 俺と佑弥と淳也は 3人で話していた。

石黒

不思議だよね。幽霊離脱したって。

津田

やっぱそうよね。

福島

なんで幽霊離脱したんだろ…

会話が途切れ 修也たちの話に聞き耳を立てる。 あのジェットコースターが面白かったとか あのエリアが楽しかったとか 学生みたいな会話を永遠にしてる。

津田

あ、そういや圭音に彼氏のフリしてくれとか言ってたっしょ?

石黒

そうなん?

福島

………確かにそんなこと言ってたかも。

津田

あれ、単に圭音に会いたかったらしいよ。

福島

は?

津田

話す機会があったら言うとか言ってたけど。

福島

聞いてない。

石黒

話す前に喧嘩でもしたんかな?

津田

多分。そん時俺後悔すんなって言ったけど。

福島

中学上がった辺りから話す機会無くなったからしょうがないか…

石黒

好きなん?

福島

なにが?

津田

美月ちゃんのこと。美月ちゃんと話す時優しいもん。顔が。

福島

顔がってなんや笑

石黒

ご飯の時圭音お手洗い行った次いでに聞いたら美月ちゃんの初恋圭音だって。

津田

圭音は?

福島

あいつの初恋俺?

津田

圭音は?

石黒

たぶんこの反応やったら圭音の初恋美月ちゃん。

津田

美月ちゃん今好きな人誰なんやろ…

福島

なんかあの3人好きな人の話で盛り上がってんだけど…

修也がやたらとニコニコしている。 蒼生は美月に具体的な話を聞き出す。 本人は蒼生のコミュ力に惑わされていた。

津田

美月ちゃん引っ張って来るから話聞けば?

石黒

修也〜なににこにこしてんの?

福島

あ、ちょっと。

修也side 美月さんと話してたら 圭音さんと話があるから 引き剥がされた。

山田

仲良く話してたのに。

津田

たぶんあの二人付き合うかも。

百崎

え?まじっすか?

山田

さっき言った通りだったじゃん。

石黒

なにが?

山田

さっき美月さんの恋愛相談してて、圭音さんのアタックの仕方一緒に考えてたんすよ。

百崎

圭音さんの好きな人絶対美月さんですよね?

石黒

うん。なんでわかったん?

山田

いや、明らかにあの二人の空気感違うじゃないですか。恋人同士の空気感そのもの。ほらみてくださいよ。いつの間にか手繋いでるし。

津田

付き合ったのかな?あの二人。

百崎

付き合ったんじゃないですか?

石黒

記念写真送り付けとくか…

みんなで写真を撮り 後日送り付けたら 怒られたのは別の話。

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