私の好きな人は実体がありません
奏
なーちゃんおはよう
楢原
おはよう
ハグしようとしたのに触れない
奏
よしよし
楢原
うぅ
楢原
一度でいいから触りたいよ
あぁ今日も泣いてしまった
奏
ごめんね
奏
なーちゃんを置いていってしまって
楢原
奏は悪くないよ
ボロボロ
笑ってるはずなのに止まらない
奏
僕
奏
頑張って輪廻にのってすぐに会いに行くから
楢原
うんありがとう
楢原
でも私は17だよ
楢原
奏が生まれ変わって大人になる頃にはもう私はおばさんなんだよ
奏
年の差なんて関係ないから
奏
それまで待っていて
楢原
うん…
奏
僕がなーちゃんを見つけるまでに好きな人ができたら許さないから
楢原
うん
楢原
わかったよ
奏は生まれ変わったのかな
もうあれから18年がたって私は35才になっちゃった
蒼汰
なーちゃん!
楢原
えっ?
蒼汰
迎えに来たよ!
楢原
奏?
蒼汰
今は蒼汰だけど
楢原
嘘だ…
蒼汰
嘘じゃないよ
蒼汰
これでもうハグできるね
楢原
うん
楢原
でも蒼汰君には君の人生があるでしょ?
蒼汰
うん
蒼汰
だから迎えに来たんだ
蒼汰
僕の意思で
蒼汰
僕と付き合ってください
楢原
こんなおばさんでいいなら
蒼汰
いいよ