ああ、最悪だ……
無断転載は二度としないって誓ったばかりなのに……
今度は────
心機一転、新たな作品を投稿した
サムネはもちろん、自分で撮った画像を使用している
内容は偶然ある男女の出会い、恋に落ちるというもの
ベタなネタだが、男はわたしの好きなある有名人の名前にした
ほとんど妄想だけれど、すらすらと筆が進んだ
“いいね“がついたりコメントがつくと嬉しくて、続きを書いた
そんなある日、あるコメントが目に留まった
“なぜ、一次創作で有名人の名前を使用しているのですか?“
それは有名人の名前以外、自分が考えたオリジナルだから、一次創作のタグを使用しています──と返信
“有名人の名前の使用して、一次創作の投稿はダメなんです。規約でもそう書かれているはずですが……。 それにもし本人や関係者があなたの作品を見て訴えたりしたら、文句なんて言えないんですよ“
今思えば本当に浅はかだった
コメントの忠告を受け取った時点でやめればよかったのだ
1週間後、なんとなく気になっていろいろ調べてそれが“ナマモノ“であり、本人や関係者の目に触れないようにするなど、取り扱いには注意しなければいけないことがわかった
それを怠れば信用毀損や業務妨害、名誉毀損で慰謝料請求される可能性もあるそうだ
やらかしてしまったと思った
慰謝料だってすぐに用意できる金額(モノ)じゃない…………
その日のうちに作品をすべて削除し、謝罪文を投稿した
数日後
わたしは小説アプリのアカウントを消した
理由はスランプ。小説がうまく書けなくなった
なんでこんなことになったんだろう……?
ただ普通に創作したかっただけなのに……
自分が悪いのはわかっている
無断転載、実在する人の名前を勝手に使用したから……
そんな考えごとをしてたせいで信号が赤になったことに気付かず、車道へと飛び出していた
危ない!!
ガッシャーン
まるでスローモーションのように、周囲がゆっくりと動く
そして地面に叩きつけられる
ようやく自分が車に撥ねられたと気付いた
周りが何が言っている……。でも、何を言っているのかわからない
瞼を閉じ、そのまま気を失った…………
?
目の前に黒いスーツに身をつつみ大鎌を持った男の人が立っていた
?
?
?
やっと声が出せた
?
死神
人懐こそうな笑みを向けてくるけれども、底知れない気味悪さを感じた
近くに川が流れていた
死神
死神
死神
死神
死神
死神
考えるまでもなかった
わたしは引き返す方を選ぶ
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
“有名人の名前の使用して、一次創作の投稿はダメなんです。規約でもそう書かれているはずですが……。 それにもし本人や関係者があなたの作品を見て訴えたりしたら、文句なんて言えないんですよ“
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
わたしが投稿したあの小説を事務所に……?
頭の中が真っ白になった
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
やれやれと肩をすくめる
死神
死神
死神
死神
死神
死神
死神
にこ
少し前なら、前者を選んだ
だって死にたくなんてなかったから
死神
死神
死神
死神
死神
結局どれを選んでも……
……なにもかもが遅かった
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