TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ああ、最悪だ……

無断転載は二度としないって誓ったばかりなのに……

今度は────

心機一転、新たな作品を投稿した

サムネはもちろん、自分で撮った画像を使用している

内容は偶然ある男女の出会い、恋に落ちるというもの

ベタなネタだが、男はわたしの好きなある有名人の名前にした

ほとんど妄想だけれど、すらすらと筆が進んだ

“いいね“がついたりコメントがつくと嬉しくて、続きを書いた

そんなある日、あるコメントが目に留まった

“なぜ、一次創作で有名人の名前を使用しているのですか?“

…………

それは有名人の名前以外、自分が考えたオリジナルだから、一次創作のタグを使用しています──と返信

“有名人の名前の使用して、一次創作の投稿はダメなんです。規約でもそう書かれているはずですが……。 それにもし本人や関係者があなたの作品を見て訴えたりしたら、文句なんて言えないんですよ“

今思えば本当に浅はかだった

コメントの忠告を受け取った時点でやめればよかったのだ

1週間後、なんとなく気になっていろいろ調べてそれが“ナマモノ“であり、本人や関係者の目に触れないようにするなど、取り扱いには注意しなければいけないことがわかった

それを怠れば信用毀損や業務妨害、名誉毀損で慰謝料請求される可能性もあるそうだ

(……マジか)

やらかしてしまったと思った

慰謝料だってすぐに用意できる金額(モノ)じゃない…………

(早く消さなきゃ)

その日のうちに作品をすべて削除し、謝罪文を投稿した

数日後

わたしは小説アプリのアカウントを消した

理由はスランプ。小説がうまく書けなくなった

……はぁ

なんでこんなことになったんだろう……?

ただ普通に創作したかっただけなのに……

自分が悪いのはわかっている

無断転載、実在する人の名前を勝手に使用したから……

そんな考えごとをしてたせいで信号が赤になったことに気付かず、車道へと飛び出していた

危ない!!

え?

ガッシャーン

まるでスローモーションのように、周囲がゆっくりと動く

そして地面に叩きつけられる

…………

ようやく自分が車に撥ねられたと気付いた

周りが何が言っている……。でも、何を言っているのかわからない

瞼を閉じ、そのまま気を失った…………

こんにちは〜おねーさん♪

目の前に黒いスーツに身をつつみ大鎌を持った男の人が立っていた

…………!?

あは☆ 驚いた?

あ〜あ、固まっちゃって

大丈夫?

だ、誰……?

やっと声が出せた

死神

死神

人間はそう呼んでる

人懐こそうな笑みを向けてくるけれども、底知れない気味悪さを感じた

(……そもそも、ここは……?)

近くに川が流れていた

死神

ここは三途の川

死神

きみは交通事故に遭って、今生死の境目にいるんだよ?

…………

死神

このまま引き返せば命は助かるし

死神

橋を渡れば“死ぬ“──

死神

死神

好きな方を選んでいいからさ、どっちにする?

考えるまでもなかった

わたしは引き返す方を選ぶ

死神

ふーん、そっか〜

死神

まぁ当然といえば、当然か

…………

死神

でもいいの?

死神

還ったら慰謝料を払わなきゃいけなくなるよ?

……慰謝料?

どういうこと?

死神

おねーさん、一次創作で“ナマモノ“を書いちゃったよね?

なんでそれを……?

死神

死神の前で隠し事なんてできるわけないでしょ

死神

それにぼく、コメントで

“有名人の名前の使用して、一次創作の投稿はダメなんです。規約でもそう書かれているはずですが……。 それにもし本人や関係者があなたの作品を見て訴えたりしたら、文句なんて言えないんですよ“

死神

って、書いて警告したのに〜

あのコメントはあなただったの?

死神

そうだよ〜

死神

ときどき小説アプリで一次創作を読んでるんだ♪

死神

結構おもしろいよね

…………

死神

だからこそ、ルールは守らなければならない

死神

死神

規約──とくに禁止事項はちゃんと読もうよ

死神

少し脱線しちゃったね

…………

死神

あ、そうそう

死神

投稿した作品をスクショして

死神

きみの好きな有名人の事務所に送っといたから

……え

死神

一つ残らずぜーんぶ

わたしが投稿したあの小説を事務所に……?

頭の中が真っ白になった

死神

たしか事務所はナマモノを禁じてたよね?

死神

もし発覚したら法的措置をするって

な、なんで送ったの?

わたしちゃんと反省して消したのに……?!

死神

なに被害者づらしてるの?

死神

ナマモノの規定を破ったのは他ならぬ──

死神

“きみ“なんだよ?

…………

死神

反省して消した?

死神

ぜんぜん反省しているようには見えないし

死神

それどころが開きなおる始末──

やれやれと肩をすくめる

死神

でもまぁ、きみ以外にも違反者たちがいたからね

死神

まとめて事務所に送ったけど

…………

死神

このまま引き返せば命は助かるけど

死神

慰謝料を払わなきゃいけなくなる

死神

橋を渡れば“死ぬ“──

死神

だけど、慰謝料を払わなくて済む

死神

どっちにする?

にこ

(どうすればいいの……?)

少し前なら、前者を選んだ

だって死にたくなんてなかったから

(けど慰謝料なんて……)

死神

死神

このまま三途の川にいてもいいけどさ

死神

その場合、きみはずっと昏睡状態になるよ

死神

生きることも死ぬこともできない

死神

まさに地獄

結局どれを選んでも……

…………

……なにもかもが遅かった

この作品はいかがでしたか?

130

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚