テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ボスキと主様

第65話 - 第65話分離した記憶、2人の主第2章

2024年09月24日

#悪魔執事と黒い猫

#ボスキ・アリーナス

aimer(エメ)

ルカス

ふむ……。つまり、今、目の前におられる主様は、ずっと暗闇に閉じ込められていて、事故以来、今日まで私たちと過ごしてきた主様がもう1人の主様ということであっていますか？

主

うん。

ユーハン

そして、どういう訳か、その主様と今の主様が暗闇で顔を合わせ、話をして、今の主様がこちらに戻られて、もう1人の主様が閉じ込められる側になったため、主様は、そのもう1人の主様を助けたいとそういうことでしょうか？

主

うん。

ルカス

そうなのですね。うーん…。

ユーハン

ルカスさん？

ルカス

今は、どうすることも出来ないだろうね。ただ、言えることがあるとすれば、今、主様は記憶が半分だと言っていましたよね？

主

うん。そうだよ。ルカス。

ルカス

解離性同一性障害に似ているけれど、少し違う感じもするし、なんとも言えないけれど……。もしかしたら、もう半分の記憶を持つのが、そのもう1人の主様ということはないのかなと思ってね。つまり、2人は、2人で1つが本来の姿だけれど、事故で分離して1人と1人の人格に分かれ記憶も半分になってしまったとは、考えられないかな？

主

まさか。そんなことって…。

ユーハン

つまり、今いる主様の記憶で欠けた記憶は、もう1人の主様が持っていて、逆も然りとおっしゃられたいのですか？

ルカス

そうだね。私は、そう考えているよ。

主

そうだとしたら、尚更、助けに行かなきゃだけど……。

ルカス

今は闇雲に探さず、待つしかないですね。こういっては、語弊があるかもしれないけれど、主様が気を失われた時にしかその道へは通じないのかもしれない。だからって、気絶しろと言っているわけではないからね。無理はしないようにね。

主

わかった…。時が来るまで待つ。

ルカス

そうですね。その方がよろしいかと思います。

ユーハン

では、みなさんにもこの事を伝えなければなりませんね。主様からお伝えになりますか？それとも私から…。

主

ううん。自分で直接みんなに会いに行きたいから。自分で行く。だから、ユーハン。デートは次の機会にやり直してもいいかな？

ユーハン

はい。もちろんでございます。私はいつでもお待ちしております。

主

う、うん////

そして、診療室を主とユーハンが出た後、ルカスは、静かに涙を流す。

ルカス

良かった……。〇〇さんが戻ってきてくれて…本当に良かったよ……。ずっと私も〇〇さんに会いたかったのですよ？

屋敷の廊下

主

ユーハン。

ユーハン

はい。いかがされましたか？主様。

主

さっき、変なこと言ってごめんね///
久しぶり過ぎたから…///

ユーハン

(ここに来る時のことをおっしゃっているのでしょうか？///)

ユーハン

き、気にされないでください///
私は、そういうことは、ちゃんとお付き合いをしてからと決めておりますから、主様に今、手を出すことは致しませんので、どうぞご安心くださいね///

主

ありがとう…。でも、我慢出来なくなった時は言ってね…///

ユーハン

そ、そのようなことをおっしゃってはなりません!////

ユーハン

(我慢できなくなってしまいます!///)

主

ふふっ。ユーハン顔真っ赤。

ユーハン

だ、誰のせいだとお思いですか？！///
全く、〇〇さんというお方は、聞いていた通りのお方ですね///

ユーハン

(すごく淫乱だと…////間違いありません///私の心を掻き乱して、身体を熱くさせてイタズラに笑顔を向けて来たりなどなさって…///)

主

？

ユーハン

何でもございません！///では、皆さんのところに参りますよ!主様。

主

うん。

2階の執事室

ボスキ

本当に〇〇なのか？

主

うん。ただいま。
ボスキ。

ボスキは、主とユーハンから説明を受け驚きはしたが、すぐに主を自分に引き寄せ強く抱きしめると涙を静かに流しながら伝えた。

ボスキ

悪かった…。守ってやれなくて…本当に悪かった…。ずっと〇〇に会いたかった…。ずっと…〇〇と話したかった…ずっと………。

主

大丈夫だよ。ボスキの気持ちはわかってるから。心配かけてごめんね。

そんなボスキを主も優しく抱きしめ、静かに涙を流す。ようやく会えた嬉しさを噛み締めるように。

ボスキ

あぁ…。あぁ!帰ってくるのが遅せぇよ…。どれだけ、心配したと思ってやがる？！

主

そんな怒んないでよ！

ボスキ

わりぃ。怒ってるんじゃねぇんだ。俺らしくもねぇが、寂しかった。会いたかった…。

主

私もだよ。ボスキに会いたかった。

ボスキ

〇〇。愛してる。もう、どこにも行くな。俺の傍にいろ。

主

私も愛してる。どこにも行かないよ。ボスキ。

そして、2人は、再会のキスを交わす。

ちゅっちゅっレロレロ

主

んっんっはぁんっ…////

ユーハン

コホン!////私たちもいるのをお忘れではありませんか？////主様、ボスキさん。

主

はっ!///ごめん!////

ボスキ

ちっ///少しぐらいいいだろうが。

アモン

何言ってんすか？!///俺だって〇〇さんに会いたかったんすよ？///

フェネス

そうだよ!///2人だけの世界に入り込まないでほしいよ!///俺だって心配してたんだから。

ハウレス

俺もです///〇〇さんが記憶を取り戻すのを待っていました。愛しているのですよ。俺も〇〇さんを。

主

みんな…ごめんね。
ただいま!
アモン、フェネス、ハウレス。

その言葉に、3人も主を抱きしめ泣く。ずっと会えずに苦しかった気持ちを洗い流すように。そして、ひとしきり泣いて、みんなが落ち着くと、半分の記憶を取り戻したこと以外にも、もう1人の主についての話をした。

ハウレス

では、今はまだ待つしかないのですね。

主

うん。ルカスが言うには、もう一度、気を失えばあるいはって…。

ボスキ

させねぇからな。

主

わかってるよ!そんな馬鹿なことしないって!

ボスキ

ちっ。いいじゃねぇか。今までこれだけ待てたんだ。それが少し伸びるだけの話だ。気長に待てばいい。

主

うん。そうだよね。

フェネス

時間はかかるかもしれないけれど、俺たちもついているからね。心配しないでね。〇〇さん。

主

ありがとう。フェネス。

アモン

〇〇さんが今、目の前にいてくれるってだけで俺もうれしいっす。あの日の夜も覚えてるんすよね？今の〇〇さんは。

主

ど、どの日？////

アモン

やだなぁ～。何考えてるんすか？〇〇さんは。俺が言ってるのは、星空の下、予約したレストランに行った話っす。

主

あ、あぁ!あの日ね!///うん///覚えてるよ。

ボスキ

だが、半分の記憶って言ったが、それならなんの記憶がないんだ？

主

うーん。私がデビルズパレスに来る前とボスキと最後にデートした食事の後の記憶が…ないの…。

ボスキ

そうか…。

主

うん…。

ボスキ

(あの教会での告白も覚えてないのか…。ちっ。いいじゃねぇか。そんなのは、後からまたやればいいだけの話だ。とにかく、今は〇〇が目の前にいる。それだけでいい。)

ハウレス

それだと、向こうの世界に行っても生活が出来ないのではないですか？

主

向こうの世界？

フェネス

主様には、2つの世界を行き来する指輪が指にはめられていますので、その金色の指輪を外すともう1つの本来、主様が生活していた世界に行けて、指輪をつけるとこちらの世界に来れるのですよ。

主

あ、そうなんだ。でも、今は外さない。全て思い出すまでこっちにいる。

アモン

その方がいいかもっすね。大丈夫っす。こっちの世界に〇〇さんがいてくれる間のことは俺たちがなんとかするっすから。

主

ありがとう。アモン。

ユーハン

とにかく、今は、主様はみなさんにこのことをお伝えに回る途中でしたので、これで、こちらは失礼しませんと日が暮れてしまいますよ？

主

そうだね。じゃぁ、また後でね。みんな。

ボスキ

あぁ。〇〇。

フェネス

はい。〇〇さん。

アモン

はいっす。〇〇さん。

ハウレス

はい。〇〇さん。

そして、2階の執事室を後にした主は、1階、3階、地下、別邸と次々に説明をした。みなが一様に帰ってきた主に安堵し、喜びの声を上げた日であった。

主

すっかり夕方になっちゃったね。

ユーハン

そうでございますね。

主

みんなに言って、今日は、これからデートしちゃう？///

ユーハン

なりませんよ。今日は、1度、倒れておられるのですから、あとは、夕食を食して、湯浴みをして、ゆっくりおやすみください。

イタズラな笑みを浮かべいう主に、まともな返答を返すユーハン。

主

ちぇっ。ユーハンはハウレスに似て真面目なんだから～。

ユーハン

私は、ハウレスさん程まじめではありませんよ。ですから…。

というと、ユーハンは、主の左手を取り、自身に引き寄せ、主の腰に自身の左手を回すと主を抱きしめるような体勢になり、主を見つめながら、妖美な微笑みで告げる。

ユーハン

こんなこともできてしまいます。

主

//////

そして、すぐに主を離すと、また、主の横に立つ。

ユーハン

わかって頂けましたか？私は、真面目ではなかったでしょう？主様。

主

そ、そんなドキドキするようなことしないでよ！もっと一緒に居たくなるじゃん///

ユーハン

フフッ。主様なら大歓迎ですよ。ですが、今日は、きちんとおやすみくださいね。

主

ずるい!///こんなことしてから、そんなこと言うの!

と頬を膨らます主にユーハンは笑いながら

ユーハン

フフッ。本当に可愛らしいですね。頬を膨らませたりなどして、まるでリスのようです。

主

サラッとバカにしなかった？！

ユーハン

いえいえ、そのようなことはありませんよ。ただ、本当に可愛らしくて、やはり私は主様をお慕い申し上げているのだなと実感しておりました。

主

……それって告白と捉えてもいいの？////

ユーハン

///////

ユーハン

いえ、別の機会にきちんとまた、告白させていただきますので、今のは、お聞きしなかったことにしていただけませんか？////

主

どうしようかな～？

ユーハン

主様!////

主

わかったよ。待ってるね。ユーハン。

ユーハン

はい。お待ちくださいね。主様。

それから、主を食事のために食堂へ連れていくとユーハンはロノと交代し、別邸へと戻っていった。主も夕食を済ませ、お風呂に入って上がると、なんとなく、寝る気分にならずに、お酒を持って庭の椅子に座り1人、酒を飲んだ。

主

ふぅ～。

ハナマル

あら？主様。こんなところで、1人で酒飲んでたのか？俺も混ぜてくれよ～。

主

ハナマル？！また、飲みに行ってたの～？ユーハンに怒られるよ？

ハナマル

主様までそんなこと言うなよ～。
それに、主様は女なんだからさ。こんなところで1人で飲んでたら危ないって。

そういい、酔ってるとは思えないほど、真面目な顔をするハナマルに心が高鳴る主。

主

【ドキッ】

主

ハナマルも一緒に飲む？////

ハナマル

お～いいね～。主様は飲める口だからな。一緒に飲みやすいんだよな～。

そういい、隣に座り共に焼酎を飲む主とハナマル。

ハナマル

ところでさ。主様は、俺とデートした日のことは覚えてる？

主

…ごめん。私にその記憶はないよ。ハナマルとはどこに行って何をしたの？

ハナマル

(やっぱりか…。でも、俺も〇〇の中に出してしまってるし、きちんと話さないとな。)

ハナマル

主様とはプールに行ったんだが…。

とハナマルは、行った場所やそこで起きた出来事を全て話した。

ハナマル

だから、今の主様が覚えてないなら、告白は白紙でも構わない。ただ、子供が出来てたら、ちゃんと責任をとるから、教えてくれないか？

主

そ、そうなんだ…////ハナマルとも私…しちゃったんだ…？////

ハナマル

あぁ。悪かったよ。記憶がない状態だったのに、あんなことして…。

主

ううん。どっちにしろ、ハナマルならって私も言ってたと思うから///気にしないで////

ハナマル

本当か？

主

うん///だから、白紙にしたくないんだけど、ハナマルは白紙にしたい？///

ハナマル

したくないな。俺は、〇〇が好きだからさ。

主

なら、デートはまたするとしても、このまま付き合っててもいいかな？///

ハナマル

あぁ。〇〇がそれでいいのならな。

主

うん///なんか、酔い回って来ちゃった。そろそろ、部屋もどるね!///

ハナマル

〇〇!そんな急に立ったら！

とハナマルが言い終わらないうちに、主もクラッとして、倒れそうになる。そんな主をハナマルが抱きとめる。

ハナマル

大丈夫か？!〇〇!

主

う、うん。ごめん。大丈夫。

ハナマル

ふぅ～。ヒヤヒヤさせないでくれよ。

といい、ハナマルは主をそのまま、お姫様抱っこする。

主

え？///ハナマル？！////

ハナマル

また、倒れられても困るからな。部屋までこのまま連れていく。

主

ありがとう…////ハナマルいい匂いする…。

ハナマル

そうか？〇〇の方がいい匂いするがな。

主

ハナマル……。

とハナマルを見上げる主。

ハナマル

(そんな目で見るなって///また、抑え効かなくなるじゃねぇか////)

ハナマル

どうした～？〇〇。

主

好きだよ…///ハナマル。

ハナマル

【ドキッ】

ハナマル

それはありがとな///
〇〇。

主

ハナマルは言ってくれないの？

ハナマル

(そんな悲しそうな目をするなって!)

ハナマル

………好きだ////

その言葉に、主はハナマルの頬にキスをする。

ちゅっ

ハナマル

大人をからかうんじゃない///////

主

ふふっ。からかってないよ？誘っただけ///

ハナマル

(あ～もう～この主様は～!////)

ハナマル

部屋に連れていくから早く寝なさい!///

主

残念。

そして、モンモンとしながら、ハナマルは主を部屋に連れていき、寝かせると、また、主の部屋を出て、別邸へと戻って行った。

次回へつづく

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