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インターホンと玄関の扉を酷く叩く音で目を覚ました。
桃
時計に視線をやると、午後14時を回っていた。
乱雑になったゲーミングチェアを直し、崩れ落ちた体制で寝てしまっていたからか、ガチガチに固まった体を無理に起こして立ち上がった。
うるさい扉の先を確認すべく玄関へと足を運ぶ最中、スマホの画面を開く。
そこはおびただしい数の連絡が届いていた通知で溢れていた。
通知やこの騒音で何が起きたのかと焦りと不安を覚えながらインターホンのモニターを見ると、
恐ろしい剣幕でドアを叩く借金取りなんかでは無く、焦りを浮かべて必死におれの名前を呼ぶメンバーであった。
必死に名前を呼ぶアニキ、どこかに電話をして確認か何かを取っているまろ、感情の乱れで突っ立ったままのりうらを宥めるいむと初兎ちゃん。
急いで玄関まで走り、鍵と用心深くかけたチェーンを外してドアを勢いよく開いた。
桃
おれの登場と共に硬直する全員の目を見て困惑と不安ばかり募っていく。
再び口を開く間もなく、俺の体に飛びついてくるアニキ。
抱きつくというよりかは獲物を捕まえたかのような勢いで吹っ飛ばされたため、玄関のタイルに勢いよく尻もちを着く。
そのまま飼い猫の如く脇の下を持ち上げられてリビングまで運ばれた。
桃
桃
一言も喋らない一同に少し怒りを覚えながらも、アニキの手から逃れようとして微量な力で身を捩った刹那、
驚くほど強い力でリビングのソファーに投げ飛ばされる。
桃
黒
白
白
初兎ちゃんの抑制にも負けぬ威力で噛み付いてくるアニキが吐いた驚くべき言葉。
黒
桃
青
青
赤
青
赤
申し訳なさそうな面持ちでおれとまろの顔を交互に覗き、肩身狭く別室に歩いていくりうらの背を見届ける。
アニキはおれの心配で大分気疲れしていたのだろう。
その状態でのほほんと出てきたおれへの安堵と怒りとか、アニキのことだからそんな感じだろう。
先程、怒りと共に涙を浮かべていた。今はいむと初兎ちゃんとりうらと落ち着くまで待っているのか。
青
いちばんの問題は彼、まろだ。先日の出来事から画面越しで大人数を挟んで話していたくらい。
メンバーだから割り切ると決めていたとは言え、対面だとだいぶしんどいものがある。
青
桃
青
青
桃
スマホの画面を再度開くと、日付が大きく変わっていた。
ということは、意識を飛ばしたあの時から、意識のないまま1週間も経過していたという事なのか。
桃
桃
桃
散々無理はするなと釘を刺されていた気まずさと、まろの顔が見れない気まずさからひたすらに顔を伏せて言い訳を述べる。
青
桃
そのままソファーから腰を上げて別室へと足を運ぶ後姿を見つめる。
なぜなのか。
以前の彼なら、心配したんだと抱きしめてきたではないか。
告白して振られたならもうそれで終わりなのか。
自分勝手なのは承知の上だが、もうおれに気持ちはないのか。
いつもおれに抱きついてくるのも、肩や頭に自らのあごを乗せるのも、
何も無くても手を繋いでくるあのボディータッチっは下心故の物だったのか。
実際その下心でこちらも歓喜していたのは事実。
でもおかしいだろ…、なんて、
桃
自らの腕で瞼を伏せて、仰向けにソファーに倒れ込んだ。
全員の調子が戻った頃には、いつもの6人の風景に戻っていた。
その中でダイニングテーブルを囲み、今後の、主におれに関する会議を始めた。
年上2人からはおれの仕事の引取を強制され、全員の議決の元、未定期間の活動休止が決まった。
また、1人の付き添いをつけて、明日中に病院へ診察に行くことが義務付けられた。
黒
アニキの言葉を受け、みんなが横目で俺の隣に座るまろを見た。
その重たい空気の中、更に重たい口を開く。
桃
赤
『まろじゃなくていいの?』なんて言い出すような顔を浮かべているりうらに、『りうらがいい』と笑いかけた。
視界の端に映るまろの眉毛ひとつ動かない表情に、行き場のない感情を漂わせた。
赤
桃
ないくんの通院の付き添い人に抜擢された。なぜまろでは無いのかと思考を巡らせようとも答えは出ない。
そんな中まろにまたこっそり視線をやると、俯き気味ではあるが、表情から察するに、禍々しい怒りが沸騰していた。
そんな空気をぶち壊すように、ないくんが元気よく立ち上がる。
桃
桃