桜が綺麗な街

私が徹と出会ったのは2年前

丁度高校に入学した頃だった

私が先輩に絡まれてる時

心当たりがない私は戸惑う事しか出来なかった

どうして私がこんな状況になっているのか

私が知りたい

下手なこと言ったら何されるか分からないし

こんな状況下に置かれて 反応だなんて怖くて出来なかった

でもそんな時に徹が助けてくれた、

ような気がする。

知りもしない男子が急に話しかけてきた

満面の笑みを浮かべながら先輩達と対話していた

先輩達はイケメン君にメロメロで 私の事なんてとうに忘れていた

なんやかんやで先輩たちと一緒に 去っていったイケメンくん

一体何だったんだろ

そう思いつつもあの状態から 抜け出せて良かったと心からイケメンくんに感謝した

これが私と徹の初めての出逢い

それから数日が経ち

あのイケメンくんが及川徹という人物で 同じクラスだと言う事が判明した

あの日のお礼をしたく作ってきたクッキー

渡そうと思っても

周りに女子しかいない。

この数日で分かった事は

この男がクソほどモテるモテ男だと言う事

こんなのと真正面から話しても 嫉妬の闇で殺されるだけだ

クッキーなんて作ってくるもんじゃなかった

クッキーの入ってる袋を開けて

自分で食べようとした時

及川くんが喋りかけてきた

周りを見渡すと皆移動教室で居なくなっていた

渡すなら今だ

流石に及川くんの為に作ってきたとか

口が裂けても言えない

目を逸らして嘘がバレないようにした

バレたら恥ずかしすぎてしぬ

私の顔が一気に赤くなったのがすぐ分かった

こんなの見られる方が余っ程恥ずかしい

恥ずかしさと共に思ってもないことを口走ってしまった

入学して数日しか経ってないのにこんな事言っちゃって

人生山あり谷ありすぎる。

昼休み

いつものように屋上でカレーパンを食べている

今日及川くんに言った言葉を思い出して

又もや自分を責める

思ってもないこと言っちゃうの

ほんとにやめたい

涙目で空を眺めていると

ドアが急に開いた

そこにはまさかの及川くんがいた

よりによって何で今

しかも優しいし

及川くんが想像以上に優しすぎてさっきの言葉を 取り消させて欲しいと思った

私には友達とかそんなの出来たことないし

謝り方とかそんなの全然分かんない

ちゃんと伝わってるかな

私の言葉から既に10秒以上経過していた

未だに彼は反応を返してくれない

本当に怒らせちゃったんだなと思って又不安になる

彼の表情を見れば怒ってるか分かるかなと 思って顔を見あげると

何故か顔を両手で覆っていた

そう言って彼の両手を外すと

何故か顔を真っ赤にさせていた

彼がもっと顔を赤くさせて私に言ってくる

私が思ってるより男の子で

面白いと思った

及川くんの顔を見て微笑んでしまった

それくらいこの時間が楽しかった

この日を境に私は及川くんと仲良くなれた

彼の色んな姿をこれからも見ていくものだと

この時は思っていた

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