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看護師
愛音ちゃん、調子はどう？
愛音(あのん)
あ、はい。大分良いです。
看護師
そう？さっき先生いらしたでしょ？食欲ないって聞いたけど…
愛音(あのん)
それ多分私じゃないです。
看護師
あら、ほんとだ！愛梨ちゃんって子と間違えたのね。ごめんね。
愛音(あのん)
あ、はい。
愛音(あのん)
愛梨ちゃんって退院する子ですか？
看護師
そうだけど…
愛音(あのん)
(やっぱりそうなんだ…いいなぁ。食欲ないのに退院できるんだ。私の病気は無理だなぁ。)
看護師
どうかしたの？
愛音(あのん)
えっとその、羨ましくて…
看護師
愛音ちゃんももう時期退院できるわよ。
看護師
その為に治療も頑張ってね。
愛音(あのん)
はい！
午前十時
お母さん
愛音、入るわよ。
愛音(あのん)
お母さん！！
お母さん
愛音ごめんね。
愛音(あのん)
え？
お母さん
看護師さんから話聞いたわよ。貴方が治療頑張るって言ったこと。
愛音(あのん)
だって早く友達に会いたいから。
お母さん
うん！頑張ろうね！！
三ヶ月後
看護師
おめでとうございます
退院です。
退院です。
愛音(あのん)
やったぁ！やったよお母さん！
お母さん
良かったわね？
お父さん
よく頑張った！！
家族三人で駐車場まで歩く。
ブロロロロ…
お母さん
愛音！
お父さん
トラックだ！愛音！愛音！
愛音(あのん)
え？
お母さん
先生！
お父さん
先生！
空気が凍りついた。 幸い、愛音は一命を取り留めた。
だが問題があった。
お母さん
愛音…
お父さん
分かるか…？
愛音(あのん)
あの、失礼ですがどなたですか？
記憶を失っていた。
お母さん
愛音…
両親は声を出さずに泣いた。
ガラガラ
咲良(さら)
こんにちは。愛音、調子どう？
お母さん
咲良ちゃん…
お父さん
愛音はな…記憶を失った。
咲良(さら)
え？愛音？愛音！！
愛音(あのん)
初めまして。よろしくね！！
咲良(さら)
愛音…
咲良はわんわん泣き出した。
それからどのくらいの月日が経っただろう。愛音は大人になった。もちろん記憶を失う前の事を明確に思い出す事はこれからも無いが
最近、咲良の事を思い出すことがあり電話をしてみた。(両親同士が仲が良く電話番号を知っていた。)
愛音(あのん)
もしもし…咲良…ですか？
咲良(さら)
咲良だけど…
愛音(あのん)
覚えているかな？…愛音です！！
咲良(さら)
え？本当？
愛音(あのん)
うん！本当だよ。なんだか咲良の事が頭に浮かんだの。
咲良の目には涙が流れていた。
咲良(さら)
…うん。
愛音(あのん)
これからもよろしくね
咲良(さら)
うんっ！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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