大雅
じゃ、また明日
亜紀
うん、
亜紀
あ、明日手術何でしょ?
大雅
うん
亜紀
頑張ってね!
亜紀
魂の交換は手術が終わってからするから。
大雅
あぁ。
亜紀
大雅!
亜紀
少し抱きついていい?
大雅
うん
亜紀
亜紀
ありがとう
亜紀
手術前に連絡してよね
大雅
おう
大雅
今から手術だよ
亜紀
がんばれ!
亜紀
絶対成功するから
大雅
盲腸だけで大袈裟だな
亜紀
そうかな?
大雅
あ、そろそろいくね
亜紀
うん
大雅
大好き
亜紀
私も
大雅
じゃ、また手術の後で
亜紀
亜紀
さて
亜紀
大雅、大好きだよ
彼女の手には御札が握られていた
大雅
……ん
大雅
あれ?ここは……
大雅
誰の家だ?
大雅
?
大雅
確か僕は盲腸の手術をしたんじゃ……
大雅
あれ?なんか声が高いような?
大雅
っ!もしかして
そうして鏡を見ると僕は……
亜紀の姿になっていた
大雅
嘘だろ!どういうことだ
大雅
?
大雅
これは俺のスマホだ……
大雅
?!亜紀からメッセージが!
亜紀
大雅へ
亜紀
まず最初に、ごめんなさい
亜紀
あなたをずっと騙していました
亜紀
本当は私は不治の病なんかじゃありません
亜紀
元気ピンピンです
亜紀
実は不治の病なのは大ちゃん、あなたなんです
亜紀
たまたま風邪で病院に行った時大ちゃんの両親を見かけてね
亜紀
お久しぶりです、って話しかけたの
亜紀
そしたら大ちゃんのお母さん泣いててね
亜紀
問いただしたの
亜紀
そこで大ちゃんが不治の病だと知りました。
亜紀
手術はできるけど成功率は10%
亜紀
お母さんは大ちゃんに受けさせたいって言ってた
亜紀
あの子には言わないで欲しいって口止めまでされた
亜紀
1回頭冷やしたくて屋上に行ったら大ちゃんがいたの
亜紀
なんか自殺しようとしてたしびっくりしたよ
亜紀
どうしても生きて欲しかった
亜紀
そこで貰った御札を思い出した
亜紀
もう神頼みしか出来なくて
亜紀
でも正直に話しても多分大ちゃんは優しいから私の体を貰うことを拒むと思った
亜紀
だから嘘をつきました
亜紀
でもね
亜紀
大ちゃんが好きってのは嘘じゃないよ
亜紀
大好き
亜紀
だから私が死ぬのはへっちゃら、そう思ってたけど
亜紀
意外と辛いな〜
亜紀
大ちゃん私の事忘れないでね
亜紀
私の体で私の分まで生きて幸せになってください
亜紀
それが私の幸せです
亜紀
また来世で会おうね!
亜紀
〇月×日10時27分
大雅
う、うあ
大雅
う゛わ゛ああああああああぁぁぁ
大雅
僕はずっと、いつも亜紀に守られてばっかだ…
大雅
ぐすっ
大雅
亜紀、僕すぐには立ち直れないよ
大雅
でも、少しずつ立ち上がるから
大雅
見ててね
大雅
好きだよ
かすかに彼女の「うん」という声が聞こえた気がした