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ポートマフィア 梶井の実験室

瑠音

…………不思議な匂い

瑠音

(変な装置もいっぱい…)

瑠音

(なんだか、見たことあるような……?)

梶井基次郎

小綺麗にはしてあるつもりだけどね。散らかってると使いづらいし、異物は実験結果に狂いを生じさせるから

梶井基次郎

……というわけで!

梶井基次郎

早速だけれど君の異能が如何なるものか……見せてもらおうか!

梶井は檸檬を投げてよこした

瑠音

……これは………檸檬?

梶井基次郎

そう。此処を押してご覧?

瑠音

………えい

その瞬間、檸檬が爆発した

その衝撃で瑠音の体は肉片となって飛び散った

瑠音

……あ…………

瑠音

(こういうのは、初めて……かも)

薄れていく意識の中 また夢を見た

死ねば記憶が戻る……なんて 不思議な話だけれど

 

ルネ、ルネ、ルネ!!私をいつまで待たせるつもりだ!?

ルネ

___

わたしはあの人と話をしていた

けれど、いつもの夢とは雰囲気が違う

自分が喋っている筈なのに、何を言っているのかわからない

まるで、自分そっくりな誰かのような

 

君は私を愛していると言っていた!私を必ず絶望から救うと、地獄の果て迄も私に付き合うと!!

 

だが……どういうつもりだ?

 

君は私をずっと此処に閉じ込めて!この呪われた体を衆愚に弄ばれるのをただ眺めているだけではないか!

ルネ

___、__!

あなたは何故怒っているの?

今まで夢に出てきたあなたは、 残酷だけれど穏やかなひとだった

あなたはヒトたる身で ヒトを超えた何かになったようだったのに

黴と汚物に塗れた襤褸切れを纏って 誰からも忘れ去られた牢獄に閉じ込められて 薄汚れてやつれきった顔をして

……けれども狂う事さえ許されないで

あなたは愚かなヒト あなたは哀れなヒト 恋人にさえ救われない

ルネ

______

 

……巫山戯るな!馬鹿馬鹿しい!

 

ハナから私を裏切るつもりだったのか?

 

それとも、何処ぞの馬の骨に感化されたか、力で捩じ伏せられ絶望したか……

 

君を信じた私が馬鹿だったとでも言いたいのか!

ルネ

_________

……きっとそう

あなたはこの世に生まれ落ちた悪なるもの

誰からも愛されない 誰も愛せない 可哀想な男

 

私は……私は、ただ……

ルネ

__!!

気づけばわたしは押し倒されていた

彼の顔がわたしのそばに近づき そして__

 

……ひとつになろう、ルネ

彼の歯がわたしの首に突き立てられた

強く、強く、強く食い込むその牙は わたしの皮膚を食いちぎった

とめどなく流れる血 それに夢中でむしゃぶりつく男

 

は、はは、はははははは!

 

ルネ、ルネ、私の愛しいルネ!

 

肉なんて食ったのはいつぶりだろうな?

 

ははははははは!

 

君は私の中で!私と共に生き続けるんだ!

 

嗚呼、ルネ……私のルネ……私だけのもの……

 

……なんて、美味しいんだろう

私の意識はそこで途切れた

梶井基次郎

……素晴らしい!君の奇跡の異能は本物だ!

瑠音

あ…………

瑠音

わたしは、いきてる………

梶井基次郎

そう、そうだとも!

梶井基次郎

僕がこの目で確と見た!君の肉体は臓物ごと木っ端微塵になり瞳孔から光は失われ、死の三兆候を示した!

梶井基次郎

然し!君の肉体は君を生かす為に再生した!此れを奇跡と呼ばずしてなんと呼ぼう!

瑠音

(うざ………)

瑠音

(……でも、なんだかあの人みたい………)

梶井基次郎

君のその異能!矢張りただの下っ端が腐らせてしまうには惜しい!

梶井基次郎

是非とも僕の実験に協力して……

瑠音

…………ねぇ

梶井基次郎

……む?どうしたんだい?

瑠音

人は……誰かに噛まれて死んじゃったり、する?

梶井基次郎

はて、確かにヒトによる咬傷が原因で感染し死に至る病も存在するが……

梶井基次郎

最も多いのは頸動脈を噛み切られて出血で死ぬ事だろうね

瑠音

………あなたに殺された後、夢を見たの

瑠音

「あの人」がわたしの首を噛み切って食べちゃう夢………

瑠音

…………わたしを、たべて?

梶井基次郎

……おや、おやおやおや!君のような純情そうな乙女からそんな言葉を聞こうなんてね

瑠音

夢の中でされたみたいに……

瑠音

……そうしたら、何か思い出せる、かも

梶井基次郎

全く、前の主人から何を教わったんだか

梶井基次郎

……いいよ

梶井はわたしを実験台の上に押し倒した

彼が近づき、わたしの首筋を柔らかく噛んだ

ゆっくりと歯を押し当て、ぷつりと皮膚が裂ける…

瑠音

……もっと……

梶井基次郎

何が違うんだい?

瑠音

もっと、強くて乱暴で………わたしを、殺しちゃうくらいに……

梶井基次郎

なんだ、そんなこと

梶井基次郎

……僕をその気にさせた君が悪いんだ

彼の手はゆっくりと、丁寧にわたしの体に触れていく

瑠音

(……さっきの夢とは、ちがう……………)

瑠音

(でも、いつもの夢のあの人はこうだった)

突然、彼の唇がわたしの口を塞いだ

梶井基次郎

んっ……はぁっ……

梶井基次郎

「わたしを食べて」なんて熱烈なプロポーズしてきたんだから……覚悟はできてるだろ?

死にたがりのわたし、殺したがりのあなた

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コメント

4

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そっちじゃない気もするけどなんか好き(*^ω^*)

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