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ユナ

ごめんなさい、ごめんなさい……

ユナ

もう不倫とかしないから……

スマホのバイブ音が鳴る

アユミからの着信 ユナはすぐに電話に出る

ユナ

アユミ……

アユミ

もしもし、ユナ?大丈夫だった?

ユナ

アユミィィ!!

アユミ

ちょ、どうしたの、何があった?

ユナ

警察の帰り道、誰かに追われてる気がして……

アユミ

うん

ユナ

なんとかうちには着いたんだけど

ユナ

その後すぐポストにね……

ユナ

縁切り神社の絵馬が入れられたの。

アユミ

え。

ユナ

今日の日付で、藤沢ユナ死ねって……

ユナ

ねぇ、私どうすればいいの!?

アユミ

落ち着いて。

アユミ

警察は?なんて?

ユナ

捜査までに時間もかかるし、犯人を特定できない可能性もある、って。

アユミ

なにそれ……

アユミ

とにかく今日は家を出ないで

アユミ

明日の朝迎えに行くから、その絵馬持ってまた警察行こうよ。

ユナ

うん。

ユナ

ありがとね。

ユナ

アユミの言う通りだね。

ユナ

不倫なんてするもんじゃない。

アユミ

いろんな人の恨み、買うんだからね。

ユナ

うん、涼介さんとももう終わりにする。

アユミ

そっか。それがいいよ。

アユミ

これに懲りたらもう不倫なんてやめることね。

ユナ

わかってる。もう、二度としない。

アユミ

……じゃあ、明日の朝、迎えに行くね。

ユナ

ありがとう。じゃあね。

ユナ、電話を切る

ユナ

……よし

ユナ、涼介との密会写真や、着信履歴、ラインの履歴、全てを消していく

そこに着信 相手は涼介

ユナ

……もしもし

涼介

ザザー、ガー、てん、ザーー 

ユナ

え? なに? 雑音が。

涼介

ザザーガガーーー、ば、ザーー、つ

ユナ

……やめて

涼介

く、ザザーー、ジーー だれ

ユナ

!!

ユナ、電話を切って壁に投げつける

スマホの画面が割れて、ガラスが飛び散る

ユナ

てんばつ、くだれ……

ユナ

……涼介さんの声?

ユナ

なんなのよ!

頭をかかえてうずくまる

ピンポーン

ユナ

!!

ユナ

やめて

ピンポーン、ピンポーン

ユナ

来ないで

ユナ、寝室に逃げ込む

ベッドにはいり、頭から布団を被る

ドンドン!

ドアを叩く音が続く

ユナ

ごめんなさい、ごめんなさい

ユナ

もう、しませんから……

ユナ

許して……

ピンポーン

アユミ

おーい、ユナ、迎えに来たよ。

アユミ

おかしいな。

アユミ、ユナに電話する

アユミ

……でない。

ピンポーン

アユミ

……

アユミ

(なんか嫌な予感がする!)

数十分後

アユミは管理人と共にユナの部屋の前に来る

管理人

えーと、これね。

管理人、鍵を差してドアを開ける

管理人

藤沢さーん、入りますよー!

アユミ

ユナー、いるー?

管理人とアユミ、中に入っていく

玄関に絵馬が落ちている

アユミ

……

管理人

藤沢さーん

管理人

いないのかしら?

管理人

痛ててっ

アユミ

どうしました?!

管理人

ガラス、踏んじゃったみたい。

アユミ

大丈夫ですか?

管理人

ええ、なんともないわ。

アユミ

……このガラス、スマホ画面のガラスみたいですね。

床には画面が割れたスマホが転がっている

アユミ

寝室、見てみます。

アユミ、寝室に入る 膨らんでいる布団

アユミ

もぉ、寝てたの!?

アユミ

心配させないでよね。管理人さんまで呼んじゃったわよ。

アユミ

ほら、ユナ、起きて。

アユミ、ガバッと布団を開ける

ユナのマンションの前 救急車やパトカーが停まっている

ブルーシートがかけられたタンカーが運ばれていく

アユミ

(泣きながら)ユナ!ユナァー!

周りでは野次馬たちががやがやしている

女1

4階の人、部屋で亡くなってたらしいよ。

女2

え、やば。

女1

なんかここ住むの怖くなっちゃう。

女2

やだやだ。心霊現象とか大嫌いだし。

女1

なんで死んじゃったんだろうね……

アユミのマンション

アユミと涼介、裸でベッドに横になっている

涼介

まさか、本当に死ぬなんてな。

アユミ

それは私も想定外。

アユミ

まさか第一発見者になるなんて。

アユミ

人の死体なんて初めてみたから軽くトラウマ。

涼介

死因ってなんだったんだ?

アユミ

致死性不正脈?だったっけな。

アユミ

脈拍が早くなりすぎると心臓が痙攣して

アユミ

突然死を招くって聞いた。

涼介

……俺、あの日心配になって

涼介

ユナのマンションまで行ったんだ。

涼介

着く前に電話したんだけど、電波が悪いのか声が聞けなくてさ。

涼介

インターホン押しても全然反応なくて、諦めて帰ったんだよ。

涼介

あの時、無理にでもドア開けてたら、死なずに済んだのかな……

アユミ

そんなこと、今更どうしようもないじゃない。

アユミ

だいたい、離婚迫られて困ってたんでしょ?

涼介

それは、そうだけど。

アユミ

じゃあ良かったじゃない。トラブルメーカーがいなくなって。

涼介

さすがに死んで欲しいとまでは思ってなかったよ。

アユミ

私、ユナの脳内お花畑にはうんざりしてたんだよね。

アユミ

不倫なんかに夢見ちゃってさ。

涼介

もしかして、絵馬ってアユミが?

アユミ

いくら嫌いだからってそんな面倒なことしないわよ。

アユミ

ただ、ネットの掲示板に書かれてたの。

アユミ

ユナへの恨みの絵馬が大量に掛けられてること。

アユミ

だから、それくらい恨まれてるんだって思い知らせたくて、神社の存在を教えたの。

涼介

それだけ?

アユミ

うん、それだけ。

涼介

じゃあメール送ったり、絵馬をポストに入れたのは?

アユミ

知らない。私その時間仕事だよ?

アユミ

あの子、不倫ばっかでいろんな人に恨み買ってたと思うから、その中の誰かじゃない?

涼介

アユミは、大丈夫なのか?

アユミ

私は、不倫なんて涼介が初めてだし。

アユミ

不倫には体の関係以外、何も求めないから。

アユミ

お互い割り切った関係でいいの。

涼介

……そうか。

アユミ

涼介は大丈夫なの?

涼介

え?

アユミ

ほら、掲示板に写真とか晒されてたし

アユミ

奥さんにバレてない?

涼介

今のところ、大丈夫だと思う。

アユミ

そっか。

アユミ

私たちも気をつけないとね。

涼介

ああ。

アユミのスマホのバイブ音が鳴る

スマホを見るアユミ

アユミ

えっ……

縁切り神社

たくさん掛けられている絵馬

その中の一つ

不倫女 小林アユミが死にますように

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