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フォロー失礼しますm(_ _)m 続き楽しみです!!!!!
ピンポーンっ...
正直、ちょっと気まずいけど、 ルーティンだから、 いつも通り、来てみた。
アニキは、うつむき、 バッグを持ち帰る。
俺が言うと、 こっちを向く。
最高にかわいい。
やっぱ、まろの彼女最強だなぁ...!
ぁ...初兎くん。
わぁ...
彼の笑顔は、花が咲いたように美しく、 ”守りたい”、”美しい” そんな笑顔。
え...?
怖いっ...?
謎は、深まるばかり。 でも”聞くべきやない”。
彼は、笑うことなく、 席へと移った。
華奢なその容姿が、 可愛くて仕方なかった。
今日も、アニキが来てくれた。 嬉しいなっ!
アニキは、首を傾げて、 バッグ片手に、来た。
学校を、 飛び出した。
”さいころ”っと、書かれた看板の中。 見た目は、おしゃれで、古民家風のとこ。
居酒屋と、カフェの間くらいの店で、 気品のあるところだった。
交代制にしよっかな。
アニキのために、 金欠の本気を出す。
サッ...っと千円札を置いた。
先に食べ始めたアニキ。
彼に、 バッグをおろしている俺が、尋ねる。
一口、ほおばる。
空になった舟。
つまようじだけが、 意図せず転がる。
あっという間に、 平らげてもうた...
ガラガラッ...
初兎君。
ここにおるゆーたけど、 まさか...ね?
今日も...なんて...w し・か・も...!
エプロン姿、なんよなぁ。
顔を真っ赤にして、 バッグヤード的な所に、 走っていった。
そして、制服で戻ってきた。
うなずく。
冷たく返された。
え”...嫌われてんちゃう?俺。
初兎くんの目から、 一つ、二つと垂れる滴。
慌ててハンカチを渡すアニキ。
彼は、強くハンカチを握りしめ、 涙を拭い始めた。
もう一度、微笑んだ。 朝と同じ笑顔。
百合のように、美しく、 純粋無垢な様子。
でも、暗くて、閉ざされたようだった。
...。
アニキが、初兎くんと、 打ち解けてて、嫉妬してるんですがっ!!
んー...凄いむずむずしてる。
俺って、嫉妬深かったっけ?
嫉妬しすぎて、 泣きそうなんやけどっ!(?)
初兎君への敬語が外れる。
一気に緊張感が解ける。
俺の脳が、 警告音を鳴らす。
”ヤバい” 脳で分かってる。
どうしたらいいかわからない。
全身が、奮い立たされるほど、 むずむずする。
アニキが盗られる。 だからだよね。
マスコットを、バッグから外し、 アニキの手のひらに置いた。
胸がざわめいて、 脳で不穏な音楽が流れる。
理由は、謎。
『アニキが、とられるからでしょ?』 脳に聞いたって、返事なんて来ない。
ありったけの声で、
叫ぶ。
大好きで、 愛おしい人の名前を。
マスコットを、返して、こっちを向いた。
呼び捨て... 辛いよ。辛いよ。
俺の事は、呼んでくれない...
俺今、寂しいって思った?
苦しいなんて思った?
ううん、そんなわけ...ない。
俺は、アニキが好きやから。
アニキが、特別視されて、 悲しいだけだろ?
店外で、君の耳に、瞬いた。
ギュッ...
愛してる...?
言えなかった。
ピンポーンッ...
手を絡める。
振りほどかれた。
俺も、乗り気になれなかった。
突然の報告に、 足を止めた。
再度、歩き出す。
沈んだ2人の間には、 沈黙だけが通っていく。
いつもなら、にぎやかなのに。
手を振って、別れる。
当たり前なのに、 敬語に苦しむ。
初兎君の笑顔に、 可愛いと思う自分がいた。
アニキが、呼んだ。
俺以外の名前を。
苦しむ。何故?
アニキが盗られちゃうから?
...そうじゃない。
ちがうよ、ちがう。
アニキが、ズルいの。
呼び捨てで、 敬語じゃなくて。
嫉妬。
アニキへやのうて、初兎くんへの。
白く、美しくて、 潔白な初兎君が...
好き。
...押すこと。
俺にできる唯一のアプローチ。
アニキが、先生の手伝いしてる。
今のうち。今のうち。
なんでよーーーーーー!!!
...んっ!?
敬語、取れてね?
えええええええええええ!!!!!
嘘でしょぉぉ!! あだ名...?神かよっ!
あれ、行っちゃった。
帰り道だって、一人だ。
...”さいころ”寄ってこ。
今日も、千円札を。
俺らが、避け続けた質問。
”幼馴染”、”大親友”
なんとだって、ごまかせる。
周りには、これで通じた。
でもっ...
”好きな人”には、 わかっててほしい。
俺は...
ごまかした。
批判されたくなくて、 嫌われたくなくて、
世間から、消されたくなくて。
自衛した。
たこ焼き、最後の一つ、頬張った。
特別な味が、 口いっぱいに広がった。
舟に、もう一つ、おかれた。
嬉しいなぁ...
それから、数日後。
アニキは、何故、 初兎に優しいのか。
俺は、疑問解消のため、聞いた。
『初兎のこと、特別な存在だと思ってる』
アニキは、そういった。
悲しかった。
でも、しょうがないんだよ。
勝ち取ればいいだけの話だよね。
まぁ、きっと大丈夫。
僕らってね、所詮 『カップルごっこ』
周りから、それっぽく見えればいいの。
悠佑といふ。
傍から見たら、 変な奴ら。
”友達”以上に、ずっといて。
”カップル”なんて、わかりやしないだろ。
『仲の良すぎる二人組』 そう思ってるはず。
一人を除いて。
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