大翔
猫と牛とネズミの話?あれ、なんだか違う話になった気がしますけど……まあいいですわ、とにかくそんな感じのお花さんたちを見て思いましたの。お花の美しさというのは、やはり自然の中でこそ輝くものですわよね。だからもし仮に、私が誰かの手でどこかの野原へ連れて行かれたとしたら、きっとこんな風に綺麗なお花は咲かないでしょうし、そもそも雑草扱いされて見向きもされないと思いますの。だって私、温室育ちですもの。
それにしても、どうして私はあんなところで眠っていたのかしら。確か、いつも通りベッドに入って寝ようとしたはずだけれど、いつの間にか意識を失ってしまったみたい。目が覚めた時にはもう外にいたんだから不思議ですわ。そういえば私のお友達たちも見当たらないようだけど――あら、何の音かしら。何か大きなものが動いているような音が聞こえますわ。それもかなり近いところから。これは……まさか、人!?
「ひゃあああっ!!」