いのち

不倫相手と縁を切って数ヶ月後

衝撃的な出来事が訪れた

めんどくさい事になった

何度か妻以外の女と関係を持ったことがあるが、自殺されたのは初めてだ。

他の奴らは金でなんとかなった

俺が気になったのは…

ユキエに対する気持ちは全くないがお腹の子は別だ

それから、元同僚という名目で彼女の実家に線香をあげに行くことになった

もし、俺のせいで彼女が死んだと思われていたら大変だ

安堵した

どうゆうことだ…？

愛想笑いがひどく引きつっているのがわかった

それから家に帰って考えた

しかし、前会ったとき確実にお腹は大きくなっていた

その日の夜のことだった

ﾌﾟﾙﾙﾙ…

夜3時にスマホが鳴った

画面を見ると

ユキエ からだった

電源を落としても着信は止まなかった

震える手で電話に出た

『ﾜﾀｼ ﾜﾀｼ ｱﾅﾀﾆｱｲｻﾚﾙﾋﾄ』

気味の悪い声だった。カタコトで抑揚もない。

気がつくと電話はもう切れていた

次の日の朝

ユキエの墓に行くこと決めた

謝って解決することではない

心の底では分かっていた…

ユキエの母から聞いた墓地は薄暗かった

思わずつぶやいてしまっていた

1番奥にユキエの墓があった

頭を下げた

ユキエの墓はただ呆然とたっているだけだった

帰ろとしたときだった

ｶﾞｯ!

地面から出てきた手に足をつかまれた

『待ってよぉぉぉぉぉ 待ってよぉぉぉぉぉ』

『申し訳ないと思うなら、ここで一緒にやり直そぉぉぉ』

ユキエのグチャグチャになった顔を何度も蹴った

『ﾀﾞﾒﾀﾞﾖ ﾏﾏｦｹｯﾁｬ』

電話の声と一緒だった

その赤ん坊の力はユキエ以上に強く俺の足を引っ張った

そう言ったとき、一瞬力が弱まった

ｶﾞﾝｯ

鈍器で頭を殴られた

ｶﾞﾂｯ ｶﾞﾝｯ ｶﾞﾝｯ

何度も殴られてもう体は動かなくなっていた

最後に聞こえた言葉だった

ｽﾞﾙ…ｽﾞﾙｽﾞﾙ…

体が引き摺られていくのが分かる

『ﾔｯﾀｰ ｵﾄｳｻﾝﾀﾞ』

『そうね、これでみんな一緒ね』