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クリアトーレ

……というようなことがありまして。

クリアトーレ

その焼き菓子に冬凪研究所が製作した薬などが入っていれば、なにかの手がかりになると思いまして。

クリアトーレ

今、その焼き菓子を持ってきているのです。

スイ

焼き菓子……。

スイ

どんなものなんですか?

クリアトーレ

はい。これです。

クリアトーレは焼き菓子の入っている袋を手のひらに乗せた。 そして、それを2人に向かって見せる。

マドカ

見てくれは普通のお菓子ですね……。

スイ

うーん……。

スイ

でも、これを食べた先生の様子がおかしかったんですよね?

スイ

何かが入っているのは確定として……
一体何が入っているんでしょう?

クリアトーレ

そうですね……。

クリアトーレ

私の予想では、やはり何らかの薬が入っている、ですかね。

クリアトーレ

冬凪研究所の研究員が、普通の焼き菓子をただ人に配るためだけに作るとは思えません。

スイ

そうですよね……。

スイ

……あの、先生。

スイ

このお菓子に何が入っているのかを調査するために、これを貰ってもいいですか?

クリアトーレ

もちろんです。どうぞ。

スイ

ありがとうございます。

生徒

あ、クリアトーレ先生!

クリアトーレ

はい。どうされましたか?

生徒

授業で分からないところがあって、ここについて聞きたいんですけど……

生徒

今、お時間大丈夫でしょうか?

クリアトーレ

えぇ。分かりました。

スイ

……とりあえず、これをイザヤさんのところに出してみよう。

スイ

何か分かるかもしれないし。

マドカ

でも、おかしいですよね。

マドカ

白衣を着た研究員がお菓子を配っているなら、第一に何が入っているか疑いません?

マドカ

それを受け取って、捨てずに食べるとは……。

マドカ

先生の危機感が全くないだけですかね?

スイ

うーん……。

スイ

今は何も分からないし、なんとも言えないかな……。

マドカ

……まぁ、それもそうですよね。

マドカ

そういえば先輩、この後は診療所に向かうんですよね?

スイ

そうだけど……どうしたの?

マドカ

あたし、友達と勉強してから帰るので今日は行けないです。

スイ

うん、分かった。

霽月

……あ、スイ。

霽月

おかえり、何か収穫あった?

スイ

はい。

スイ

こんなものを貰いました。

スイは霽月に焼き菓子の袋を見せた。 霽月は、どういうことか分からないとでも言いたげに首を傾げた。

霽月

?????

霽月

……焼き菓子?

霽月

スイ、焼き菓子貰ってきたの?

スイ

あ、えっと……

スイ

これが収穫です。

スイ

私達の協力者でもある先生が、別の先生からこんなものを渡されたと言って見せてくださって。

スイ

それを渡してきたのが、“白衣姿の商人”だそうで。

霽月

うわ、いかにも怪しいやつじゃん……。

スイ

ちなみに、これを作ったのはウィンタースカイという所なんだそうです。

霽月

隠す気があるのかないのか……。

イザヤ

それを作ったのはほぼ冬凪研究所で確定だな。

イザヤ

本当に、ウィンタースカイという所の白衣を着ただけの商人が配っていただけの可能性もあるが。

霽月

それはいくらなんでも怪しすぎでしょ……。

白衣姿の商人なんて相当なことがなければまず居ないだろう。 あまりにも怪しすぎる。薬入りの焼き菓子を押し付けるのなら、せめてもう少しマシな格好はなかったのか。

霽月は、スイが取り出した焼き菓子の袋を見つめながら、 そんなことを考えていた。

……と、ちょうどその時。

???

だっ……誰かぁっ!

???

助けて、友達が……!

霽月

え?

霽月

なに? どうしたの?誰?

イザヤ

……待て。俺が見てくる。

スイ

友達が……どうしたのでしょうか。
心配ですね……。

霽月

んね。

ソファの上に横たわる1人の少女。 制服から見るに、アルコイリス校の生徒なのだろう。

その少女がぐったりとした様子で横たわっている。 そんな少女のすぐそばでは、もう1人の少女が不安そうに横たわっている少女を見ていた。

イザヤ

……応急処置は済ませた。

イザヤ

問題がなければ、すぐに目を覚ますはずだ。

???

よ、よかったぁ……。

???

シーナちゃん……。

霽月

というかあんた誰?

霽月

……あ、あたしは霽月。
この診療所の手伝いだよ。

海隙 シウナ

あ、そっか……。私は海隙 シウナ!

海隙 シウナ

私の友達……シーナちゃんを助けてくれてありがとう!

霽月

イザヤの医師としての腕は超一流だからね。

霽月

もし怪我をしたらイザヤのところに行けば大体治るよ。

海隙 シウナ

うんうん。イザヤさんってこの辺りだと凄く有名な人だよね。

海隙 シウナ

私も、名前だけなら知ってたし。

イザヤ

……まさか、俺のことをヤブ医者と呼んでた奴の口からそんな言葉が出るとは思わなかったな。

霽月

はいはい、あたしもあんたの腕を信用したってことだよ。

美桜 シーナ

ん……

美桜 シーナ

ん……?

横たわっている少女、美桜 シーナを連れてきた彼女の親友の海隙 シウナと話していると、シーナがふっと目を覚ました。

シーナは、数度瞬きをすると辺りを見回す。 そこが診療所であるということに気付くまでに、そこまで時間は要さなかったらしい。

その瞬間、彼女は勢いよく起き上がった。

美桜 シーナ

うわぁっ!!!!!!!

海隙 シウナ

え、シ、シーナちゃん!?

海隙 シウナ

ちょっと待って、急に起き上がるとまた具合悪くなっちゃうよ……!

美桜 シーナ

ゔっ……でも大丈夫……。

美桜 シーナ

……ところで、ここはどこ?
集落の診療所なの?

海隙 シウナ

うん!

海隙 シウナ

イザヤさんっていう腕が立つお医者さんの居る診療所だよ。

海隙 シウナ

シーナちゃんが突然倒れちゃったから、近くにあるここに運び込んだんだ。

美桜 シーナ

そっか……ありがとう。

スイ

美桜 シーナ……シーナ……?

スイ

……!

スイ

シーナちゃん!

美桜 シーナ

え、あ、はい……。

美桜 シーナ

あなたは……スイ先輩ですよね?

霽月

確かにどっちもアルコイリス校みたいだけど、2人とも知り合いだったの?

スイ

はい。

スイ

あまり中等部のことは詳しくないですが、シーナちゃんのことは少しなら知っています。

美桜 シーナ

私も、先輩のことはちょっと知ってる……。

美桜 シーナ

……特にマドカ先輩関連で。

霽月

(あーね)

霽月

で、どうしてあんたは急に倒れたの?

美桜 シーナ

えっと……

美桜 シーナ

自習が終わったから帰ろうと思って、そしたら急に具合が悪くなって……。

美桜 シーナ

シウナちゃんと校外で合流して歩いてたら突然倒れちゃったんだ……。

霽月

なるほどね〜。

イザヤ

校内で具合が悪くなったのはどの辺りだ?

美桜 シーナ

えっと……あ。

美桜 シーナ

確か、化学実験棟の近くを通ったはず。

美桜 シーナ

もしかしたら、化学実験棟の中に誰か居たのかな……?

霽月

化学実験棟……。

海隙 シウナ

それじゃあ戻って確かめてみない?

海隙 シウナ

誰が気分悪くなるようなものが発生する物質使いながら実験してたのか気になるし!

美桜 シーナ

え、でも……ま、まだ居るのかな?

海隙 シウナ

……あ、でも私アルコイリス校の中入れないや!

美桜 シーナ

じゃ、じゃあ私1人で行くよ……。

霽月

……それならスイも着いて行ったらいいじゃん。

霽月

1人で心細いよりかは2人の方がいいんじゃない?

スイ

わ、私……ですか?

美桜 シーナ

た、確かに、先輩が着いてきてくれるなら安心だけど……。

美桜 シーナ

先輩、本当にいいんですか?

スイ

うん、特に予定もないし行けるよ。

霽月

それじゃあ決定だね。
2人とも行ってらっしゃーい。

海隙 シウナ

発案者の私が行けないのは残念だけど……

海隙 シウナ

シーナちゃん、行ってらっしゃい!

美桜 シーナ

う、うん……。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

化学実験棟って絶対危ないやつじゃないですか…😇 ウィンタースカイ=冬凪研究所だとすると結構ヤバいですよね。食べたのすごいな… 次回も楽しみにしています🙌

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