絵心甚八
はー……
アホらしい
絵心甚八
んだこれは
絵心甚八
ただのお遊び手紙じゃねぇか
絵心甚八
(にしても、……)
糸師凛と糸師冴の名前の部分
何度も書き直してる、
絵心甚八
書きたいなら書けばいいだろ
絵心甚八
お前の呼び方で
絵心甚八
やっぱりあいつは馬鹿だな
絵心甚八
……分かってるだろうがエゴイストからは逃げられない
絵心甚八
まー、一応情報回しとくか
〇〇
んー!!
〇〇
脱獄成功ー!!
〇〇
アンリちゃんに悪いことしちゃったなー!
〇〇
ま、アンリちゃんなら許してくれるはず!
〇〇
えーっと、?
〇〇
……連絡とってたら時間なくなったわ
〇〇
やべっ……!!
どこだ
あいつは
俺の、憧れは!!
潔世一
(何処に……?!)
潔世一
…………!
間違えるはずがない
それは俺がずっと前から憧れて
やっと知り合えた人の背中だから
ずっと好きだった人の後ろ姿だから
潔世一
___〇〇っ!!
〇〇
えっ……?
潔世一
はっ、はぁ……
潔世一
やっ、と、
潔世一
見つけた……、!
〇〇
潔……?
潔世一
はぁー………!!
潔世一
……ちょ、ごめん、たんま
潔世一
息切れ、ヤバい……
〇〇
……ったくもー
〇〇
ほら、落ち着いて
〇〇
水でも飲む?
潔世一
っ、さんきゅ
潔世一
落ち着いたわ、ありがとな
〇〇
どういたしまして
〇〇
てかさー
〇〇
なんでよりにもよって見つけるが潔なのー?
〇〇
凛とかが良かった!
潔世一
じゃあ最初っから居なくなるなよ!
〇〇
ま、なんてウソウソ
〇〇
実は見つかるなんて思ってなかったんだけどね笑
潔世一
…………
〇〇
あ、そういえばなんで私って分かったの?
〇〇
似た人も居るよね?
潔世一
……分からないわけないだろ、
〇〇
ん?
潔世一
その髪飾り、ネックレス、イヤリング、ポケットにしまったしおり
潔世一
全部お前が宝物だって言ってたやつだろ?
〇〇
……潔って英語とか出来ないのに無駄に記憶力いいよね
潔世一
おい
〇〇
確かに言ったなーそんなこと
潔世一
言った本人が忘れてどうすんだよ
〇〇
てへっ!
潔世一
お前なぁ……!!
〇〇
もーいいじゃん!
〇〇
これね確かに宝物だよ
〇〇
私の持ち物の中で一番に
潔世一
……知ってるっつーの
〇〇
そりゃそうか笑
▷▶︎▷next♡1000+💬3
【数日前】
〇〇
ねぇー潔さー
〇〇
暇じゃない?
潔世一
まぁ、分からなくもないけど
〇〇
あ、そうだ
〇〇
暇だから潔にだけ特別に私の宝物見せてあげる
潔世一
宝物?
〇〇
そーそー
〇〇
ほら!
そこに入っていたのは
薔薇の花びらをかたどったイヤリング
黒いリボンの髪飾り
しおりになってるシロツメクサの指輪
そして
恐らく3人1組であろう
金色のサッカーボールのネックレス
潔世一
……なにこれ?
〇〇
だから私の宝物なんだって!
潔世一
どういう経緯?
〇〇
ふっふっふっ……
〇〇
それを聞いたが最後!
〇〇
私の長ーい長ーい話に付き合ってもらうからな!!
潔世一
げ……
〇〇
げとはなんだげとは!
〇〇
一緒に居れるんだから有難く思ってよ!
潔世一
へーへー
潔世一
〇〇さま?
〇〇
それで良し!
今思えばこの時、〇〇は意図的に俺に宝物について教えてのかもしれない
可能性の話だけどな