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春の校庭に、桜の花びらが舞っていた。 呪術高専に入学した新入生は、4人だけ。
白髪の長身に黒いサングラス——五条悟。
隣には夏油傑と家入硝子が、並んだ。
サラリと腰まで伸びた紫色の髪とリボン 大きな紫色の瞳ー 星乃 絵梨。
自己紹介の番になり、星乃は、小さめな声で 挨拶をした。
星乃 絵梨
星乃 絵梨
星乃 絵梨
星乃 絵梨
五条は、その言葉に眉を上げた。
五条悟
五条悟
星乃 絵梨
五条の問いに、彼女は迷いも恐れも見せず 五条の目を真っ直ぐに見て言った。
その瞳に映った芯の強さが、不思議と五条の記憶に残った。
初任務の日。 廃病院に現れた特級呪霊を前に、怯えず 一般人を助けた。
星乃 絵梨
五条悟
反対側で戦闘を終えた五条が声をかけると、星乃は息を整えながら微笑んだ。
星乃 絵梨
星乃 絵梨
素直な笑顔に、五条の胸が小さく鳴った。
五条悟
五条悟
星乃 絵梨
星乃 絵梨
五条悟
星乃 絵梨
星乃 絵梨
星乃 絵梨
高専から支給のスマホを確認して五条と一緒に、山を降りて、お迎えの車まで歩く。 そして、五条と一緒にお迎えの車で高専まで 戻った。
日々の中で星乃は、夏油と話すことが 多くなった。そんな様子を、廊下の向こうから五条が、何度も目撃する。
(……なるほど。星乃は、傑が好きなんだな)
胸に小さな棘のような痛みが走るが、同期の恋路に口を出すつもりはない。そう決めて、五条は距離を置いた。
星乃 絵梨
五条悟
星乃 絵梨
星乃 絵梨
五条悟
五条悟
星乃は、だんだんと五条と打ち解けて来た。悟呼びにも慣れた。 だけど、星乃が、夏油と仲良くするたびに 五条が、目を合わせなくなった。 話しかけても、短く返すだけ。 理由が分からず胸の奥がひんやりしていく。
星乃 絵梨
星乃 絵梨
家入硝子
硝子は、笑いながらも、頭を撫でてくれた。その温もりに甘えながらも、星乃の胸には ぽっかりと穴が空いていた
時は流れ、私達は、3年生になった。 後輩が、2人出来て、嬉しかった。 背の高い金髪の少年——七海建人。 明るい笑顔の少年——灰原雄。
だけど、季節は…残酷に過ぎて行った。 1年生の灰原が、任務で亡くなり 同期の夏油傑が、高専を去った。
何もかもが急に冷たくなった気がした。五条は笑っていたけれど、その笑顔の奥に影が差しているのが分かった。
やがて卒業の時が訪れる。
星乃 絵梨
家入硝子
家入硝子
星乃 絵梨
星乃 絵梨
星乃 絵梨
五条悟
家入硝子
星乃 絵梨
五条は、私の言葉に何も言わずに手を振った そして、硝子と一緒に歩いて行った。
星乃は、実家に戻り、花嫁修業という名の 監獄に入れられる。 親が、決めた相手との結婚のため、 血筋を繋ぐ為だった。
呪術の訓練や礼法を繰り返しながら、ふと脳裏に浮かぶのは、春の桜の下で見上げた五条の笑顔。
五条は、あんなことがあっても、きっと前を向いている。だから私も、実家に閉じこもっている場合じゃない。
20歳になった年、星乃は決意する。 家を出て、呪術師として高専に戻る。 あの日の憧れに、もう一度会うために。