セーブハウスへ戻ると、中から温かい匂いがした。
きっと中原が夕飯を作って待っていてくれたのだろう。
その横で太宰が不機嫌そうな顔で敦の手を握る。
中原中也
中原中也
中原中也
玄関へと走ってきた中原の顔からは、スッと笑みが消え、
その目に映るのは敦の横にいる不機嫌な太宰だった。
太宰治
太宰治
太宰治
中原中也
太宰治
中原中也
中原中也
中原中也
太宰治
敦の心は完全に無であった。
仲が良いのか悪いのかわからない会話をなぜ自分が聞かなくてはならないのだと面倒になっていた。
中島敦
中島敦
中原中也
これ以上の言い争いは無駄だと気付いたのか、二人は不機嫌そうに食卓へついた。
敦の席にあったのは、美味しそうなシチューだった。
そこから立ち込めた白い湯気に、色鮮やかなにんじんなどの野菜の色、再度、彼が料理上手であることを知る。
太宰治
突如、太宰は太宰の分をよそう中原に向かって云った。
中原はふざけるなと云った後、驚くほどの量のにんじんを入れ、
中原中也
とかなりお怒りの様子だった。
中島敦
中島敦
中島敦
と、まあマフィアらしくないことを云い、
思いっきり中原が作ってくれたシチューを頬張る。
温かい中原のご飯を食べれるのも、あと残り少ないのか、
なんて思ったが、また踏ん切りがつかなくなるから考えるのをやめる。
太宰もしぶしぶシチューを食べ始め、男三人で食卓を囲む。
黙々と、ただ時間だけが流れていった。
夕飯を食べ終えた後は、ゆっくりと時間を潰す。
めったにゆっくりすることはできないから、こう云うゆっくりできる日はとことん疲れを癒しておきたい。
と云うことで、敦は湯加減のちょうど良い湯船にどぽんと浸かった。
じわりじわりと疲れが下へ下へと降っていって、頭は天にも昇る心地だった。
このままぼうっと過ごしていたら、ふと死んでしまいそう……
そんな莫迦けたことを平然と思ってしまうのは、きっと疲れが頭を巣食っているせいだろう。
中島敦
そんなことを思っていたら、本当に意識が途切れてしまった。
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