卓也
波ー!波ー!!
どれだけ叫んでも返事はない。
卓也
いたら返事しろ!波!
卓也
何でいきなり走り出したんだよ...!
あのバカ...
あのバカ...
卓也
いまどこで何してるんだよ...
波
私っ、もう耐えられない!
波
あのまま二人で仲良くしてれば良いよ...!!
ズルッ
波
っ!?
ドサッ
波
ぐっ...!!
濡れた地面に私の体は打ち付けられる。
どうやら滑って落ちてしまったらしい...
波
ここ...どこ...?
波
とりあえず周りを歩いてみよう...イタッ
波
足...挫いちゃった...
波
湿布とかなんて持ってないし...
波
どうやって帰れば良いの...?
卓也君も助けに来てくれる筈ないし...
波
私...ずっとこのままなのかな...
私の我儘で飛び出して、こんなことになった...
波
自業自得だよね...
波
寒い...
波
お願い...誰か助けて...
卓也
波!!
卓也
波!
優しい叫び声が私の耳に響く。
大好きなあの人が私の名前を呼んでいる。
だけどその時私は幻聴かと思っていた。
というか私はもう寒さで死にそうだった。
あの人の声はもはや誰のものか分からなくなり、
私は眠りに落ちた。
波
...ん?
卓也
波っ...起きたか...
波
卓也君...何で...
卓也
...お前がいきなり飛び出すからだよ。
卓也
...アイツには先に帰っててもらった。
アイツって...夕陽ちゃんのことかな...
波
ごめんね...心配かけちゃって...
卓也
...
夕陽(ゆうひ)
たっくーやくーん!!
夕陽(ゆうひ)
先生心配してたよっ
夕陽(ゆうひ)
早く帰ろ?
波
...ちょっと待って!
夕陽(ゆうひ)
...
夕陽(ゆうひ)
波ちゃんさ、
卓也君がどれだけ心配したと思ってるの?
卓也君がどれだけ心配したと思ってるの?
夕陽(ゆうひ)
波ちゃんのせいで私達、先生に怒られるんだよ?
夕陽(ゆうひ)
しかも卓也君は怪我までして助けに行ってあげたのに
夕陽(ゆうひ)
これだけ振り回しておいて、まだ我儘言うつもり?
波
...卓也君...怪我してるの...?
卓也
...別に
こんな怪我どうってことないし
こんな怪我どうってことないし
卓也君の右足が赤く染まっている。
波
大丈夫じゃないよ!
早く帰って手当てしてもらおう。
早く帰って手当てしてもらおう。
夕陽(ゆうひ)
貴女のせいで怪我してんのに今更良い子ぶるの?
夕陽(ゆうひ)
何がなんでも、我儘。
卓也
...おい...そこらへんにしておけよ...
波
そうだよね...
波
私の我儘で...ごめんね
波
真子たちに連絡してみる...
波
真子!海空!
波
返事して!
真子(まこ)
波!どうしたの!?
海空(みく)
みんな心配してるよ!
波
色々あって...とにかく助けに来て!
真子(まこ)
うん。わかった!
海空(みく)
じゃあ先生に波から連絡来たって言っておくね。
波
ありがとう!
真子(まこ)
今、先生たちが探してるんだよ。
波
迷惑かけてゴメン🙇💦
波
先生が探してるんだって
私たちのこと
私たちのこと
卓也
...良かった...
夕陽(ゆうひ)
...
先生
おーい!!
先生
みんな心配してるぞ!何してるんだ!
卓也
先生!
先生
後で事情を聞かせてもらう!
とりあえずこの縄登れ!
とりあえずこの縄登れ!
波
卓也君...大丈夫?
波
ごめんね...私のせいで...
卓也
今痛いなんて言ってたら帰れないだろ。
波
うん...そうだね
夕陽(ゆうひ)
ねえグダグダ言ってないで早く登ろうよ
卓也
ああ...波、登れるか
夕陽(ゆうひ)
私ぃ、怖くて登れないっ
波
...こんなときにそんなこと言っちゃ...
夕陽(ゆうひ)
...波ちゃん、後で良い?
波
うん...良いよ
卓也
早く登れ
波
登れた!
夕陽(ゆうひ)
夕陽も死ぬかと思ったー!
卓也
...波に感謝しなきゃな
先生
何であんなとこ行ってたんだ!
先生に私達はガミガミ怒られる。
卓也
すんません
夕陽(ゆうひ)
ゴメンなさぁーい
波
すみませんでした...
夕陽(ゆうひ)
...私達だけホテルで休むことが許されて良かった...
夕陽(ゆうひ)
波ちゃんさ、やめた方が良いよ
波
...何を?
夕陽(ゆうひ)
もう二人と関わるのはやめなよ
結局波ちゃんなんてどうでも良いんだよ
真子ちゃんと海空ちゃんにとって
結局波ちゃんなんてどうでも良いんだよ
真子ちゃんと海空ちゃんにとって
波
...何言ってるの...
夕陽(ゆうひ)
これ以上近づいたら...どうなると思う?