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高野 いろは

嘘でしょ…

高野 いろは

(さすがに自分の目で見ちゃったら、なかったことにはできないよ)

高野 いろは

(桔平も仁香ちゃんママも、全然気づいてなかったみたいだけど)

あんなに近くに私がいたのに、気配すら感じなかったの?

それだけ、ふたりの世界に入り込んでたってことだよね

むなしく閉まったドアは、あのふたりとの間に境界線を引いたようだった

午後11時半過ぎ

高野 いろは

(まだ帰ってこない…)

高野 いろは

(考えたくもないけど、今頃ふたりは…)

高野 いろは

…っ

怒りにも似た寂しさで、胸が押しつぶされそうで

肩で息をするのがやっとだった

高野 いろは

(莉緒が寝ている時間で良かったかも)

高野 いろは

(こんな感情ぐちゃぐちゃな顔なんて見せられない!)

そして、午前0時を過ぎた頃…

高野 桔平

ただいま~

高野 いろは

…………

高野 桔平

遅くなってごめんな。仕事が長引いちゃってさ~

高野 いろは

…………

高野 いろは

(仕事ね…)

仁香ちゃんママとどんな仕事をしてたんだか!

高野 いろは

(なんて思っても、本当のことなんて聞けるわけない)

高野 いろは

(聞いたところで、『浮気してました』なんて言うわけないんだから)

夫は私に近づき、顔を覗き込んできた

高野 桔平

…どうした?さっきから様子がおかしいぞ?

高野 いろは

別に

あなたの顔を直視できないだけ、なんて言えやしない

高野 桔平

…?

高野 桔平

(何か機嫌悪いな…いろはの奴)

高野 桔平

いろは、遅かったのは謝る。悪かった…

高野 桔平

電話一本くらい入れるべきだったよな…ごめん

高野 いろは

(そうじゃない!)

前の家に住んでた時だって、遅かったことはあった

だから、本当に仕事で遅かったなら、私も何も言わない

だけど、今回は見てしまったから

高野 いろは

(あんな場面、見なきゃよかったよ…)

高野 いろは

(見ていなかったら、疑いもなく今だって普通に話せてたかもしれない)

でも、そんなことはもう後の祭りだ──

高野 いろは

…ご飯食べるの?

高野 桔平

えっ、あ、うん…

高野 いろは

テーブルに準備してあるから温めて食べてくれる?

高野 いろは

私もう眠くて…

高野 いろは

(全然眠くないけど。むしろ目も冴えちゃってるけど)

高野 桔平

うん、分かった。ありがとう…

夫はそそくさとキッチンのほうへと消えていった

高野 いろは

(まだ小さい莉緒のこともあるから、一緒にここへ来たけど…)

高野 いろは

(それがそもそも間違いだった)

信じられるものなら信じたい

でも、今の私には夫の顔を見ることさえ嫌になっていた

高野 いろは

まだ莉緒がいるから、何とか頑張れるんだよ…

隣で気持ちよさそうに寝息をたてている莉緒を起こさないように抱きしめた

翌日の朝

莉緒を保育園に送っていくと、ちょうど仁香ちゃん親子と出くわした

片岡 陽菜乃

おはようございます~莉緒ちゃんママ!

高野 いろは

…!

高野 いろは

お、おはようございます…仁香ちゃんママ

高野 莉緒

にかちゃん、いこ~♪

片岡 仁香

うん!

何も知らない莉緒と仁香ちゃんは、 楽しそうに手をつないで、園舎のほうへと走って行った

高野 いろは

(仁香ちゃんママは普通…か)

高野 いろは

(昨日は、こっちに気づいてなかったみたいだし)

片岡 陽菜乃

莉緒ちゃんママ?なんだか顔色が悪くないですか~?

高野 いろは

いえ、そんなことないと思いますけど…

ぶっちゃけ、寝不足だ

いつも莉緒を挟んで3人で川の字になってベッドで寝ている

だけど…昨日ほど、それが苦痛だったことはない

高野 いろは

(ほんと莉緒がいてくれてまだ良かった…)

高野 いろは

高野 いろは

(桔平は昨日、仁香ちゃんママと…)

高野 いろは

(もしかして昨日だけじゃないとか!?)

片岡 陽菜乃

…?

片岡 陽菜乃

(まさか昨日のこと、桔平さん…莉緒ちゃんママに話してないよね?)

片岡 陽菜乃

(彼にそんな勇気ないか)

片岡 陽菜乃

くすっ…

高野 いろは

…!

高野 いろは

(今のなに!?私をちらっと見て笑った…?)

ダメだ…

このままここにいたら、仁香ちゃんママにひどいことを言ってしまいそう

高野 いろは

(ここはグッと我慢して帰ろう)

高野 いろは

用事があるので、お先に失礼しますね

片岡 陽菜乃

は~い、またお話しましょうね!

私は会釈だけして、その場を後にした

仁香ちゃんママと離れ、なんとか少し気持ちが落ち着いてきた

高野 いろは

はぁ…

高野 いろは

(朝も落ち着かないってのも厳しいなぁ…)

良くも悪くも、他のママ友とは今日は出くわさなかった

そして、マンションのエントランスに入ると…

住人B

今度はあの人たちができちゃったって~

住人C

私もそれ見ちゃった~!

まだ顔を合わせたことがない住人さんたちが、噂話をしていた

高野 いろは

(何の話?もしかして、そういうことがここでは頻繁に起きてるの?)

高野 いろは

(ここはもう話しかけられないように、見ないフリして…と)

聞こえていないフリをしてその人たちの隣を通り過ぎた

高野 いろは

良かった…!話しかけられずに済んだ…

高野 いろは

(それにしても、誰と誰ができちゃったとか…そういう話)

高野 いろは

(ここでは他人様に色々バレちゃうのかな)

高野 いろは

(さすがに桔平と仁香ちゃんママとのことは…まだ知られてないよね?)

もしかして、ここにいると色んな事が筒抜け状態なのだろうか?

そんなことが頭をよぎった

高野 いろは

(やめよう…。こんなことばかり考えててもメンタル的にやられるだけだ)

高野 いろは

(今日も仕事で納品しなきゃいけない記事があったんだよね)

とりあえず、夫も莉緒もいない昼間は仕事に集中しよう

そう思いながらパソコンを開いたのだった

ある日の夜

高野 桔平

莉緒~お風呂入るか!?

高野 莉緒

はいる~♪きょうはひよこさんうかべるんだ~♪

高野 桔平

おっ、いいなぁ!

高野 いろは

莉緒~、のぼせないようにしなさいよ~

高野 莉緒

は~い♪

高野 桔平

いろは、俺がちゃんと見てるから大丈夫だよ

高野 いろは

…………

高野 桔平

(今日も機嫌悪いのか…)

夫は遅く帰ってくる日と、通常の時間に帰ってくる日をうまく使い分けていた

高野 いろは

(遅い日は本当に仕事で遅いのか、仁香ちゃんママと会ってるのか分からない)

色々考えが脳内をぐるぐる巡って、爆発しそうになるけれど

でも莉緒がいてくれるおかげで、何とか抑えることができている

高野 いろは

(桔平には変に思われてるだろうけど)

高野 いろは

(莉緒が目の前にいるときは、ちゃんと話すようにはしてるし)

高野 いろは

(大丈夫…なはず)

莉緒と夫がお風呂へ行くと、 私はテーブルに置かれていた夫のスマホに手を伸ばしていた

高野 いろは

(ダメダメ…さすがにスマホを勝手に見るのは良くない!)

そう思い直し、テーブルに置く

高野 いろは

(でも…少しだけ…)

夫のスマホを再び手に取り、ホーム画面を表示させた

すると、見慣れないアイコンが目に飛び込んできた

高野 いろは

なにこれ…

タップすると、見たことのない掲示板のようなログイン画面が表示された

高野 いろは

(どういうこと?)

そこには、『~甘い蜜~』とタイトルが大きく表示された掲示板があった

高野 いろは

(甘い蜜??あっ、ログインするフォームの下に注意事項が書いてある…)

【注意事項】

●この掲示板は、当マンション(○×マンション)の住人のみがログインできます

●住人以外にパスワードやログインIDを教えないでください

●ハマりすぎないようご注意ください

●家庭が壊れても責任は負いません

私は再度、ホーム画面に戻る

すると、メモと書かれたアイコンがあった

高野 いろは

(わざわざメモってタイトルつけるなんて怪しすぎるでしょ…)

少しは申し訳ない気持ちもあったけど、構わずタップした

そこには、今見ようとしてた掲示板のログインIDやパスワードらしきものが書かれていた

高野 いろは

(何これ!?なんで、桔平がパスワードとか持ってるの!?)

他の住人が話していたことが頭をよぎる

高野 いろは

(もしかして、この間住人の人たちが話してたのって…このこと!?)

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タイトルと注意事項から臭うアダルト臭。

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