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「奮い立つ、狼」
キュウ
母は、この森とともに死んだ
その顔は幸せそうだった
しかしその裏に切ない悲しいような、胸にグッときた
キュウ
私はさっきの、戦争を思い出す
ハァハァ…
キュウ
キュウ
ムロ
キュウ
ムロ
ムロ
そう言われ、首根を無理やり掴まれた
そして森の奥に行く途中
“パァン”
と、乾いた銃声が響く
キュウ
ムロ
母の急所に当たったはずだ
しかし、母は止まらず私を連れ、走った
私は見た、弾を放ったのは
金髪の外国人のような整った顔に
胸を貫くような紅い眼だった
そして、そのあと母は死んだ
キュウ
キュウ
キュッと拳を握る
流石に、もう、この姿では危ないだろう
そう思い、人間の姿に変えた
私の母は獣で、父は人間である
でも、私は獣の血が多いため、本能には逆らえない
父は愛してる、でも人間は許せなかった
キュウ
キュウ
しょうがない
“復讐”のために
キュウ
目の前を子供が通る
チャンスだ
キュウ
こんな夜中に子供?と思ったが、私は足音を無くし、近づく
子供
あの森で戦争をしていたことも知らない、呑気な人間の子供めっ!
そして、私は子供に飛びついた
子供
キュウ
そう言って喉を掻き切る
声も出せずに死んでいった子供の服を剥ぎ取る
それを羽織るとちょうど良かった
キュウ
キュウ
復讐で頭がいっぱいの私にはもう、母の慈悲など忘れてしまっていた
キュウ
私は、夜道振り向くと、そこには
我々国誇る大きな“我々城”である
キュウ
数分考えた
よし、あの戦争で巻き添えを食らったことにしよう
そう考え、私は腕に傷をつける
キュウ
キュウ
そう、言い聞かせた
そして私は、痛む腕を抑えながら、我々城へと足を運んだ