放課後を告げるチャイムが鳴り響き、教室内にクラスメート達の声が広がる。
黄
隣の席の黄くんも、伸びをしながらそんな言葉を口にした。
黄
黄
赤
黄
「いいね」と言いかけて、朝の出来事を思い出す。
そういえば……
『それじゃあ終わったら教室まで迎えに行くね』
あれは、冗談だよね…?
……うん、きっとそうだ
だってやっぱり、瀬戸先輩が俺を好きだなんて、ありえないもん。
赤
そう言って黄くんに笑顔を向けると、同じ笑顔が返ってくる。
黄
よっぽど甘い物が食べたかったのか、黄くんは鼻歌交じりに帰る支度を始めた。
赤
黄
黄
赤
黄
と手を握りしめて語る黄くんに、くすくす笑いながら2人で教室を出ようと立ち上がる。
そのとき、違和感に気づいた。
黄
どうやら黄くんも同じことに気づいたらしく、2人で目を合わせる。
赤
赤
なんだか、やけに廊下が騒がしいような?
不思議に思って、俺は教室の扉から廊下を見た。
そして、ある1人の姿が視界に飛び込んできて目を大きく見開いた。
赤
瀬戸、先輩?
黄
赤
黄
黄
壁にもたれかかりながらスマホを見ていた先輩の視線が、スッとこちらに向く。
すると先輩はスマホをしまって、俺たちの方に歩み寄ってきた。
桃
俺の目の前に来た先輩にそう聞かれ、ハッと我に返る。
赤
俺を…待っててくれたの?
あの告白は………本当に、本当だったの?
頭が混乱して、うまく言葉が出てこない。
聞きたいことがありすぎて、まとまらなかった。
そんな俺を見かねてか、先輩は恐る恐るといった感じで再び声をかけてくる。
桃
えっと、黄くんのことかな?
赤
ひとまずこくりと頷いて返事をすると、先輩は「そっか」と言ってから、黄くんの方を向いた。
桃
……え?
黄
黄
さっきまでの甘い物が食べたい!とあれほど言っていたのに、まるで先輩にプレゼントを差し出すかのように俺の肩を押した黄くん。
桃
黄
黄
黄
黄
赤
赤
ダブルブッキングのような形になってしまい謝って頭を下げると、黄くんは「いいよいいよ!」と言いながら微笑み、逃げるように走り去ってしまった。
桃
申し訳なさそうに眉の端を下げる先輩に、慌てて首を振る。
悪いのは俺の方だ。
だって……本当に来てくれると、思わなかったから…。
赤
赤
桃
赤
桃
不思議そうな様子の先輩は、目を開いてじっと俺の方を見てくる。
赤
桃
桃
え?先輩の言葉に視線をまわりに向ける。
……っ!!いつの間にギャラリーがっ…
××
××
××
気づけば、俺と先輩を取り囲むように、人だかりができていた。
なんだか恥ずかしくて、スッと視線を下へ向ける。
あまり人から注目されるのは得意じゃないから、今すぐここから逃げ出したい気分になる。
俯いていると、突然ぎゅっと手を握られた。
……え?
桃
俺の手を握ったまま、人混みをかき分けるようにして進んでいく先輩。
××
まわりから悲鳴が上がった。
お、俺…明日から平和に暮らせるのかな……
そう思いながらも、人混みから連れ去ってくれる先輩の手に、救われたような気持ちになる。
というよりも……先輩の手、すごく熱いような…?
不思議に思って、先輩の方を見る。
ーえ?
顔は見えなかったけど、髪のすきまから、チラリと見えた先輩の耳が驚くほど赤く染まっていた。
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コメント
14件
ま、え、桃さんクールなイケメンキャラかと思いきや好きな子には照れちゃうんですねかわいいです!!😭(大声) 黄くんのキャラ?が好きすぎた🤦🏻♀️♡ ♡連打失礼しますー!!
ぶく失です!
フォロー、ぶくま失礼します。