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火曜日 13:30

夜桜猫

(ここの先が
廻転の森…か。)

夜桜

…ここで大丈夫か?

夜桜猫

うん。

夜桜猫

送りありがとう。

夜桜

…気をつけてな。

夜桜猫

うん。

スッ

バサッ!

夜桜は姿を鳥に変え 、 空へと飛び立った。

夜桜猫

準備は万全…

夜桜猫

よしっ、

夜桜猫は決心し、 森へと足を踏み入れた。

第55話

『謎の旅人』

~夜猫依頼事務所~

猫船

一人で大丈夫?

夜桜猫

うん。

闇桜

こっそり
憑いていこうか?

夜桜猫

いや、
大丈夫だよ。

夜桜猫

でも、1日経っても
帰って来なかった時は
捜索してほしい。

夜桜猫

出来るだけ
なんとかするけど、

夜桜猫

まぁ、見つかる頃には
肉食動物に食われてる
かもしれないけど…

猫船

食べられちゃ
駄目だよ~っ!

猫船はそう言いながら 夜桜猫にぎゅっと抱きつく。

夜桜猫

あははっ、

夜桜猫

まぁ、なんとか
頑張って
帰ってきます。

闇桜

夜桜猫、

夜桜猫

ん?

闇桜は夜桜猫の左手を持ち、 何かを握らせる。

夜桜猫

(お守り?)

夜桜猫

(可愛い。)

夜桜猫

(手作りかな?)

闇桜

えぇ、そうね。

闇桜

それっぽいの
持って握ってたら、
和らぐでしょ。

夜桜猫

(確かに持ってると、
安心するね。)

猫船

良いな~!

闇桜

桜のもあるわよ。

猫船

やった~~!

闇桜はスカートの ポケットから1つの お守りを取り出し、 猫船に渡す。

猫船

大事にするね!

夜桜猫

私も大事にするよ。

夜桜猫

(胸ポケットに
入れておこう。)

闇桜

…気をつけてね。

闇桜

やばいと思ったら、
全力で逃げるのよ。

夜桜猫

…本当に狂ってるね。

夜桜猫の手に持った 方位磁針がぐるぐると 回っている。

夜桜猫

(森に入って
2時間経過…)

夜桜猫

(感覚だけで
歩いてるけど、
辿りつけるかな?)

夜桜猫

(不安しかない…)

夜桜猫

(一人で
森の中にいると
心細さが増すんだよね。)

夜桜猫

(特にこの森は
やばい情報が
沢山から余計にね。)

夜桜猫

(子ども攫い、
呪いの力を持つ何者か。)

夜桜猫

(しかも目的が
食用や儀式?に
使われてる
可能性があると…)

夜桜猫

(そして、
森に入り迷った
野生動物に
襲われるとか、)

夜桜猫

(魔法使いって
よくこんな怖い所に
住んでたよね…。)

夜桜猫

(まぁ、魔法使いなら
魔法でなんとか
対策出来るか…。)

夜桜猫

(私は絶対、
無理だね…。)

夜桜猫

…あれ、

夜桜猫

(人がいる。)

遠くの方に 赤い髪色の人が立っていた。

夜桜猫

(…女性の人だね。)

夜桜猫が女性を見ていると、 女性はこちらに気づき 夜桜猫を見る。

森の中に人とは
珍しいですね。

…旅の方ですか?

夜桜猫

い、いえっ、
この街に住んでる
者でして…

夜桜猫

えっと、貴方は…

旅人です。

森に入ったら、
迷ってしまいまして…

夜桜猫

そうですか…

夜桜猫

(そういえば、各地に
旅してる人が
いるみたいだね。)

夜桜猫

(という事は
この森に入って
迷った?)

夜桜猫

(でも、なんだろう。)

夜桜猫

(…この人、
なんか怖く感じる…)

…その面…

夜桜猫

(ん?)

女性は夜桜猫の持つ 猫の面を指さした。

夜桜猫

…これ、
知ってるんですか?

……。

夜桜猫

えっと、あの…

…あぁ、
知ってますよ。

私の知り合いが
持ってました。

夜桜猫

ッ!

夜桜猫

(それって…)

夜桜猫

その方って、
事務所の受付とか
してました?

してたと
聞きましたね。

確か、元警察官で
友達の誘いで
事務所に移ったとか…

夜桜猫

(やっぱり、
知ってるんだ。)

貴方は彼女の事を
知らないんですか?

夜桜猫

はい、
この面をもらった時に
聞いただけでして…

夜桜猫

もらったというより、
その人が見つかるまで
預かってる感じですね。

なるほど。

…それをこちらに
渡してくれませんか?

私から返しておきますよ。

夜桜猫

えっ、居場所は
分かるんですか?

はい、
知ってますよ。

夜桜猫

どこに?

言えません。

彼女、ある事情で
隠れてますから…

夜桜猫

(隠れてる?)

なので、
私に渡して下さい。

返しておきますから

夜桜猫

あ、えっと…

夜桜猫

すいません、
今、これは
渡せなくて…

……。

夜桜猫

(今日はこの面に
関わる依頼を
解決しに来たからね…)

夜桜猫

なので、
後でいいですか?

夜桜猫

もし良ければ、
連絡先を…

ポワッ

夜桜猫

ッ!?

シュッ!

夜桜猫

うわっ!?

夜桜猫は向かってきた 何かを咄嗟に回避した。

夜桜猫

(な、何っ!?)

夜桜猫

(なんか黒いのが
飛んで来たっ!?)

ボワッ!

夜桜猫

ッ!!

先程いた場所を見ると、 地面の草に 黒い炎が燃えている。

渡す気になりましたか?

夜桜猫

な、なんで…

…それ、目障り
なんですよ。

彼女に希望を
与えてしまう。

渡さないなら、
ここで燃え尽きなさい。

シュッシュッ!

夜桜猫

うわっ!?

女性は複数の黒炎を 夜桜猫に向かって放ってきた!

夜桜猫は慌てながらも 何とか回避する。

夜桜猫

(や、やばい
逃げようっ!)

夜桜猫

(これは
対処できる
相手じゃない!!)

夜桜猫

ッ!?

夜桜猫が逃げようと 振り向いた瞬間、 周りの景色が変わった。

夜桜猫

(な、何これっ!?)

夜桜猫

(景色が
変わった!?)

シュッ!

夜桜猫

うわっ!?

夜桜猫は次々と 襲ってくる黒炎を回避する。

夜桜猫

(ど、どこに逃げれば…)

…意外と
しぶどいですね。

これならどうです?

ボワッ!

夜桜猫

ッ!

地面で燃え続ける黒炎が 一つに集まる。

そして、黒炎は みるみる大きく燃え 炎を纏った大蛇となった。

シュルルッ!

そして、黒炎の大蛇は 蛇行で高速に 夜桜猫に近づく。

夜桜猫

ぎゃああああぁぁぁぁっ!

その姿を見て 夜桜猫は絶叫しながら、 全力疾走で走り出した!

夜桜猫

(怖い怖いっ!!)

夜桜猫

(蛇になるなんて
聞いてないよっ!!)

夜桜猫

(誰か助けて~っ!!)

ドンッ!

夜桜猫

痛っ!?

夜桜猫は見えないなにかに 思いっ切りぶつかった。

夜桜猫

(なにこれ、
壁??)

シュルッ!!

夜桜猫

ぎゃあぁぁッ!!

ゴンッ!

大蛇が勢いよく 飛び襲いかかるが、 夜桜猫が避けた事で 壁に激突する。

夜桜猫は再び走り出す。

夜桜猫

(駄目だ、このまま
逃げてても
いずれ捕まる!!)

夜桜猫

(何か対策を
考えないと!)

夜桜猫

え、えっと…

…シュル…

夜桜猫

ッ!

夜桜猫は急に足を止めた。

夜桜猫の前には 立ち塞がるように 大蛇の身体がある。

違う方向へと向くが、 彼女の周りは大蛇の身体に 塞がれて逃げ場がない。

夜桜猫

(か、囲まれたッ!?)

夜桜猫

(ど、どうしよ…)

夜桜猫

(あっ!)

シュッ!!

大蛇は口を開け、 頭上から夜桜猫に 襲いかかる!

ポワッ

パキパキッ!

ガキンッ!

突如、夜桜猫を囲むように 球状の氷の壁が出現し、 大蛇が衝突する。

夜桜猫

(あ、危なかった…)

夜桜猫

(これ、あって
良かったよ。)

夜桜猫

(咄嗟に使ったけど、
ここからどうにかして
脱出しないと。)

夜桜猫

(でも、
逃げ場がないね。)

夜桜猫

(地面を掘って
脱出は不可能だし…)

パキッ…

夜桜猫

ッ!

夜桜猫

(溶けて
壊れてきてる…)

大蛇が球状の氷に巻き付き、 身体の炎の熱で 氷を溶かしているようだ。

夜桜猫

(ど、どうしよう!)

夜桜猫

(このままだと、
押し潰されて
焼き殺される!!)

夜桜猫

(あの蛇、
どうにかしないと!)

夜桜猫

(この状況からの
突破は…)

夜桜猫

(…一か八か
あれをやるしか…。)

夜桜猫は 腰からチャクラムを取り出し、 構える。

夜桜猫

あ〜、疲れた…

夜桜猫

(魔法を使って
壊すのは結構大変。)

夜桜猫

(2、3回投げる
ぐらいが限界…)

青影

…やばいな。

夜桜猫

ん?

青影

さっきのは
かなり強力な魔法陣を
配置したんだが、

青影

夜桜猫の魔力付与の
武器で簡単に壊れたんだ。

青影

魔力の付与量に
対しての威力が
普通じゃない…。

夜桜猫

うーん、
えっと??

青影

少量の魔法付与量で
かなりの威力が
でてた。

青影

あれだけで一般の
魔法攻撃なら
簡単に打ち消せる。

夜桜猫

え、まじっ?!

青影

まじだ。

青影

普通なら、
ありえないんだが…。

夜桜猫

あぁ、
私にもそんな才能が
あったんだ~!

夜桜猫

(感動…)

青影

ただ、最大三回しか
使えなさそうだな…

夜桜猫

…ア、ハイ…

夜桜猫

(…私、魔力量が
無さすぎるもんね…)

夜桜猫

(闇桜に
一般の魔力量より
かなり少ないって
言われたよ。)

夜桜猫

(あれ、使っても
意味なくない?)

夜桜猫は その場で体育座りし、 ガクンと落ち込む。

夜桜猫

…やっぱり、
私って…ポンコツ…

青影

そんな事は
ないだろ。

青影

だって、
あの少量で
あの威力だぞ?

青影

使い所は…
少ないかもしれないが、

青影

魔法攻撃や
魔法で出来た物体には
必ず通用する。

夜桜猫

(あれに通用するか
分からないけれど、
やるしかない。)

夜桜猫

(このまま
ただ死ぬなんて
嫌だからね。)

夜桜猫

ふぅっ…

夜桜猫は集中し始めた。

そして、しばらくすると 目を開き、投げる体勢を整える。

夜桜猫

(頭はあそこ。)

夜桜猫

(こっちは
見てないね。)

夜桜猫

(魔法量は
最大。)

スッ

夜桜猫

(喰らえっ!)

ブンッ!

夜桜猫は 蛇の頭に向かって チャクラムを勢いよく投げる!

バキッ!

ズバッ!

チャクラは 氷の壁を貫通し、

大蛇の首を 真っ二つに切断した!

夜桜猫

(い、いけた!!)

バキンッ!

ドンッ!

夜桜猫

ッ!

チャクラムは そのまま速度を落さず、 空間の壁を貫き、 樹に刺さった。

夜桜猫

(空間に穴が…)

夜桜猫

(しかもあれって
森の樹だよね?)

夜桜猫

(つまり、
ここは魔法で
作られた場所?)

夜桜猫

(もしかすると、
あそこから
出れるかもっ!)

ダッ!

夜桜猫は穴に向かって 走り出す。

その後ろで 大蛇だったものが地面に倒れ、 消える。

夜桜猫

(もう少しで出れる…)

夜桜猫

(出れたら、
このまま走って
隠れる場所に…)

ガッ!

夜桜猫

穴まで後5m。

だが、夜桜猫は 突然現れた女性に首を 掴まれ止められる。

夜桜猫

(…そうだ、
この人がいたんだ…。)

夜桜猫

(全然…見てなかった…。)

…なかなか、
面白い力を
持ってますね。

夜桜猫

うッ…

夜桜猫は首を徐々に 締められている。

夜桜猫

(…苦しい…。)

…このまま
実に殺すのは惜しい。

有効活用しなければ…

ポワッ

ボワッ!

魔法陣から出た 炎が刃の形となる。

夜桜猫

(やばいっ、
何かされるっ…)

夜桜猫

(何とかして…
逃げない…と…)

大丈夫ですよ。

抗わず素直に
委ねれば慣れますから…

ポワッ

夜桜猫

ッ!

ピカッ!!

があああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

突如、 上着の胸ポケットから 桃色の光が輝き女性に取り巻き襲う。

ドサッ!

夜桜猫

女性は絶叫しながら、 夜桜猫を投げ捨て 光を振り払おうと必死にもがく。

夜桜猫

ゴホッゴホッ…

夜桜猫

(…し、死ぬかと
思った。)

あぁっ、
熱い熱いっ!!

身体が…ヤケル…ヤケル…

コムスメ…フゼイガッ、
ナゼコノマホウ…ヲ…

…アァッ、
ガァァァァァァッ…

夜桜猫

(…一体、何が…)

胸ポケットを 確認すると、そこには 御守りが入っており 微かに光っている。

夜桜猫

(…これが
守ってくれた?)

夜桜猫

ッ!

謎の空間が消え、 最初にいた景色に戻る。

夜桜猫

(元の場所に
戻った!)

夜桜猫

(今のうちにっ!)

ダッダッダッ!

夜桜猫は走り出した。

女性は未だに苦しんでおり、 追ってくる様子はない。

夜桜猫

(どこか
隠れる場所は…)

夜桜猫

(駄目だ、
一面樹しかないっ!)

夜桜猫

(でも、
このまま離れれば
撒ける可能性も…)

夜桜猫

うわっととッ!?

夜桜猫は急に止まる。

1歩前は高い崖になっており、 下は闇で地面が見えない。

夜桜猫

あ、危ない…

夜桜猫

(飛び下りるのは
やばいよね…)

夜桜猫

(降りる道具は
持ってきてないし、)

夜桜猫

(あ、でも
似たような奴を…)

夜桜猫

(上手く使えるか
分からないけれど…。)

…小娘、
よくもやって
くれたな…

夜桜猫が振り返ると、 5m後ろに女性が迫っていた。

再生が…全然だ…

あぁ、本当に…
厄介な…

夜桜猫

(覚悟して
飛び降りるしかないかな…)

夜桜猫

(それしか、
方法がない。)

…さぁ、今度こそ
終わりです。

覚悟しなさい。

ボワッ!

夜猫依頼事務所~厄災の魔女~

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