主
主
主
主
主
頃
静かな部屋に シャーペンの走る音だけが響き渡る まるでロボットのように 予習復習勉強 の繰り返し 僕はなんの為に生きているんだ 僕は一生操り人形なのか そう思うと心が沈む どうして生き残ったのは父さんじゃないの? どうして死んだのは僕じゃないの? ねぇ教えてよ
神様
夕方です
頃
あれから僕は 6時間も勉強していた 今はもう11時だ お腹が減った 下に食べに行こう
部屋に入ろうと手をドアノブにかける
頃ママ
頃ママ
頃ママ
母さんの声が聞こえる いつもよりワントーン上がっている 『キモチワルイ』 最近母さんの持ち物に ブランド品が増えたのはそう言うことだったのか 確かに最近は母さんの機嫌がいい事が多かった 彼氏が出来たのだろう くだらない 自分の子供を愛せないのに 他人は愛せるのか 僕はそっとドアノブから手を離す
頃ママ
頃ママ
頃ママ
頃ママ
頃ママ
頃
僕の中で何かが切れた
僕はそれから無我夢中で走った
頃
自分の親に言われるのは結構ショックだった 本当は心の底では少し 少し期待してたんだ いつかは認めてくれるかもって いつかは愛してくれるかもって いつかは子供として見てくれるかもって いつかは... そんな淡い期待は 簡単に破られた
頃
生きていても何もいい事なんてない
『生きていればきっといつかいいことがあります』 『今は辛くても未来は楽しいことがあります』 『なので生きてください』
そんな綺麗事に僕は腹が立った きっといいことがある? だから今は頑張ろう? そんな絶対かも分からないのに 死にたいと思った事なんか無いのに 暖かい家系に生まれたくせに 死にたい人の気持ちなんか分かるわけ無いのに
頃
だって一生愛されない と分かっていて生きたいと思うわけないじゃん
母さんに認められる為だけに 頑張ってきたのに 必死こいて今まで頑張っきた意味は?
僕は崖の上に立った
頃
頃
頃
頃
?
僕は海に飛び込んだ やっと楽になれる そう 真っ黒な僕の世界に 『死ぬ』ことで 光が差したんだ
ガシッ
頃
そこには 僕の手を掴んでいる爽斗くんが居た
爽斗
何が起こったか分からなかった
頃
爽斗
暗いせいか爽斗くんの顔は見えなかった 心配してくれた...
頃
また僕の中で何かが切れた
頃
頃
頃
爽斗
頃
爽斗
何言ってるんだ僕は 心配してくれたんだよ? 助けてくれたんだよ? のんな心とは裏腹に 口から出る言葉は 辛辣だった
頃
頃
頃
爽斗
どうして君はそんな顔をするの?
頃
月の光に照らされた君は 切なく悲しい顔をしていた
頃
爽斗
爽斗
頃
僕はてっきり 綺麗事を並べた説教を言われると思って 拍子抜けした
爽斗
爽斗
爽斗
頃
そう言って君は 月を見上げた
爽斗
爽斗
ねぇ何を言おうとしたの? 君はどうして今にも泣きそうな顔をするの? 僕には分からないよ 爽斗くん...
頃
頃
爽斗
頃
頃
爽斗
爽斗
頃
爽斗
君は微笑む、悲しそうに 僕は何も言えないから 君の隣に座って ただ月を見つめるんだ
突然目の前がパッと明るくなった
頃
ポリスメン
爽斗
頃
ポリスメン
頃
ポリスメン
ポリスメン
ポリスメン
頃
また絶望に包まれた 警察の人が母さんに連絡している 警察の人は喜んでいる 息子さんが見つかって良かったねと 僕の顔なんて 僕が絶望してることなんて
分からないよね
爽斗
頃
人生にも 人にも この理不尽な世界にも 抗うことを諦めるよ...
コメント
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あのママ許さん( #`꒳´ )