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感動~・゜・(つД`)・゜・
夏休み
父
朱音
父
朱音
ガララッ
朱音
婆ちゃん
朱音
父
婆ちゃん
婆ちゃん
父
父
父
婆ちゃん
婆ちゃん
父
父
婆ちゃん
朱音
父
お父さんが私を指しながら婆ちゃんにそう問う
婆ちゃん
婆ちゃん
朱音
婆ちゃん
父
父
婆ちゃん
婆ちゃんは今年で83歳…。
朱音
朱音
婆ちゃん
朱音
朱音
父
朱音
父
朱音
その時は“またね”なんて声をかけた
また会えるって当たり前に思っていたから
また名前を呼んでもらえるって思っていたから
婆ちゃんの元気な姿をみたのは
それが最後になった
あれから月日がたち
3月になった
小学生の卒業式が行われた
同じ中学生に通う人、そうでない人がいる。
式が終わって教室に戻る
出席番号順にアルバムが配られる
私達は6年間の思い出がつまったランドセルにサインを書きあった
写真もとった
皆泣いていたというよりは笑っていたという印象の方が強かった
そこから春休みに入った。
春休みに入って数日たった頃
自然と目が覚めた
姉2人はまだ寝ている
私は1階におりた
ガチャ
母
母
朱音
お母さんが起きていた
母
朱音
そこで私はお父さんがいないことに気づいた
朱音
この時間ならお父さんはいつも家にいるはずだった
母
お母さんは冷静に答えた
母
朱音
衝撃的だった
お母さんがいうには
午前4時頃、お父さんの携帯に電話がかかってきたらしい
それは、お父さんの妹からだった
私は“あけちゃん”と呼んでいる
あけちゃんは婆ちゃんと暮らしている
そしてあけちゃんは、泣きながらお父さんに婆ちゃんのことを告げたらしい
それを聞いたお父さんは
父
そう言って電話をきり、
その声で丁度起きたお母さんに『ちょっと行ってくる』と言い残し、向かったという…
私達の家と婆ちゃんの家は隣町くらい離れている
後から聞いた話によると
婆ちゃんはここ最近時間感覚がずれていて
午前3時に起きては、昨夜入ったはずのお風呂に入るということを
繰り返していたらしい
亡くなったのはお風呂場だった
4時頃にあけちゃんが起きて、婆ちゃんの姿がないことに気づき
お風呂場に向かえば、婆ちゃんが息をしていないことに気づいて救急車を呼んだ
もちろんこの件は事故として処理された
私は姉を起こしてすぐに準備を整え病院に向かった
向かっている間、私は泣いた
“亡くなった”という単語が頭から離れなかった
その度に涙を流す
姉が私の異変に気づき、涙を吹いてくれた
その後病院について、お父さん達と合流
ひとまず今日は、となってすぐに帰ることになったけど…。
その後のことはよく覚えてなくて
気づいたらお葬式の場にいた。
まるで寝ているかのような顔をして布団のなかにいる婆ちゃんを
私は呆然とみていた。
婆ちゃんの顔には薄くお化粧がされていた
婆ちゃんの兄妹や知り合いが来ていて挨拶を交わす
順番にお線香をあげていった
いざ目の前で見てみると『生き返らない』という現実が
私の心を容赦なく痛みつけた
朱音
朱音
朱音
いつの日か、お父さんと婆ちゃんが交わしていた会話
父
婆ちゃん
婆ちゃん
笑いながら、そう言っていた
私はこの日、制服を身につけてその場に来ていた
卒業当日、卒業生は中学校の制服を身につけることになっていたから、
入学まで家で保管していた
父
婆ちゃんの顔を見ながら、お父さんが呟いた
朱音
私は一言で返事をする
数日後にお葬式をおこなった
その日はそこでの食事会になった
お父さんの知り合いも来ていた
その時初めて、お父さんが泣いていた
いつも強気なお父さんが、初めて涙を流した。
私は今でもその光景を鮮明に思い出すことができる
翌日くらいたって、
火葬場に行った
朱音
朱音
いくら心の中で願っても
婆ちゃんは戻ってこない。
小学6年生の私でも分かる事だった
今謝りたいこと。
昔、婆ちゃんの家で食事したとき
私の行儀がよくなくて玄関の外に出された
あの時はごめんね、婆ちゃん
昔、婆ちゃんの部屋で遊んだ時
壁にもたれかかっていたベッドを倒してくれた
昔、婆ちゃんの自転車の後ろに私を乗っけて一緒に出かけた
昔、私の誕生日に可愛いヘアゴムを買ってくれた
今でも持ってるよ
昔、ノリを巻いた醤油餅を作ってくれた
今でも私の大好物
昔、畑の苺を食べさせてくれた
おもちゃを買ってくれた
お小遣いをくれた
ご飯を作ってくれた
私が熱を出した時に側にいてくれた
無邪気な笑顔を見せてくれた
婆ちゃん
迷惑かけてごめんね
今までありがとう
しばらくたって
私は婆ちゃんの家に来ていた
仏壇には
赤ちゃんだった頃の私をだき抱える婆ちゃんの姿の写真が立てかけてあって
すぐ側には婆ちゃんがいつもかけていた眼鏡が置いてある
婆ちゃんは線香の匂いが好きと聞いた私は
線香を2本、立てておいた
朱音
朱音
朱音
朱音
心の中で話しかけるように呟いた
あれから3年後
私はいつの間にか中学校を卒業することになっていた
朱音
嬉しいような、
もの寂しいような
複雑な気持ちだった
志望校に無事合格した私は
今も婆ちゃんを忘れたことなんてない
あれから1年に2回、婆ちゃんのお墓に足を運んでいる
同級生の保護者
同級生の保護者
朱音
朱音
朱音
心でそう呟きながら
同級生の保護者
「「2ーー!!」」
私は笑顔でピースサインをつくった
Fin.