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モミジ
あ～あ今日も冴えないブスのせいで、つまんない一日だったね。
カエデ
そうだよね。クルミさ～、なんでいつも平気で学校にくるわけ？
クルミ
なんでって、学校をサボるわけにはいかないでしょ…。
モミジ
中学なんて、欠席してても卒業出来るんだから、来なくていいのに。
モミジ
どうせアンタなんか、底辺の高校にしか行けないんだから。
カエデ
勉強だって絶対私たちのほうがレベルが上だよね。
モミジ
そうそう。
モミジ
私たちは先生のウケもいいし、定期テストもそこそこいい点だから。
モミジ
学区で一番の進学校に行くんだもんね。
クルミ
そうね…
クルミ
あなたたちは優等生だもんね。
モミジ
そうよ！底辺のアンタは私たちのしもべよ！
モミジ
私たちに隠れて勉強なんかしてないわよねぇ？
モミジ
アンタがちょっとでも成績上がってたら、絶対にゆるさないわ。
クルミ
ど、どうしてですか？
モミジ
あたりまえでしょう？下っ端のクセに成績を上げようなんて図々しいのよ！
カエデ
そうそう。私たちよりいい高校に行かれたら面白くないしね。
クルミ
そんな…。
クルミ
なんでそんなに、私にしつこく絡んでくるんですか。
クルミ
こっちは何も悪いことはしていないのに。
モミジ
フン、オドオドしちゃってアフォみたい。
モミジ
そうやって人の顔色をうかがっているところがキモいのよ。
カエデ
イ〇メがいはあるけどねw
クルミ
お願いだから、そういうのはやめてください。
クルミ
人としてどうかと思います
クルミ
学校の先生や男子たちの前ではイイコぶっているようだけど
クルミ
こんな風に、裏で私をイ〇メてなにが楽しいの？
モミジ
そりゃぁ、ストレス解消になるからに決まってるでしょ！
カエデ
クルミが困っている顔を見るのが、私たちの楽しみなんだよねw
クルミ
ヒドイ…。
モミジ
あ、言っておくけどさ。
モミジ
この事を先生にチクったり、私たちをブロックしようなんて思わないでよね？
クルミ
え？
モミジ
もし言うコトを聞かなかったらどうなると思う？
クルミ
どうなるって…。
カエデ
このあいだ、更衣室でとったあの写真をクラス全員の男子にばらまくよ？
クルミ
え！？
クルミ
それだけはやめて。
カエデ
良い写真が取れたよねぇ。
カエデ
この写真、永久保存版だよね。
モミジ
あー私たち、マジでヤバw
モミジ
でもこれで、一生モノの借りが出来たよね。
クルミ
一生モノの借りってどういう意味ですか。
モミジ
つまり、これでアンタは一生私たちのいいなりってこと！
モミジ
生まれ変わってもアンタは私の奴隷よ！
クルミ
そんな…。
モミジ
分かったら、明日は１万円持ってきな！
モミジ
そうしたら、写真はばらまかないよw
クルミ
はい、分かりました…。
モミジ
フフフ。ほんといい気分♪奴隷がいるって最高ね！
～３か月後、卒業式の日～
モミジ
ちょっとクルミ！アンタどういうつもり！？
モミジ
あれだけ言ってやったのに、なんで私たちよりランク上の高校になんて合格してんのよ！
カエデ
そうよ、勉強してる暇があったら私たちに貢げってあれほど言ったじゃん。
モミジ
底辺どブスのアンタに、高校進学なんてムダなんだよ。
モミジ
いい？別の高校に入学したってアンタは私たちの奴隷なんだからね。
クルミ
イヤです。
クルミ
だって、アナタたちに関わるのがいやだから別の学校に進学したの。
クルミ
死ぬ気で頑張って勉強もしたわ。
クルミ
もう言いなりになるつもりはありません。
モミジ
よくも言ったわね！
モミジ
あの写真をクラスLINEにばらまいてやる！
クルミ
お好きにどうぞ。
クルミ
でもそれをやったら、あなたたちを警察に突き出します。
モミジ
なっ！なんだって？
モミジ
たかが写真程度で警察に捕まるワケないでしょ。
クルミ
恐喝罪ですよ、２人がやっていることは。
クルミ
私、ちゃんと法律を勉強しましたから。
モミジ
なに言ってんの、生意気に…。
クルミ
本当ですよ。あと、名誉毀損罪にもなるかな。
クルミ
２人とも15歳以上だから、〇捕されるかもしれませんね。
クルミ
せっかく、それなりに良い学校に入れたんだから、もっと勉強したほうがいいですよ。
クルミ
ヒトとしてね。
モミジ
なによ、そんなの全然怖くないわ。
モミジ
写真、ぜったいにバラまいてやる！
クルミ
だから、お好きにどうぞ。
クルミ
ちなみに私の父は警察官なの。
モミジ
え！？
クルミ
バラまきを本当に実行したらどうなるか、楽しみですね。
モミジ
ふざけんな、調子に乗りやがって…！
モミジ
いい？絶対にアンタの事は逃さないんだからね。
モミジ
何年かけても打ちのめしてやるんだから！
クルミ
呪いのコトバですね。かわいそうなひと…。
～10年後、化粧品会社の公式LINEにて～
クルミ
オオバモミジさん、はじめまして。
クルミ
BBA化粧品のヤマノクルミです。
モミジ
こんにちは。オオバです。
クルミ
この度は当社の求人にご応募いただいてありがとうございます。
モミジ
どうも。
モミジ
面接がLINEの公式でオンラインだなんて、珍しい会社ですね。
クルミ
はい。まずは履歴書を送っていただいて、LINEで条件などを確認しております。
クルミ
オオバさまは化粧品会社で働いたことが無いようですね。
モミジ
ありません。ずっと派遣で働いてたんですけど
モミジ
職場の人間関係が悪くて、最近やめちゃいました。
モミジ
生意気な後輩がいたから、厳しめに対応していたら
モミジ
派遣先の上司から「おまえは〇ワハラだ！って言いがかりをつけられて」
モミジ
契約更新してもらえなかったんですよね。
モミジ
ほんと、ロクな会社じゃなかったですよ。
クルミ
そうですか。
モミジ
おまけに、私はちゃんとした短大も出ていて勉強も出来たのに
モミジ
給料が手取りで15万円とかだったんですよ。
モミジ
安月給すぎてやってらんないですよ！
クルミ
それは大変でしたね。
クルミ
ところで、わが社の時給は1500円です。
クルミ
パート契約での募集ですけど、それでも面接を受けますか？
モミジ
え、正社員での募集じゃないんですか。
クルミ
パートと正社員、両方で募集していますが。
モミジ
だったら正社員のほうで採用てくださいよ！
モミジ
履歴書の写真、見たでしょう？
モミジ
私みたいな美人が販売員をやったほうが、絶対に化粧品が売れますよ！
クルミ
あいにく、お顔が良いだけでは採用出来ませんから…。
モミジ
はぁ？どういうことですか？
モミジ
私の履歴書を見たんでしょう？
モミジ
このあたりでは1，2を争う進学校を出ているのよ。
モミジ
優秀な私を採用しないなんて、ソンしますよ？
クルミ
いえいえ、お客さまとトラブルになりそうな方は採用出来ませんね…。
モミジ
ちょっと、アンタ何さま？
モミジ
ただの面接官のクセにずいぶんとえらそうなコトを言ってくれるわね。
クルミ
一応、エリアマネージャーで、採用担当ですから。
クルミ
しかも接客業なので、人柄を見るのは当然のことですよ。
モミジ
じゃあ、採用してくれないってこと？
クルミ
それは後ほどご回答いたします。
モミジ
ハッキリしない答えね。今すぐ決めてよ！
モミジ
じゃないと、アンタの対応が悪すぎるってクレームをつけてやるわよ？
クルミ
まあ、それは申し訳ありません。
クルミ
でも、相変わらずな人ね。
クルミ
モミジ、全然変わってない。悪い意味でね。
モミジ
はあ？どういうこと。
モミジ
って、まさかアンタ、中学の時のクルミ？
モミジ
ちょっと、私のコトを分かってて、このやり取りをしていたの？
クルミ
ええ、履歴書を見た時はビックリしたわ。
クルミ
けど、これも仕事だから一応公式からLINEしたけど。
クルミ
まさか自分が、この会社に正社員採用されると思ってます？
モミジ
何なの、アンタ。苗字が変わっているから一瞬分からなかったわ！
モミジ
なんで苗字が変わってるのよ！親が離婚でもしたの？
モミジ
そう言えば、父親が警察官だって言ってたわよね。
モミジ
親が離婚して苗字が変わったなら、父親とも縁が切れてるわよね！
モミジ
あの写真がついに使えるわ！
モミジ
アンタの会社の公式SNSに、あの写真を投稿してバラまいてやる！
クルミ
はぁ。ほんとうに相変わらずね…。
クルミ
想像力だけは逞しくて、感心しますよ。
クルミ
私、卒業するときに忠告しましたよね。
クルミ
人として、もう少しお勉強したほうがいいわよって。
モミジ
はあ？何をエラそうに！
クルミ
無理矢理とったあんな写真を今でも大事に保存してるのね？
クルミ
私を脅すためだけに。
モミジ
そうよ。いつか使ってやろうと思っていたのよ。
モミジ
金になるかもしれないからね。
クルミ
わかったわ。これで遠慮なく戦える。
クルミ
あなたを社会的に抹〇します！
モミジ
へ？
クルミ
なにかひどくカン違いしているようだけど…。
クルミ
私の両親は離婚なんてしていません。
クルミ
苗字が変わったのは、私が結婚したからよ！
モミジ
はあ？ウソでしょ？
モミジ
ブスのアンタが結婚なんて出来るワケがないでしょ。
クルミ
私はブスじゃないわよ。まあ、LINEだから顔は見せられないけどね。
クルミ
化粧品会社の販売員として実績を積んで、
クルミ
今はエリアマネージャーとして働いているけど
クルミ
もうすぐ課長に昇進する予定よ。
クルミ
ずっと非正規雇用のだれかさんと違ってね！
モミジ
な、なに上から目線でイキってんのよ、クルミのくせに！
クルミ
イキってるのはあなたのほうでしょう。
クルミ
あの写真を使って私を脅した事は、りっぱな恐喝よ。
クルミ
遠慮なく警察に訴えますから。
モミジ
え、ちょっと待ってよ。
モミジ
すこし落ち着いて話をしようよ。
モミジ
ね？友達だったでしょ？
クルミ
友達？
クルミ
誰と誰が友達だったって？
モミジ
だから、クルミと私が…。
クルミ
冗談言わないで!
クルミ
中学の時、さんざんイ〇められて、どんなにつらかったか！
クルミ
あの地獄から抜け出したくて、必死に勉強したのよ。
クルミ
今さら、あなたを許せるはずがないでしょう。
モミジ
え、でも10年も前のことじゃん。
モミジ
それを今さら訴えるとか、正気？
クルミ
いやいや、何をおっしゃるんですか。
クルミ
ついさっき、写真をバラまいてやるっておどかしたじゃないですか！
モミジ
あ…。
クルミ
少しは大人になっているかと期待したけど、ムダでしたね。
クルミ
これ以上は時間のムダですね。
クルミ
私、ムダは嫌いなので。それじゃあ、さようなら。
モミジ
え、ちょっと。採用の結果は？
モミジ
おーい、ちょっとぉ…。
～化粧品会社公式・苦情対応用LINE～
モミジ
こんにちは。オオバモミジと申します。
モリオ
始めまして。苦情対応窓口の室長、ヤマノと申します。
モリオ
なにか商品のことでお困りでしょうか？
モミジ
商品のことじゃないんですけど、採用試験のコトでちょっと。
モリオ
はい、採用試験で何かございましたか？
モリオ
こちらは商品に関しての相談室になりますので、
モリオ
採用時の事にかんしては担当外になりますが…。
モミジ
なに？アンタも失礼な人ね。
モミジ
この会社のコンプライアンスはどうなってんの。
モリオ
コンプライアンスとおっしゃますと？
モリオ
では念のためお伺いします。何があったのですか。
モミジ
アンタの所の社員の、ヤマノクルミって女の事よ！
モリオ
え、その者がなにかいたしましたか？
モミジ
採用試験の時にものすごく失礼なコトを言われたのよ！
モミジ
「あなたを社会的に抹〇します！とか」
モミジ
「トラブルになりそうな方は採用出来ませんとか」
モミジ
ヒドイことを散々言われたんだから。
モリオ
ああ、アナタでしたか。
モリオ
ヤマノクルミからはすでに詳しく聞いています。
モミジ
へ？
モミジ
なんで知ってんの？
モリオ
知っているもなにも、彼女は私の妻ですから。
モミジ
ウソ！
モリオ
ウソじゃありません。
モリオ
あなた、中学時代にさんざん妻のことをイ〇めてくれたようですね？
モリオ
無理矢理ヒドイ写真を取られて、散々おどされたと聞きましたよ。
モリオ
先日の公式LINEでのやりとりも、しっかりスクショを取って見せてくれました。
モリオ
つまり、こちら側が被害者だという証拠もバッチリ撮れています。
モミジ
なんですって…。
モリオ
あなたは妻をまた苦しめた。
モリオ
私も許しませんよ。
モリオ
それに、会社の公式SNSに写真をバラまくなどと言ったそうですが、
モリオ
これは警察案件ですね。
モミジ
ちょ、ちょっと待って！
モミジ
私は本気でおどかしたわけじゃないのよ。
モミジ
お願い、もう何もしないから警察だけはやめて！
モリオ
ダメですね。写真があると分かった以上は黙っている訳にはいかない！
モリオ
覚悟しておいてください。
モミジ
そんな。冗談なのに。
モミジ
お願い、クルミともう一度話しをさせて…。
モミジ
せっかく再就職できると思ったのに、なんでこんなコトになっちゃうの…。
～後日談～
クルミ
モミジは、苦情相談窓口に私のコトを訴えるために連絡をしたそうですが、
クルミ
あまりのメチャクチャぶりに、モリオも心底呆れていました。
クルミ
事前にモリオに相談しておいて良かったと思いましたよ。
クルミ
彼女がやったことは、決して許せることではありません。
クルミ
私はモリオや会社の上司とも相談の上で、警察に被害届を提出しました。
クルミ
モミジは恐喝罪で警察に捕まり、きっちり法の裁きを受けたようです。
クルミ
もう、二度と私に関わろうとはしないでしょう。
クルミ
画像が出回る心配も無くなりました。
クルミ
モリオのナイスフォローのおかげで、ようやく安心を手に入れた気がします。
クルミ
中学時代の私は弱すぎて、やられっぱなしでしたが、
クルミ
これからは理不尽なコトには全力で戦いたいと思います。
クルミ
皆さんの幸運も祈ります！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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