テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

制御不能な年上彼女

一覧ページ

「制御不能な年上彼女」のメインビジュアル

制御不能な年上彼女

1 - くがかぶ。華太は意外と久我が好きという話。

♥

412

2023年05月26日

シェアするシェアする
報告する

小峠華太

久我、あれ欲しい

久我虎徹

どんだけ、買うんですか。これ以上、荷物持ちきれませんから、却下です

既に俺の両手は、小峠さんの買った荷物で塞がっている。因みに、本人は一つも荷物を持っていない。

小峠華太

お前の愛情はそんなもんなんだな

久我虎徹

ごねても駄目です

久我虎徹

無理なもんは無理です

小峠華太

南雲の兄貴なら、文句も言わずに持ってくれるのに、久我は持ってくれないんだな

そうでしょうね。あんた見た目だけは、可愛いですもんね。

あんたはニコニコしてるだけで、向こうはあんたの気を引くために優しくしてくれますもんね。

それに、こう言えば、俺が折れるだろうと分かった上での言動だという事も分かってますから。

久我虎徹

分かりましたよ!持てばいいんでしょ!持てば!

分かってはいるのに、やはり、彼氏として、他の男に負けるのは面白くない。

小峠華太

最初からそう言えばいい

今日も今日とて、見事な女王様。

そんな荷物持ちに勤しんでいる俺に、近づいてくる影が一つ。

戌亥鳳太郎

よお、坊や

俺に近づいてきた人影の正体は、獅子王組の戌亥鳳太郎だった。

久我虎徹

げっ

戌亥鳳太郎

人の顔を見るなり、げっとか、随分な挨拶してくれるじゃねぇか

戌亥鳳太郎

なんだ、一人じゃねぇのか

戌亥からは死角になっていた為、小峠さんが見えなかったらしい。

戌亥鳳太郎

あれ?お前、天羽組のこ・・・

俺の前にいた小峠さんの顔をよく見ようと、戌亥は身をのり出してきた。

そんな戌亥に対し、小峠さんも、何故か、ツカツカと足音を鳴らし、近づいていく。

小峠華太

初めまして、俺は天羽組の小峠華太だ

戌亥鳳太郎

ぐうぅぅ!

戌亥に近寄るなり、小峠さんは靴の踵の部分で、戌亥の足を思いっきり踏みつけた。

小峠華太

先日は、俺の虎徹を可愛がってくれて、どうもありがとう

滅多にしてくれない名前呼び。その上、『俺の』という言葉までついていることに、思わず、俺は小躍りしそうな程に歓喜する。

小峠華太

一つだけ、忠告しておく、虎徹で遊んでいいのは俺だけだ。次はないと思え

戌亥鳳太郎

おい、お前の彼女狂暴過ぎんだろ

戌亥鳳太郎

そして、お前も見てないで、止めろや

久我虎徹

いやぁ~、俺って、愛されてるなぁって思ったら、つい

外面だけはいい小峠さんが、まさか、あんな行動に出るとは思わなかったので、虚をつかれたのもあるが

よくよく考えなくとも、別に戌亥のこと好きでもねぇし、ざまぁみろ感が勝ったのもあって、制止しなかったというのもある。

でも、社会人として、この行動は良くないので、一応、形だけ、叱っておく

久我虎徹

こらこら、小峠さん、暴力は駄目っすよ。ほら、謝って

小峠華太

断る

ぷいっとそっぽを向かれてしまった。

本当、この人は俺の思い通りにならない。

久我虎徹

ね、この通り可愛いでしょ。この可愛いさに免じて、今回は無罪放免ということで(俺もあんた嫌いだし)

戌亥鳳太郎

おい!甘やかすな。そして、心の声も聞こえてんぞ!

久我虎徹

あと、余り小峠さんに、近寄らないで下さい。小峠さんは、俺のですから

戌亥鳳太郎

似た者夫婦かよ

久我虎徹

今のワンモアプリーズ

戌亥鳳太郎

いや、なんでだよ

小峠華太

虎徹行くぞ

戌亥と話しているのが、気にくわないらしく、しかめっ面で、俺の服をぐいぐいと引っ張ってくる。

小峠華太

ほら、帰るぞ

そう言うと、半ば強引に俺を引っ張っていく。

こんなに分かりやすく、やきもちを焼く、小峠さんを見るのは初めてだ。

久我虎徹

買い物は?

遠退いていく戌亥に向って「じゃあな」と別れの挨拶の代わりに、手をヒラヒラさせておく。

小峠華太

気分じゃなくなったから、別にいい

久我虎徹

あれ欲しかったんじゃないんすか?

小峠華太

今日、買わなくても逃げないから、また久我の休みに買いにいけばいい

久我虎徹

次も俺に荷物持ちしろということですか

小峠華太

当然だ

家に帰りつくやいなや、何故か小峠さんは、俺の膝の上を陣どる。

久我虎徹

あの、華太さん、何をなさってるのでしょうか?

その上、すりすりと俺にすり寄っている。

小峠華太

俺の匂いをつけてるから、虎徹はじっとしていろ

小峠華太

おい、なんで元気になってんだ?

久我虎徹

仕方ないでしょ、あんたが膝の上に乗ってるんだから

小峠華太

ふーん

小峠華太

我が儘聞いてくれるなら、相手してやってもいいけど、どうする?

久我虎徹

いや、いつも俺、あんたの我が儘聞いてるんですけど。これ以上、何がお望みですか?

小峠華太

俺をもっと愛して

久我虎徹

だぁーー!もう!本当にあんたって人は、どんだけ、俺をたらし込めば気が済むんですか!

小峠華太

俺が好きな癖に

久我虎徹

そうですよ!そんなとこ含めて、大好きですよ!可愛いなとか思ってますよ!悪いか!

小峠華太

今日は気分がいいから、朝まで付き合ってやる

久我虎徹

言質とりましたからね!途中で、駄目とか言っても聞きませんからね。絶対、朝まで付き合ってもらいますから

小峠華太

分かったから、さっさと抱け

小峠さんは、俺の前だと、我が儘言いたい放題、気に入らないと直ぐに、へそ曲げて、むくれてみたりと、時々、子供っぽい面を覗かせる。

俺になら、何を言っても許されると思っている節さえある。

でも、それは仕方ない。

この人が我が儘を言うのは、俺の前だけだから。小峠さんは決して、兄貴たちには、我が儘を言ったりしない。つまり、小峠さんの我が儘は、恋人に対する甘えの行動なのだ。

本当、素直じゃない。

俺の制止なんかちっとも聞やしない。

でも、そんな制御不能な年上の彼女が、可愛いとさえ思えるのは、きっと惚れた弱みなんだろうな。

結局、今日も俺は彼女の手のひらで踊らされている。

この先も、きっとこの人に振り回されるんだろな。

制御不能な彼女の我が儘を叶えるために、ソファに二人分の体重を預けた。

おわり

あとがき たまに、ツンツンな華太が書きたくなる病を発症する。そうなると、何故か選択肢がくがかぶになるんだよな。

この作品はいかがでしたか?

412

コメント

4

ユーザー

華太が王女、、、で久我君が名使いって事か、中々面白くていいな、、確かに華太ならやりかねないかもな、兄貴達に我儘言わないけど恋人になったらいっぱい我儘行ってそうやな、自分が下の時に限って

ユーザー

カブト君女王様♥️いいですねー❤︎

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚