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路地の奥は、冷たい空気と湿った匂いで息が詰まりそうだった。
男の手は氷みたいに冷たくて、腕をぎゅっと掴まれている。
🍍
??
低い声に全身が固まる。
足が震えて動かない。
男はゆっくりとポケットに手を突っ込み、銀色に光る刃物を取り出した。
🍍
喉がひゅっと詰まり、声にならない。
刃先が首元すれすれに近づき、冷たい金属の感触が肌をなぞった。
??
少しでも動けば、首を切られる——そんな空気がまとわりつく。
路地の奥は人通りゼロ。誰も気づかない。
男が一歩、二歩と奥に下がる。
腕を引かれ、なつの体もつられて動く。
逃げたいのに足が動かない。
心臓の音だけが耳の奥で爆音みたいに響く。
??
その瞬間、背中に硬い壁が当たった。
もうこれ以上、後ろには逃げられない——。