[完]【BL】片想いじゃ、ダメですか？

あらから、１ヶ月

光との付き合いは、 順調だ

守は気を使ってか、 光が来る日は決まって

長めのランニングに 出かけるようになった

気づけば、 こんなことを聞ける仲に なってきた

光の学力なら、 大学には 困らないはずなのに

やや躊躇いながらも、 光は言った

スマホに伸ばした手を 光がつかむ

「そんな事ないよ」

たった一言で 光を安心させられるのに

僕の口から その言葉は、出なかった

近くに居たのか…

連絡するとすぐに 守は帰ってきた

光は、 目を真っ赤にして

涙をこらえている

こんなにも 優しい守の声を

僕は、初めて聞いた

つっかえながら、 叫ぶように 光が言う

時間をかけてきた

言葉をかわしあってきた

でも、光は

不安で、 たまらなかったんだ

僕の中に、 守への気持ちが あったから

守が指折り、数える

守とは どこまでも「友達」だ

光は少し不満そうだけれど 仕方ない

僕と守の関係を

「友達」以外の なんて、表現すればいい？

思わず、 抱きしめたいほどの 愛しさが込み上げる

守が安心させるように、 ポンポンと光の肩を叩く

結局…

僕と光の 二人で泣いて

守を困らせてしまった

誰かに ぶち壊してほしい

僕の腐った 初恋を…

僕の醜い 片想いを…