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コメント
3件
おい、嘘だろ、のところがまじで想像つく涙目でちょっと控えめだけど事故ってしまった悲しみも入ってる感じ、🌸🌸、
やばい、桃紫が好きすぎて死…😇 すでに神作確定なのなんなんですか本当に勘弁してください…続き楽しみにしてます!!
rara🎼
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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
rara🎼
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第1話『誕生日の前日』
らん
午後3時を回った頃、レジ袋を肩にかけたらんが、スーパーの前で首をかしげた。
その隣で缶コーヒーを開けたいるまは、無表情のままぼそりと返す。
いるま
いるま
らん
いるま
らん
自分で言って、自分で爆笑するらん。
その顔が、太陽みたいに明るくて――つられて、いるまも小さくため息をついた。
いるま
そう呟くその声には、ほんの少しだけ笑みがにじんでいた。
今日は、4月17日。
明日は、らんの誕生日。
だからこそ、ささやかなサプライズを仕込むために、他の4人にはナイショで、ふたりきりの買い出しに出てきたのだ。
いるま
らん
いるま
らん
らん
くだらない話題を並べながら、ふたりはスーパーの袋を提げて、並んで歩く。
ビルの隙間から春風が吹き抜け、近くの桜並木が、はらはらと花を散らす。
らん
いるま
らん
道端で立ち止まり、ふたりして腹を抱えて笑った。
誰よりもマイペースで、誰よりも仲間思いで、誰よりも“シクフォニ”という場所を大切にしていた、らん。
そして、それを少し離れた場所から、黙って支えてきたのが、いるまだった。
ふたりの関係は、言葉にしなくても、自然と噛み合っていた。
信頼も、空気感も、ぴたりと。
らん
いるま
らん
いるま
そんな話をしながら、らんはスマホを取り出して、メモを確認しようとした――そのときだった。
……キィィィィィイィィッッ!!
タイヤが路面を滑る音が、突如、空気を裂いた。
それは、日常のすぐ隣にあったはずの非日常。
けれど、このときふたりは、まだ気づいていなかった。
いるま
振り返るよりも早く、いるまの手が、反射的にらんの腕を掴んだ。
咄嗟の判断。
最速の行動。
それでも――
間に合わなかった。
ガシャァン――!!
白い光の中で、視界がぐるりと反転する。
砕けるガラス。
散らばる袋の中身。
誰かの叫び声。
遠ざかる世界。
それでも、耳鳴りだけがずっと続いていた。
いるま
いるま
次に意識を戻した時、いるまはもう、地面に膝をついていた。
血の気の引いた顔で、倒れたらんの頬を、何度も、何度も叩いていた。
いるま
彼の体を抱きかかえるようにして、震える手で必死に名前を呼ぶ。
返事は、ない。
風が、冷たく吹き抜けた。
街の喧騒が遠ざかり、代わりに聞こえてくるのは、たった今吹き飛ばされた日常の音。
砕けたスマホ、転がる缶コーヒー、そして――花びらと混じる、真っ赤な血の色。
あんなに笑っていたのに。
明日は、らんの誕生日だったのに。
ほんの数秒前まで、何気ない会話をしていたのに――
いるま
その声は、祈りのように震えていた。
返ってくるはずの声は、もうなかった。
いるまの指先が、らんの冷たくなり始めた頬に触れる。
白く光る街路樹の向こうで、救急車のサイレンがやけに遠く、やけに切なく響いていた。
そして舞い落ちた、ひとひらの桜の花びらが。
赤く染まったアスファルトの上に、そっと沈んでいった。
──あの日が、すべての始まりだった。
第1話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡20
rara🎼
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