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加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
新城秋穂
新城貴恵
新城秋穂
新城秋穂
加賀春樹
加賀春樹
新城秋穂
新城貴恵
新城秋穂
新城貴恵
新城秋穂
新城貴恵
新城秋穂
新城貴恵
新城貴恵
新城秋穂
僕達は食堂に会していた
時刻は19時30分
今日初めての食事だった
僕はあの後 こっそりと資料を自室に持ち帰り 新居に呼ばれて食事の席に着いた
少し遅れて新城家の人々はやって来た
やはり初日に比べると 全員がやつれている雰囲気がある
顔には疲労の色が見え 休息が必要なことは明らかであった
しかし 僕は形式的に全員のアリバイと事件当夜の動きを聞いた
それにより 全員が似たことを言って収穫はないことが分かってしまう
……それでも
僕は前方に座る男を見た
落ち着き払っている
まるで無実のように思えるが この新城賢太郎という男は……
疑いの目を向けていると 金田直斗が声を上げた
金田直斗
金田直斗
金田涼子
金田直斗
金田直斗
加賀春樹
新居宗介
新城賢太郎
私が金田直斗の言葉を指摘すると 皆が一斉にこちらを向いた
よほど、意外だったのだろうか
金田直斗
加賀春樹
金田直斗
加賀春樹
金田涼子
加賀春樹
新居宗介
加賀春樹
新居宗介
新居宗介
加賀春樹
加賀春樹
加賀春樹
金田直斗
金田涼子
新城賢太郎
新城賢太郎
新城秋穂
新城秋穂
新城賢太郎
加賀春樹
加賀春樹
僕は分かっていた
論理的に考えたつもりだが 実際にあの佐久間は部外者なのだ
その人間が、いまもこの新城邸にいる
突然表れては、突然と消える
ましてや 脱出不可能な状況で消えてしまったなどと言い出せば、頭の様子を心配されるのは間違いないだろう
複雑な心境で 矛盾した推理を合理化したのだ
結果的に 秋穂を怖がらせ、自身を惑わせただけだ
何が正解だというのだ
僕が無駄なことを考えていると 新居は席を立って言った
新居宗介
新居宗介
だだっ広い食堂内に コツコツと革靴の音が響き渡る
やがて その場に沈黙が降りた
僕は、何となく窓を見た
風によって ガタガタと窓が震えている
雨は天から水の張ったバケツを落としたように、今も勢いが一向に収まる気配はない
先行きが思いやられた
視線を転じて テーブルに並べられたものを見る
まだ湯気がゆらゆらと出ているスープ 焼き上がりの良さそうなクロワッサン ふわふわのスクランブルエッグに 脂ののったベーコン
ホテルの朝食のようだった
しかし 未だに手をつける者は少ない
手をつけたところで 大して食も進まなかった
だから、晩餐は画廊と化していた
カチャッ
シュボッ
目の前で金属音がした
目を上げると 珍しく新城賢太郎が煙草をくゆらせていた
煙はスープの湯気と交差した
一つの生物のようにその場を漂う
ゆらゆら
ゆらゆら
次第に湯気は勢いを弱め 煙草の煙しか見えなくなった
ぼうっとして、また前を見る
煙越しの新城家の人々は 姿が曖昧に見えた
まるで 創りものの人形のような……
ガタッ
新城賢太郎が席を立った
新城賢太郎
新城貴恵
新城賢太郎
新城貴恵
金田直斗
金田涼子
新城秋穂
新城賢太郎
各々が食堂を出て行く
僕は夢を見ているような感覚のまま 後を追う
新居宗介
新居宗介
加賀春樹
声はほとんど無意識に出た
時刻は21時
まだ寝るには早い
しかし 今日1日で膨大な情報量があったのだ
だから、とにかく疲れていた
そのまま ベッドに身を投げ出す
そしてすぐに目を閉じる
眠れてしまいそうだった
しかし シャワーを浴びないと……
……いいや、面倒だ
もう、このまま寝てしまおうか
頭を休めるためにも 暫くそうする
部屋の空気が肌に伝った
夏だというのに ひんやりとしている
心地が良かった
ああ、もう意識が遠のいている
これは
眠れる
……
"殺せ"
"殺してしまえ"
あいつらは気持ちが悪い
結局、利益しか考えてない猿だ
抑えられない衝動に
従順になれ
その手に握ったナイフで
額を突き刺して
"殺せ"
無意識のなかで
人を殺してしまったような
感覚が……
ドンドンドンドン
ドアを激しく叩く音がする
もう少し、寝ていたい
ドンドンドンドン
加賀春樹
うっすらと目を開ける
窓からの光はまだ少ないようで 朝か夜かの判断がつかない
「起きるんだ」
「起きるんだよ」
扉越しに声がする
加賀春樹
「起きるんだよ、加賀君」
この声は……
加賀春樹
「そうだ。僕だ」
「とにかく、扉を開けてくれ」
新城賢太郎が僕を呼んでいた
目を擦る
重い身体を起こして 転びそうになりながら、扉へ向かう
扉に付いた内鍵を外す
ノブに手をかけて 扉の隙間から顔を出した
そこには 息を切らした新城賢太郎がいた
どうやら 走ってここまで来たらしい
「加賀くん」
息が整う前に、学者は話し出した
新城賢太郎
加賀春樹
加賀春樹
腕時計を見ると まだ、午前5時だった
こんな早朝に、どうしたのだろうか
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
その瞬間、嫌な予感を覚えた
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎の顔は焦っていた
それに、明らかに動揺していた
様子を鑑みるに ただならない事態が起こったのだ
僕は、恐る恐る質問した
加賀春樹
新城賢太郎
息を呑む
徐々に 鼓動が早まって行くのが分かる
目も冴えてきてしまった
残念ながら これを夢だと否定するのは難しい
身体も脳もリアルに 予測される恐怖に対して身構えていた
筋肉が緊張して固まっていく反応は
更に促進されることになった
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
人が、殺された
何だって?
まだ、続いているというのか?
終わってはいなかったのか?
気が動転する
確かに 犯人探しの意図はそこにあった
犯人をさっさと特定して 身の安全を守るためであった
しかし、現実に起こった事実だと認識するのは容易でなかった
推論の域を出ないものだったからだ
それがいま……
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
加賀春樹
震える声を絞り出して
その名を聞く勇気を出す
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
加賀春樹
ふう、と息をついて
新城賢太郎は 僕の目を真っ直ぐ見てきた
僕は怖気付きながらも 励ますように頷いた
そして 新城賢太郎は口を開いた
新城賢太郎
新城賢太郎
新城賢太郎
加賀春樹
新城貴恵が殺された?
新城賢太郎
新城賢太郎
何が起きている
そもそも
なぜ?
なぜ、貴恵が殺されなければならない
僕は思ったことをそのまま口にした
加賀春樹
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
僕は嫌な予感が収まらなかった
その理由
なぜか
なぜか "2人殺された"のではないかと思った
どこからそんな発想が出てきたのか 自分でも分からない
それが嫌な予感の正体であり 拭えきれない不安だった
……聞きたくなどない
しかし 質問せずにはいられなかった
ほかに、他に殺された人は……
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
新城賢太郎は間を置いて
ある人間の名を告げた
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
加賀春樹
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
加賀春樹
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
新城賢太郎
それは気にかかるが いまは違う
それよりも 2人の人間が一晩で殺された
そんな非常識なことが起こっている
僕は狼狽した
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
加賀春樹
新城賢太郎
新城賢太郎
新城賢太郎は、さっさと歩き出す
少しのあいだ あまり急なことで背中を見ていたが
覚束ない足取りで 僕は急いで後に続いた
……
扉を開けてすぐに
椅子に座ったままの老婦人
新城貴恵が生き絶えていた
額にナイフが刺さったまま、である
そのまま 視線をその下に向けると
つまり 新城貴恵の死体が座る
椅子の傍ら
地面に仰向けに倒れ臥して 額にナイフが突き刺さっている
金田直斗がいた