季節は春から初夏へと移り、
青葉城西の体育館にも蒸した空気が漂い始めていた。
監督
監督の声に呼ばれた及川が部室に向かうと、
そこには見慣れないスーツ姿の男性がいた。
監督
監督が言う、あの子とは夜空のこと。
男は名刺を差し出した。
先生
先生
及川 徹
及川の声が鋭くなる。
先生
先生
先生
及川 徹
先生
先生
その言葉が及川の胸に刺さる。
(俺は、本当にあの子の全部を知ってるのか?)
その日の夜。
夜空は図書室でノートをまとめていた。
先日のメッセージ以来、無言電話や無記名の手紙が続いていたが、
誰にも言えずにいた。
(及川くんに言ったら、また私のせいで…)
心の奥にヒビが入り始めていた。
そこに、及川からのメッセージが届く。
夜風が吹く屋上
及川は、夜空に向き合っていた。
及川 徹
天音 夜空
及川 徹
夜空の体が強ばる。
天音 夜空
及川 徹
及川 徹
及川 徹
及川 徹
夜空の目が、多く見開かれる。
天音 夜空
及川 徹
沈黙が落ちる。
そして、夜空は震える声で語り始めた。
天音 夜空
天音 夜空
天音 夜空
風の音が強くなる。
天音 夜空
天音 夜空
天音 夜空
及川 徹
天音 夜空
そこまで言って夜空は俯いた。
天音 夜空
及川は迷わず、夜空を抱きしめた。
及川 徹
夜空の頬に暖かいものがこぼれる。
及川 徹
及川 徹
けれど、その夜。
体育館裏で一枚の写真が
匿名のアカウントから拡散された。
そしてその投稿には_
夜空の名前なはっきりと刻まれていた。
コメント
2件
ギリ耐えてる 投稿したやつ誰やねんまじ