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その朝、青葉城西の体育館はざわついていた。
『見た?』
『あの投稿、本当なの?』
生徒たちがスマホを片手に、ある画像を見せ合っていた。
その中心には、
天音夜空
という名前と、顔写真。
(どうして…)
夜空は自分のロッカーの前で立ち尽くしていた。
無記名の投稿、拡散される過去、自分の意思とは関係なく流れていく噂。
マネージャー
同じマネージャーの子が恐る恐る声をかける。
マネージャー
その言葉がトドメだった。
夜空が何も言えず、無言でロッカー室を出ていった。
一方その頃。
及川もまた、投稿の存在を知っていた。
(やられた…)
写真はあの日の夜空の涙の瞬間。
誰かがこっそり撮ったもの_
そして、完全な悪意をもって編集されたもの。
及川 徹
スマホを強く握りしめた及川は、すぐ監督の元へ向かった。
会議室では、既に数人の教師と顧問が集まっていた。
先生
その言葉を遮るように及川が言い放つ。
及川 徹
顧問
顧問
及川 徹
沈黙が落ちる。
及川 徹
及川の瞳は、どこまでも真っ直ぐだった。
その日の夕方。
校舎裏のベンチに座っていた夜空の前に
及川が現れた。
天音 夜空
夜空の声はどこか諦めたようだった。
及川 徹
天音 夜空
及川 徹
及川 徹
そういって及川はスマホを取り出すと、
SNSの投稿画面を開いた
夜空は目を見開いた。
天音 夜空
及川 徹
その言葉に夜空の涙が零れ落ちた。
(私はここに居ていいんだ。)
心からそう思えたのは、初めてだった。
けれど物語はここでは終わらなかった。
及川の投稿は確かに夜空を救った。
だが同時にそれを見ていた物の怒りに火をつけた。
背後で画面を見つめる影が不気味に笑う。