嫌われたい理由

高2の夏

あっちもこっちも

リア充だらけで

目のやり場に

困る時期。

そんな夏

私のクラスメイト

長島 英太は

春から入院したまま

退院することなく

夏を越してしまう

と言われていた。

クラスの中心的な

人物。

お調子者だね。

いっつもからかってくるし

英太は

ムカつくやつ。

嫌われるとわかってて

やってるのかな。

私は学級委員長。

ということで

大っ嫌いなあいつの

お見舞いに向かってる。

英太の病室を確認し

ドアを開けた。

そこには

白いベッドに

寝転がった英太。

私が近づくと

体を起こした。

そう言って

手で目を隠す。

私は

年齢＝彼氏いない歴

悲しい……。

クラスのみんなで

千羽鶴を折った。

クラスで千羽は

大変だったなあ。

英太が言うのは

根田 紫音さん

とっても美少女で

皆木 賢人くんという

イケメンな彼氏が居る。

そういえば

優しかった英太が

からかってくるようになったのも

去年からだ……。

英太……。

高3の夏

あっちもこっちも

リア充ばっかりで

目のやり場に

困る時期。

失ってから気づく。

もっと早く気づけていれば。

私は英太が好きだ。

きっとこれからも

変わらない。

英太。

絶対に

忘れないからね。

窓から見上げる空は

澄んだ青空だった。

終わり

根田 紫音って

気づきましたか？

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