わたし
誰…誰が来たの?
Gr氏
フ、フ、フ私だ
わたし
誰?
勢いよくシャッと開けられた先には黒いスーツを着た
金髪の男性が勝ち気な笑みを浮かべている
眼鏡の奥でも何か企む不敵な笑みが分かる
わたし
も、もしかして
わたし
Grさん?
Gr氏
なんだ、よそよそしいな我が妹よ。事故に遭ったと聞いたから文字通り飛行機を飛ばしてやって来たと言うのに冷たいじゃないか。
わたし
え、妹?え、事故?
Grさんは足側の椅子を引き寄せ、手荷物を大事そうに
抱えて椅子に腰かけた
Gr氏
ふむ、医者の言うことは本当のようだ。事故の影響で記憶をほとんど保てないらしいな。まあ心配するな焦ることは何もない。まずは退院を目指して治療に専念することだ。覚えてなくても毎日見舞いに来るゾ、ずっと来るゾ。
わたし
そんな、毎日なんてわるいです。Grさん忙しいのに…
Gr氏
どうした我が妹らしくない、しおらしいな。やはり到着するのに時間かかったことが気に入らなかったか?私が見舞いに来ると迷惑か?
わたし
そんなことないです!迷惑なんてことないです!その、態度が変なのもすみません。まだGrさんが私の…お兄さんだなんて、信じられなくて
Gr氏
迷惑じゃなければ、問題ないな。私も血が凍っているわけではないむしろ自己評価としては慈愛が脊髄を流れていると思うのだがそれはともかく、土産を持ってきたんだゾ
わたし
お土産?ですか?
Gr氏は子供のように無邪気にはしゃいで、大事に大事に持っていた
白い箱を開ける。中身は…ショートケーキだ。
わたし
ふふふ
Gr氏
どうした、何があったのかね?
わたし
いえ、なんだか…懐かしい気がしてきて
Gr氏
そうかそうか、病人にはイチゴをサービスして付けてやろう
わたし
病人にケーキなんていいんでしょうか。私しばらく療養してるから太っちゃいそう…
Gr氏
ム、それは盲点だったな。おやつを食べようとすると書記長がうるさいんじゃ。ここではゆっくり食べられると思ったんだがな。
わたし
ふふ、せっかくですから今日は内緒でこっそりいただきます。
Gr氏
そうかそうか、たんと食べるといい。明日からは二人で食べられるおやつを持ってくるとしよう。リクエストあればいつでも連絡したまえ。
わたし
ありがとうございます、いただきます…
Gr氏
い~ただきま~↑す♪
わたし
んっ、おいしい!
黒いスーツの彼のお土産、真っ白なショートケーキ
最高に幸せの味がした!