カフェで珈琲を飲みながら
ぼんやりしていたときのことだった。
女の子声A
女の子声B
若い女の子たちの会話が
後ろから聞こえてきた。
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
咳払いを一つする。
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声B
女の子声B
女の子声A
何故かその話しが気になって、
家に帰って パソコンで調べてみることにした。
・
・
欠伸を一つ噛み殺し、
時計に目をやる。
グッと背伸びをして
ベッドに入る。
いつもなら眠たくなるまでの間、
スマホをいじっているのだが、
不思議なことに
この日は驚くほどストンッと
眠りに落ちたのだった。
・
・
目を覚ますと
そこは見知らぬ部屋だった。
目の前には
とても古いタイプの
デスクトップパソコンがあった。
そこで異変に気がつく、
手も足も
首も指も
口も
ただ唯一動かせるのは
目だけ。
しかし、目をどれだけ動かしても、
見えるのはブラウン管モニターと
薄暗い部屋の一部だけ。
それ以上の情報は得られなかった。
突然、
モニターが映り、
見慣れた動画投稿サイトが表示されるが
色褪せて
もう何年も放置されたような雰囲気が漂っていた。
そして、
マウスポインタ―が勝手に動き出し、
検索エンジンをクリックする。
もちろん、
視界の中にあるマウスは
微動だにしていない。
さらに、
勝手に文字が入力される。
”呪って下さい。”
と。
そこで自分が夢を見ているのだと理解した。
検索結果、
一つの動画が表示され、
またポインターが勝手に動き、
その動画をクリックする。
ブラウン管モニターいっぱいに表示される動画。
そこに映し出されたのは、
若い女の子たちが
廃墟の中で
楽しそうにはしゃぐ姿。
音声は無く、
無音のまま、
女の子たちは笑いながら
廃墟の奥へと進んでいく。
ひた…
ひた…
微かに音が聞こえた。
ひた…
ひた…
耳を澄ませてみると、
足音はピタリと止んだ。
その音が気にはなったが、
体は動かせないので
確認することは出来ない。
その間にも
動画は進んでいる。
廃墟の壁に落書きをする女の子たち、
お菓子を食べてはゴミをその辺に投げ捨て、
下品な笑い声が今にも聞こえてきそうだった。
ひた…
ひた…
ひた…
ひた…
足音は
確実に
自分の背後に
近づいていた。
ひた…
ひた…
ひた…
真後ろで
なにかは
足を止めた。
それと同時に、
画面の中の女の子たちの表情も
何かを見つけ
強張る。
ひた…
ひた…
また、
遠くから
足音がする。
それも
一つではない。
幾つもの足音が
聞こえる。
画面の中の女の子たちが
恐怖におののき
悲鳴を上げる。
が、
もちろん
声は聞こえない。
一目散に逃げる女の子たち。
その間も
背後では
いくつもの足音が
近づいてくる。
映像の中の女の子たちが、
突然倒れてきた棚の下敷きになる。
頭から血を流し、
彼女たちは動画を撮っている人物に向かって
泣き叫びながら
助けを求めた。
が、
その人物は
彼女らを助けることなく、
その場を離れた。
気がつけば、
近づく足音は止んでいて、
姿は見えないが
気配はする。
たくさんの人に囲まれている、
そんな気配が。
心臓が締め付けられるような緊張感に
本能が警鐘を鳴らす。
ここに居てはいけない、と。
だが、
手も足も動かせない。
口も動かせない。
叫ぶこともできない。
この状況では
息をするのがやっとで、
動画を撮っていた人物が、
廃墟の外に出た瞬間、
モニターが消え、
辺りは真っ暗になった。
冷気が
首筋を撫でる。
”呪って下さい。”
耳元で囁かれる声。
それは
機械的で、
無感情で、
一瞬で
全身に鳥肌が立った。
飛び起きた自分は、
嫌な汗をかいていた。
安堵の息を吐き、
深呼吸をして
気持ちを落ち着かせる。
夢の内容を思い出そうとすると同時に、
見えない人たちに囲まれる恐怖も思い出されて。
脳味噌が思い出すことを拒む。
ベッドから起き上がると、
パソコンの画面が付いていることに気がついた。
そして、
パソコンに近づいて
伸ばした手が
止まる。
画面に映し出されているのは、
棚の下敷きになった
女の子たちの姿。
女の子声A
女の子声B
女の子声A
女の子声B
女の子声A
”死にたくない!!!”
女の子たちは
泣き叫んでいた。
”呪って下さい。”
耳元で
あの声がした。
”自分の”
”運命を…”
”呪って下さい。”
END
コメント
7件
こういうの大好き…
主人公の実写、まさか虚木さん…!?とおもいつつ、なるほど「自分の運命を」呪ってください、かと腑に落ちました