そう思ったと同時に、 思い出した。
……テヒョニヒョンの代わりに、 在校生代表していた人……。
JUNGKOOK
ジミンと呼ばれた人は、 ニコニコ人のよさそうな顔でほほ笑みながら、 僕の方へと近づいてくる。
目の前まで来ると、 顔を覗き込むように見つめられた。
JIMIN
JUNGKOOK
突然そんなことを言われ、 当たり前に慌てる僕。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
お世辞満載なセリフに、 思わず一歩あとずさる。
JIMIN
そんな僕に気づいたのか、 ジミン先輩は頭をかかえながら笑顔で「ショックー!」と語尾を伸ばす。
JUNGKOOK
絶えずニコニコしているジミン先輩に、 思わずそう言いたくなった。
JIMIN
今日、 何度目かの質問に恐る恐る口を開く。
JUNGKOOK
JIMIN
JIMIN
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
ジミン先輩は、 そんな事を言いながら僕の肩に腕をまわしてきた。
驚きで体は硬直し、 何か言いたいのに何も言えない。
JUNGKOOK
触らないで…と 出かかった言葉が喉で詰まる。
罪悪感しか湧かなくて、 思わず目をぎゅっとつむった。
V
JUNGKOOK
愛しい人の声とともに、 離れたジミン先輩の腕。
テヒョニヒョンが振り払ってくれたようで、 胸を撫でおろす。
JUNGKOOK
顔を上げてテヒョニヒョンを見つめるけど、 彼は僕をいっさい見ようとしない。
V
JIMIN
JIMIN
V
V
ジミン先輩の腕を引っ張り、 僕から離れるテヒョニヒョン。
JUNGKOOK
心臓が、バクバクうるさい。
嫌われてるのも分かってるのに、 僕のことなんて眼中にないのだって、 全部わかってるのに……。
JUNGKOOK
思ってもみなかったテヒョニヒョンの行動に、 僕は必死に涙を堪えた。
こんなに近くにいる。
何年も会いたかったテヒョニヒョンが。
僕は、 何をしたかったんだっけ……。
テヒョニヒョンと再開して、 何を言いたかったんだっけ…?
あれだけ考えていたのに、 いざ目の前にすると、 頭の中が真っ白になる。
V
RM
RM
呆然と立ち尽くす中、 テヒョニヒョンと、 ナムジュン先輩の会話がうっすらと聞こえた。
J-HOPE
JUNGKOOK
ホソクに呼ばれ、 慌てて駆け寄る。
どうやら6人で帰ることになったらしく、 テヒョニヒョンが見るからに嫌そうな顔をした。
JUNGKOOK
そう思うものの、 こんなチャンスを逃すわけにはいかない。
ちゃんと向き合うために、 高校まで追いかけてきたんだから。
ちょっとやそっと嫌がられたって、 諦めない…!
RM
RM
ナムジュン先輩にそう言われ、 苦笑いしながらほほ笑む。
RM
RM
JUNGKOOK
顔をまじまじと見ながらナムジュン先輩にそう言われ、 思わず体を後ろにそらした。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
J-HOPE
SUGA
戸惑う僕をよそに、 ホソクとユンギが話し始める。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
J-HOPE
J-HOPE
思い当たるフシがなく、 激しく首を振る。
JUNGKOOK
やましいことは何もないけど、 そういう類の話を聞かれて誤解されたらどうしよう…。
…ていうより、 誤解ってなんの誤解?
自問自答しながら、 片目でちらりとテヒョニヒョンの顔を見る。
視界に入ったテヒョニヒョンは、 完全に興味がなさそうな表情を浮かべていて、
さらに大きなあくびを1つ。
JUNGKOOK
わかっていたのに、 ひどく落ち込む自分がいた。
肩を落とし、 ズキズキと痛む心臓から目を背ける。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
念のため、 テヒョニヒョンに誤解を招かないように釘を刺した。
テヒョニヒョンがピクっと反応した気がしたけど… 本当に気のせいだと思う。
______
5分ほどみんなで歩いたところで、 分かれ道になる。
きっとみんなは電車通学だろうから、 駅方面…右に行くんだろう。
僕は徒歩通学で、 右に行ったところにアパートがある。
JUNGKOOK
J-HOPE
JUNGKOOK
「それじゃ、ここでバイバイだな」とユンギが言ったから、 僕は笑顔で頷いた。
RM
__え?
ナムジュン先輩の言葉に、 驚いてテヒョニヒョンの方を見る。
すると、 わかりやすく嫌そうな顔をしているテヒョニヒョン。
どうやら僕と同じ方向みたい。
JUNGKOOK
JIMIN
RM
子供のように駄々をこねるジミン先輩をコツンと軽く殴り、 バイバイと手を振るナムジュン先輩。
JUNGKOOK
ナムジュン先輩に続き、 ホソクとユンギも、 手を振って右の道に行ってしまった。
残された、 僕とテヒョニヒョン。
JUNGKOOK
二人とも立ち止まって、 その場から動こうとしない。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
頭をフル回転させて、 セリフを考える。
V
ところが僕が話しかけるよりも先に、 テヒョニヒョンそう言って歩き出した。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
どうやら、 ある程度のところまでは一緒に歩いてくれるみたいで、 思わず頬が緩んでしまう。
JUNGKOOK
前を歩くテヒョニヒョンに小走りで駆け寄り、 隣に並ぶ。
JUNGKOOK
V
JUNGKOOK
V
昔の光景がフラッシュバックし、 いろいろな感情が入り交じる。
懐かしい…… もう、今では考えられない過去。
あの時は、 きっと人生でいちばん幸せだった。
だって、 テヒョニヒョンはいつでも僕の隣にいてくれた。
隣にいることを許してくれた。
何もかも鮮明に覚えてる。
ずっと忘れられない。
全部、 そう、 全部覚えてる。
幸せな出来事も、 楽しかった出来事も、 そして、 僕達の関係が壊れてしまった日のことも…
ねぇテヒョニヒョン。 僕は忘れられないよ…。
V
テヒョニヒョンの大きな声が聞こえて、 はっと我に帰る。
V
JUNGKOOK
再び道が二手に分かれているところに差しかかり、 へその問いかけ返事をした。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンは舌打ちをしながら、 右方向に進んでいく。
JUNGKOOK
V
V
V
イライラしたような、 テヒョニヒョンの声。
なんだか、 テヒョニヒョンじゃないみたい。
V
V
V
JUNGKOOK
あんなに優しかったから、 優しくしてくれたから、 正直、 どっちが本当のテヒョニヒョンなのかわからない。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
なにか言おうとした時、 自分の家が目に入って、 言いたい言葉が喉の奥に引っ込んでいった。
V
僕が立ち止まった目の前に、 アパートがある。
テヒョニヒョンはそこを見ながら、 目を見開いた。
V
JUNGKOOK
何をそんなに驚いてるのか。
そんなに綺麗ではないけど、 決してボロくはないアパート。
ごく普通の、 アパートだと思う。
V
JUNGKOOK
V
V
V
豹変するテヒョニヒョン。
僕は思わず、 下唇をギュッと噛む。
V
V
JUNGKOOK
V
V
JUNGKOOK
V
V
V
JUNGKOOK
何を言っても止まらない、 テヒョニヒョンの罵倒。
一言一言が刃となって心臓に突き刺さり、 僕は思わず目をきつく… きつくつむった。
テヒョニヒョンの言いたいことはわかる。
V
V
それだけ言い残して、 去ろうとするテヒョニヒョン。
JUNGKOOK
僕はその背中に、 聞こえるか聞こえないかくらいの声を投げた。
テヒョニヒョンの足が止まる。
それは、 聞こえたという合図。
振り返りはしないけど、 立ち止まった背中に、 もう一度、 言葉を投げつけた。
JUNGKOOK
理由があって、 両親と暮らしていない僕。
そんな僕を、 小学四年生の頃から育ててくれたおばあちゃんがいた。
テヒョニヒョンもよく知る、 僕が大好きだったおばあちゃんが。
JUNGKOOK
どういう顔をしていいのか分からなくて、 でもこれ以上は重い空気になりたくないと思った僕は、 笑顔を作った。
JUNGKOOK
かたくなに振り返ろうとしなかったテヒョニヒョンが、 ゆっくり振り返る。
JUNGKOOK
__あ、ダメだ。
涙が零れてしまう。
とっさにそう思い、 今度は僕がテヒョニヒョンに背を向ける。
JUNGKOOK
コメント
10件
え、なんか泣きそう←情緒不安定
続き待ってます!(^^♪
グクは治安の悪い所に住んでてテテは心配してる感じ?テテはグクを忘れたかったのか。素直になればいいのに。グクも気づいてないし。続きが気になるぅ〜🥺