自分
ルビーの家は七色にかがやくジュエルの泉の向こうがわ、かわいいとんがり屋根の家が立ちならぶ住宅街にあります。
自分
そこまで続く花のこみちの両わきには、赤やピンク、きいろに水色、うすむらさきにオレンジ、さまざまな色のかわいいお花がぷっくりと咲いています。
自分
小さな花たちに囲まれながら、ぴょんぴょんとかわいい足音を立て、帰っていくルビー。
自分
すると、後ろから、大きな荷物をひいて誰かがやってきました。
エンジェラ
パカ〜パカ〜
ラブラ
みなさん、荷物が通るラブー。道をあけるラブ〜
自分
やってきたのは、ラブラとエンジェラです。
自分
二人は、ジュエルランドの荷物を運ぶ、『ジュエル急便』で働いています。
自分
ラブラは赤ちゃんポーラーベア。真っ白の顔に大きなブルーのひとみが輝き、むねには土星の小さなネックレスを下げています。
自分
いつも、なかよしのアルパカ、エンジェラに乗って、配達をしているのです。
自分
ルビーは、いつもラブラを見ると、うらやましくなります。
自分
エンジェラは、全身がうすピンク色のふわもこした毛におおわれています。
自分
それは、まるでふんわりわたがしのよう。
自分
そんなエンジェラの上に乗っていつも移動できるなんて、いいなぁと思うからです。
ルビー
こんにちは。ラブラ、エンジェラ。ずいぶん、たくさんの荷物ね
自分
ルビーは立ち止まって声をかけました。
ラブラ
引越しの荷物だから、いっぱいあるラブー
ルビー
引越し?え?誰か引っ越してくるの?誰だろう!ああ、どうしよう〜!かっこいい男の子だったら〜
エンジェラ
ブッブー。ざんねんパカ。女の子パカ
ルビー
女の子?へぇ、どんな子だろう……
ラブラ
急ぐから、バイバイラブー
エンジェラ
パカー
ルビー
ばいばーい!
自分
ルビーは二人を見送ると、ウキウキしてきました。
自分
女の子かぁ……ジュエルランドにまた新しい友達がふえる……ルビーは早く会いたくなりました。
自分
ルビーのお家は真っ赤な三角屋根に白いかべ。
自分
かわいいおうぎ形の出窓には真っ赤なお花がかざられ、屋根の上にはハート型のえんとつがのびています。
自分
お家の中はカーテンにクッション、テーブルにソファーに……どれもこれも大好きなピンク色でいっぱい。
自分
ハート型のえんとつからもこもことけむりが立ち上ってきました。
自分
ルビーが夕ご飯を作っているようです。
ルビー
フフ。今日の夕食がクリームシチューだもんねー。わぁ、おいしそう。でも、ちょっと作りすぎちゃったかな〜
自分
その時です。
自分
コンコンコン……玄関をノックする音が聞こえました。
ルビー
あれ?誰だろう……はーい、今、あけまーす
自分
ルビーがドアを開けると、そこには、見知らぬペットが一人、ちょこんと立っていました。うすピンクのふさふさの毛に、いちご色のぱっちりとした大きなひとみがとても印象的です。
ロリップ
はじめまして。今日、となりに引っ越してきました
ルビー
あぁ、あなたのことだったのね!
ロリップ
名前はロリップといいます。よろしく
ルビー
ロリップ?……へぇ、まだ私の知らないジュエルペットがいたのね!フフフ。こちらこそ、よろしく!
自分
ルビーは、ロリップにあく手の手をさし出しました。
自分
ロリップは少し顔を赤らめ、照れながらも嬉しそうにルビーとあく手しました。
ルビー
これで、もうお友達ね!あ、そうだ!ちょうど夕食のクリームシチューを食べるトコだったの。よかったら、一緒に食べない?
ロリップ
え?いいの?
ルビー
もちろんよ!
自分
ルビーは、嬉しそうに白にピンク色のふちどりのあるうつわにクリームシチューをたっぷり盛ると、ロリップのすわるテーブルの前に置きました。
ロリップ
わぁ、おいしそう!
ルビー
でしょでしょ?私、クリームシチューだけは上手なの。あとはぜーんぜんダメなんだけどね。さ、食べて、食べて
ロリップ
うん!いただきまーす
ルビー
私も、食べよーっと。いただきまーす
自分
夕食を食べながら、ロリップは引っ越してきた理由について話してくれました。
自分
話によると、ロリップは、今まで街の外れにひとり暮らししていたそうです。
ロリップ
うちの近所にはジュエルペットが全然いなくって。ずっと友達ができずにさびしかったの。だから、ジュエルペットの友達がほしいと思って、引っ越してきたのよ
ルビー
じゃあ、ちょうどいい時に引っ越してきたわね。もうすぐジュエルフェスティバルよ
ロリップ
ジュエルフェスティバル?
ルビー
うん。ジュエルランドが1年でいっちばん盛り上がる日。ものすごーく楽しいんだから
ロリップ
わぁ!
自分
と、期待にむねをふくらませ、ルビーの話を聞くロリップ。
自分
いちご色のひとみがキラキラと輝いています。
ルビー
そうだ!ロリップ!明日は私の友達、紹介してあげる
ロリップ
わぁ!うれしい!ありがとう、ルビー







