相変わらず涼ちゃんの家の中は寒かった
どうしてだろう
懐かしい、この匂い
涼ちゃんの匂い
今まで気づかなかったけど、 涼ちゃんの匂いはものすごく落ち着く
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また規則正しく靴を並べ、入る
もちろん向かうのは涼ちゃんの部屋
ぎしぎしと小さく音を立てて2階へと向かう
元貴が静かに扉を開ける
涼ちゃんらしい部屋だ
かわいいものがたくさんある
そして少し散らかってる
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元貴も同じことを考えていたようだ
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元貴が棚の引き出しを開ける
まるでなにかを探してるみたいに
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と元貴が小さな手紙を渡した
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元貴へ 急にごめんね、 こんなことになるとは思ってなかったよね、笑 いつも元貴には支えられてばっかだったよね ありがとう 活動休止中もダンスのレッスンで怒られてばっかだった僕を支えてくれたよね キーボードとかも難しいメロディーもあったけどちゃんと丁寧に教えてくれてさ、お手本とか見せてくれて、笑 僕にできることは精一杯やって、 でも元貴の才能には追いつけなくて、ほんとに尊敬しかないな~ なんで僕はこんなに弱いんだろうね すぐに泣いちゃってさ、 いつまでもアンチとか引きづってるし…笑 だめだめだなぁ~笑 でもそんな僕を元貴は認めてくれた ありがとう BFF!あれ嬉しかったな~笑 僕らのために作ってくれてほんとにありがとう ミセスとして活動できたのは元貴のおかげだよ ミセスとして活動できてよかったなぁ~ 楽しかった! もう僕はいなくなっちゃうけどちゃんと活動してね!笑 最期まで弱くてごめんね。ありがとう 藤澤涼架。
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若井へ 若井とはさ最初全然仲良くなかったよね!笑 でも段々溶け込んでいったというか、、笑 時間を過ごしていくうちに仲良くなってさ! すごいよね! 休止中も料理とかして支えてくれて嬉しかった! 若井の料理めっちゃ美味しくて僕は好きだな~! ライブでは毎回ギターソロを奪い合う仲だよね…笑 奪いたくなっちゃうだもん 若井かっこいいし、、 でも1番の思い出は一緒に料理したことかな! 一緒に作ったきのこパスタ美味しかったな~、 ダンスも上手でさ、ギターも上手で韓国語とかも喋れるし、若井は僕の憧れだな 僕はダンスも下手だし、ギターは弾けないし、韓国語も喋れないし、若井にはなれそうにないや笑 情けない僕でごめんね 僕はいなくなっちゃうけど元貴のことちゃんと支えてあげてね! 寂しくなっちゃったときは傍にいれば大丈夫だよ! ほんとにごめんね。今までありがとう 藤澤涼架。
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静かな部屋から携帯電話の着信音が聞こえる
僕の携帯だ
画面を見ると
懐かしい名前が書いてあった
そこには
〝山中綾華〟と。
電話に出る
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少し震えた声で綾華は話す
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通話終了ボタンを押す
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LINEの着信音が鳴る
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僕らは静かに靴を履き、玄関のドアを開けた。
コメント
2件
続き待ってます!涙が止まらん😭