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牛タンつくね
今回のお話のモデルはぐちり様の楽曲 「アブノーマリティ ・ ダンシンガール」 をお借りしております
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蝶
蝶
蝶
蝶
フラッ…
ガクッ
蝶
やだ、こんな薄汚い路地裏で
体…動かない
…死にたくないッ!!!
──ねぇ、見てよアレ。 ──うわ…やば、血まみれじゃん。 ──這いつくばってる…芋虫みたいw
パシャパシャッ
──おい写メ撮ってないで助けろよw ──やだよオレ行きたくねーしw ──汚ったな……なにあれ。 ──は、女装してんの??www ──気持ちワリィwww
蝶
皆が…アタシのこと見てる
これがアタシの望んだ結末?
…違う
違うっ!!
──化粧ぐっちゃぐちゃじゃんww ──それなwてか何あのゴスロリwww ──泥だらけでまじウケるww ──ガチきしょいねんけどwwww
うるさい!!
やめて…っ
やめてッッ!!!
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昔から人気者になりたかった。
皆に注目されたかった。
教師
華音
教師
華音
───でも、 いつもどう頑張って努力をした所で、
教師
亜月葉
- 65/100 -
亜月葉
──指し示されるのは平均値だった。
亜月葉
グシャッ
くだらない評価に踊らされてばかり。
───もう嫌になっちゃった、 この人生。
『 ───なら、 生まれ変わろうか? 』
いじめっ子
亜月葉
いじめっ子
亜月葉
いじめっ子
ドカッ!!!
亜月葉
いじめっ子
耐えろ。
教師
いじめっ子
いじめっ子
亜月葉
教師
──名前すら覚えて貰えない。
亜月葉
口が裂けても、言えない。
教師
案の定…先生も頼れない。
亜月葉
亜月葉
亜月葉
───せめて、 自分らしく生きて死にたいな。
華音
亜月葉
亜月葉
華音
華音
亜月葉
華音
亜月葉
"才能"などなかった。
至って"平凡"な、"普通"な人間。
そんな自分が、 狂いそうなくらい嫌いだった。
──初めて人に優しくされたあの日。
華音
亜月葉
華音
亜月葉
華音
──初めてそう言われた日。
華音
"異常"
亜月葉
僕は、
華音
『 アタシは、 』
華音
───"それ"に胸を埋め尽くされた。
亜月葉
華音
『 』
亜月葉
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亜月葉
華音
亜月葉
亜月葉
華音
いじめっ子
いじめっ子
……もう、他人に何を言われようが構わない。
君が喜んでくれるなら、 アタシは幾らだって、 なんだってするよ!
ほら見てよ! アタシ、凡庸な服を捨て去ったの! …そう、喩えるならね、
『 今蛹から 蝶になるの 』
だから、ありのままのアタシ、 全て見せるわ!
『 踊らされるんじゃない! ───"踊る"のよ! 』
───"普通"が呪いをかけてきて、 "異常"に憧れたの。
他者の異論・持論に興味など無い。
───"好き"とか"嫌い"とか、 そんなのとうに通り越して、 ───"異常"に恋焦がれていたの。
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最近カノンちゃんが 話しかけてくれない。
アタシは責めたりしないけど、 それでも1人は淋しい。
いじめてくるやつらも いつの間にかいなくなってた。
あ。アイツ、 アタシを笑ってる。
「 ぎゃあああ゛っー!!!!!! 」
これでよし!♡
またクラスメイトが 1人死んじゃった。 …なんでだろ?
ねえ、カノンちゃん。
な……なに……?
アタシね?ずっと前から カノンちゃんが好きだったの。
………ごめん、私──
でもね、思ったの。 カノンちゃんはアタシから …離れちゃうんじゃないかなって。
……ッ!!!
だからね!考えたんだ。 "これで"カノンちゃんと ずっと一緒に居られるの!
…………ゃ、やめ───!!!!
グサッ
好き、大好きだよカノンちゃん。 コレでもうアタシから離れない。 ずっと一緒にいようね。
…………
…あれ?なんでずっと そっち向いてるの? この赤いのは…なに?
……ねぇ、返事してよ、カノンちゃん
───アタシを見てよ!!
『 蝶になった。』
───こんな夢を見た事がある。
午前0時、暗い部屋。 僕は一人きりで、 鏡の前に立ってていた。
いじめっ子に殴られた頬が ヒリヒリしてたな。 ──そしたらね、
鏡の中に、 蝶々のような女の子が居たんだ。
その子は可愛くて、可憐で、 笑ってた。楽しそうに。
だから僕、彼女にこう聞いたんだ。
亜月葉
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今思い返すと、その子 アタシによく似てたっけ?
その鏡の中の男の子は、 何やら焦ったような顔で 何かを一生懸命話そうとしてた。
「目を覚ますんだッ!!」 「まだ…引き返せる!!」
ああ、君もアタシを邪魔するんだね。
───────。
──いつの間にか鏡は割れてたの。 それでね、隙間から赤い滴が ぽたぽた落ちてきた。
………あれ?何かがおかしい。
そう思ったから、アタシ 割れた鏡に問いかけたの。
蝶
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『 狂え 』
亜月葉
…返事はなかった。
そう。───コレが 僕の、 『 アタシの、』 歪んだ愛の成れの果てに創られた、 …叶わぬ恋の物語。
蝶
蝶
蝶
───────。
『 頑張ったね。 亜月葉ちゃん。 』
……もういいよ。
君が華音ちゃんじゃないのは 分かってる。
君は、僕の本音だ。 「僕」の中の、「アタシ」の部分。
そして…"僕"を殺したのも君だ。
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昔から人気者になりたかった。
皆に注目されたかった。
そして───認められたかった。 例えそれが、 "自問自答"だったとしても。
意識を失う寸前、 私は掌の中の"彼女"を、 抱くようにギュッと握りしめた。
牛タンつくね
牛タンつくね
牛タンつくね